昨夜の米国金市場のClosing Price は1オンス1643.56ドルで終えている。一方、昨日の日本の金価格は1g 6442円となった。これまでで米ドルでの最高金価格は、リーマン・ショック後の2011年の1オンス1896.50ドルである。そして日本円の方は、40年前の1980年の1g 6495円であった。日本円の最高価格に迫っているが、円とドル以外の通貨では多くがすでに現在金価格は最高となっている。いずれ遠からず金価格はさらに上昇して行くことになるだろう。歴史上価値が変わらないのが金である。金価格が上昇するのは、通貨の価値が下がるからである。現代のように中央銀行が際限なく通貨を印刷し続けることが出来るようになると、なおさら、金価格は上昇しやすくなる。現在、ドルでの金価格が上昇して来た上に、日本の新型コロナウイルス感染対策のまずさから、「円」が売られ、それこそほんものの(政府の意図的なものではない)円安となっているために、円での上昇は大きくなる。世界がはっきりと日本のウイルス対策に「NO」を表明した。そして、今では世界経済の要である中国経済の停滞が、世界経済に大きな打撃を与えることが見えて来たために、ドル指数が上昇する中での金価格の上昇と言う、これまでの流れとは異なった動きが出ている。先日、政府よりのTVで、米国疾病対策センターCDC、国立感染症研究所などの勤務経験があり、2003年の猛威を振るったSARSウイルス感染では、WHOコンサルタントとして、フィリピンで対応した高橋央(たかはし ひろ)医師が、乗船者をクルーズ船内に留めた措置については「失敗した」と指摘し、今回の日本の新型コロナウイルス感染は、日本全国で数千人単位で感染している可能性があること、潜伏期間に感染することから見て、8ヶ月で終息したSRASウイルス感染とは明らかに違い、終息には1~2年は掛かる可能性があること、東京オリンピックが、大規模感染の舞台になる恐れがあることなどを語った。(SARSウイルスは潜伏期間が短く、潜伏期間には感染しない)。昨日の東洋経済ONLINEは「「中国から見た日本」の感染対策が甘すぎる理由 日本人駐在員は帰国かとどまるか判断に迷う」と言う題の記事を載せている。中国に駐在する日本人から見ると、日本の対策が中国に比べあまりにも甘く、外務省や会社からの帰国指示に従うべきか迷っていると言う。ロシアは中国人の入国を禁じる決定をした。また米国は中国への渡航を禁じる決定をしている。日本では外出に特別な制限はなく、多くの人が集まることも制限されていない。感染が拡大することは避けられない。これ以上経済の悪化を招きたくないため、政府は意図的に大袈裟にならないよう過小評価して、大々的な対策を打とうとしない。それがまた、感染拡大を促進してもいる。NHKによれば、今日新たに確認された北海道の8人、千葉県2人、熊本県2人、和歌山県の1人を含め日本での感染者は、クルーズ船634人含めて、756人となっている。WHOによると、コロナウイルスによる肺炎は、一般に3つの段階を経て重症化する。第1段階がウイルスの複製で、第2段階は免疫の過剰反応、そして最後が肺の崩壊だ。もちろん、全ての人がそうなるのではなく、8割は軽症で済んでいる。しかし、重症で最後の段階まで行くと、肺には蜂の巣のようなたくさんの孔が開く。昨日、神奈川県の黒岩祐治知事は、神奈川県下の新型コロナウイルス感染者を受け入れている医療機関で、抗インフルエンザ薬「アビガン」の投与を認めるよう政府に要望書を提出したことを発表している。日本経済新聞は「中国国内では同様の成分を持つ医薬品に同ウイルスに対する効果が認められているという。」と書いている。女性セブン2020年3月5日号の「新型コロナ、厚労省が最新検査法を導入しない呆れた理由」で、医療ガバナンス研究所上昌広理事長は、2月18日からようやく政府が整えた最大1日3000件超の検査体制について、「スイスの製薬会社『ロシュ』が開発した遺伝子検査キットで、喉の粘膜をとればいいだけの簡単なものもすでに実用化されています。しかし、日本政府はなぜか頑なに導入していません。理由は、厚労省が検査方法を独自開発するために予算をつけ、公共事業にしたからです。最初からロシュの検査キットを使っていれば、クルーズ船の感染拡大をもう少し抑えられたかもしれません」と述べている。いずれにしろ、感染の拡大はもはや避けられず、いずれ渡航制限や外出制限まで行われるようになる可能性がある。たとえ感染しても8割は軽症である。かえって、インフルエンザ の方が確実に高熱に襲われる。むしろ高齢で何らかの病気を持っている人への感染を避ける必要がある。ともかく、早急に、インフルエンザ並に検査体制を充実させるべきだろう。
追記:厚生労働大臣が「アビガン」を「観察研究」の一環として、1カ所の医療機関で新型コロナウイルスに感染した人の治療に使い始めたことを発表した。「アビガン」はインフルエンザ用に200万人分が備蓄されている。多少の前進ではあるが、やはり一番の問題は検査キットである。
追記:厚生労働大臣が「アビガン」を「観察研究」の一環として、1カ所の医療機関で新型コロナウイルスに感染した人の治療に使い始めたことを発表した。「アビガン」はインフルエンザ用に200万人分が備蓄されている。多少の前進ではあるが、やはり一番の問題は検査キットである。
来週は都合でブログ更新が出来ないと思います
膨らんで来た椿の蕾