土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

日本の戦争観 

2013-05-30 18:08:00 | 誇るべき日本の歴史

土佐のくじらです。

さて、前回まで世界各国の戦争観、即ち、戦争とは何か・・・を中心の話でした。
そして、世界の主流の考え方は、戦争=ビジネスであると、私は結論付けました。

断っておきますが、世界の各民族は、決して意識的にそう思っているのではありません。
あくまで、無意識にそう思っていると思います。

さて、翻ってわが国日本の人々が無意識に思っているところの戦争観は何か。

一言で申し上げて、私は、日本人の戦争観は、国防である・・・と申し上げます。

別に私の出身国であるから、いい格好をしてそう申しているのではありません。

そう、定義付けると、つじつまが合うからです。
否、そうでないと、つじつまが合わないのです。

他国では明らかに、戦争をすることで、
国内の経済のパイを、単純に広げようとしている歴史です。

他国から、食べ物を取ってくる。
他国の、税金収入を取ってくる。
他国の人々を、労働者(奴隷)として自国に連れて帰る。
他国から、領地を取る。
他国から、賠償金をせしめ取る。

こうした、手っ取り早い経済をするために、自国の軍事力を使ってきたとしか思えない歴史です。

つまり、わかりやすく言うなら、「国家予算が足りなければ、隣の国から取って来い!」っていうことです。
これが、戦争=ビジネス論です。

ですから、負けそうになったら、さっさと領地などを勝った側にあげたり、
征服されたり服従したりして、まあ、そんな感じで交渉するのが普通なのですね。
あくまで戦争は、会社的なビジネス感覚なのです。

負けても生き残れば良い訳ですし、生き残っていたらまたやり返すことも可能です。
会社的ビジネスですから、処理が早いわけですね。

しかし、日本の他国との戦争歴史においては、そういった迅速な戦後処理をした形跡がありません。
結構、国家間国際間の関係が悪化してから戦争をし、戦後処理もてこずった様子が見受けられます。

戦争事に関して日本は、諸外国より明らかに打つ手が遅いです。
のっぴきならない状況に陥ってから、シャニムに戦い始めるのが、日本のパターンです。
(この感覚は、今でも変わりないと思われます。私はそこを心配します。)

そして何より、たとえ他国を所領とした場合においても、それによって本国経済が潤った形跡がないのが特徴です。
これが、日本の戦争観が、他国のような、戦争=ビジネスでない、明らかな証拠です。

そして日本は、民族の存亡をかけて戦ってきた事実がたくさんあります。
このような国は、他には例が余りありません。

「民族の存亡をかけての戦い・・・。」

これは、普通は表面的なフレーズであり、実際の世界での戦争は、ある意味でクールなビジネスなのです。
本当に行ったのは、日本と古代ユダヤくらいでしょうね。

世界の常識は、戦争=ビジネスですから、割の合わない戦争は、諸外国は行いません。
否、割が合うと判断するから戦争するのですね。

ですから必ず、自分より弱い相手と戦います。
強い相手だと、弱くしてから戦います。
戦争をビジネスとしてとらえるならば、こういう方法を選択するのは当たり前ですよね。

軍事力も、交渉材料の一つくらいの感覚です。
まあ、彼らからすれば、何でもビジネス的に合意すれば、それでOKなんですね。

日本のように、当時の世界GDP、遥か上位の大国、(清1位・ロシア2位・アメリカ1位)と、
がっぷり四つで戦うなどは、当時の世界の人々から見たら、正気の沙汰とは思えなかったでしょうね。

日本人は、戦争=国防という、世界でもまれな戦争観を有している民族と思われるのです。
日本の中にいれば、それが当たり前であるので、意識しないだけではないでしょうか。

そして日本人は、戦争=国防であるのに、世界の主流の考え方である、戦争=ビジネス論によって、
近代日本の戦争の歴史を教育されているがゆえに、現代日本人は混乱しているのではないでしょうか。

日本的戦争観、戦争=国防を証明する事例は、無数にありますので、一度にはとても書ききれません。
もう神代の時代から、戦争=国防であったのではないかと推測する案件もあります。
神代の時代から、そして現代に至るまで、それは一貫して民族を貫く、軍事的なポリシーだと私は思います。

それが良いことなのか、それとも悪いことなのかは別として、
日本人は元来、国防という理由以外に、武力を使うことを厭う民族なのです。
そういう視点を持つと、日本人の歴史上行ってきた判断が、スーっと、つじつまが合うのです。

長くなりますので、細かい事例に関しては、次回以降、述べさせていただきます。

まとめると、日本人の戦争観、即ち日本人の考える戦争とは何かは、国防であるということです。
そうでないと、日本史のつじつまが合わないのです。


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