釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

釜石温泉考

2008-10-31 09:12:23 | 文化
釜石へ引っ越すに当たって釜石に温泉があるか家人が問題にした。地図で調べると小川温泉と出ていた。これで問題は解決と思って来てみると小川温泉は閉鎖されていた。冬の雪が積もる山の中へ一人で探索に出かけて分かった。今思うとちょっと無謀な探索だったように思う。あんな所で車が身動きできなくなったら誰も来なかったのだからどうなっていただろう。北海道の冬の経験が有ったことが過信になっていたかもしれない。日本は火山地帯なので全国どこへ行ってもたいていは温泉がある。中には温泉まがいもあるが。ただ釜石だとやはりちゃんとした温泉となると花巻の温泉郷が一番近いのかもしれない。いつ頃だったか多分5月頃だったと思うが花巻のさほど有名ではない温泉のネット記事を見て出かけたことがあった。男湯には客が1人で外の露店風呂には誰もいなかった。裸だとまだちょっと寒い時で露天風呂に一人のんびりと浸かり、まぶしい日射しを受けて気持ちがよかった。もともと汗かきなのでいつもはカラスの行水なのだがこの時はゆっくりと温泉を堪能した。群馬にも温泉が沢山ありかって群馬にいたころ友人が鄙びた温泉を選んで温泉めぐりをしていたがそういう温泉の方が本当は温泉らしくのんびりできるのかもしれない。


日陰の薔薇

アメリカの倒壊が始まっている

2008-10-30 06:59:22 | 経済
19世紀は大英帝国の時代であった。しかし20世紀に入りアメリカ合衆国がその位置についた。今21世紀に入りアメリカという国家の建物が倒壊し始めた。恐らくここ2~3年で世界は大きく変わるだろう。18世紀からイギリスで始まった産業革命によって物造りのシステムが出来上がり、物造りを大規模化するために資本が集められた。個人や銀行・保険会社を通じて。物造りの物も次第にハードからソフトに移行し、サービスや貨幣を代行する株へ、さらに究極のの債権までが商品となり、アメリカは自ら崩壊の道へ進んだ。サブプライムローンの損失額は未だに確定されない底なし沼となってしまっている。累積する財政赤字は10兆ドルを越え、発行する国債の最大の購入者が中国となった現在、国債発行による財政維持も限界に来てしまっている。日本も累積財政赤字を800兆円抱えているが個人金融資産が1400兆円あると言われており、個人がローン漬けになっているアメリカと少しだけ事情が異なる。今や中国が世界最大の債権国となり、最大の財政黒字国となった。しかしその中国でさえ、これから訪れる世界恐慌の中でどれだけ持ちこたえられるだろう。日本にはあまりにも危機感が見られないが。


撫子 他家の庭先で

釜石のラーメン

2008-10-29 07:10:26 | 文化
秋が進み夜は肌寒くなってきた。習慣でベッドに入り本を読んでいるとチャルメラの音が聞こえて来る。時には焼き芋売りの声が聞こえて来ることもある。あのチャルメラの音を聞くと妙な物で急にラーメンが食べたくなって来る。と言ってもまだ一度も食べたことはない。以前にも書いたが釜石はラーメンがうまい。釜石で入った店でラーメンがうまくなかったことがない。遠野もうまい。昔札幌で何軒かの店でラーメンを食べたが一度ひどい味の店に入ってしまいさすがに店の人に苦情を言った。家で単純に作ったものよりひどいのだ。これでよく商売をやるなと思った。子供の頃はラーメンと言わず中華そばと言っていたがその頃年寄りのおばあさんが一人でやっている店で味わったような味だった。釜石のラーメンは麺が細いが汁もうまいので麺の良さが引き立つのかもしれない。家人はみんな釜石のラーメンが気に入った。癖もなくあっさりとしているのがいいのかもしれない、飽きないのだ。


石竹(唐撫子) 自宅庭先で

街の魚屋さん

2008-10-28 06:40:22 | 文化
釜石の街の中には昔ながらの魚屋さんが他の地域に比べて結構残っている。魚の本場であるためなのか。昔はこうした小売店ばかりが商店街を造っていた。各店は長年の経験で商品の知識を沢山持っていて顧客に細々とアドバイスしてくれたものだ。大型スーパーが主に郊外にできみんな便利で安いというチラシに乗ってそちらに集まる。この便利さと安いという売り文句はほんとうなのだろうか。スーパーは小売りの個人商店を潰してしまい、消費者は選択枝を失った。スーパーには商品の知識と経験を積んだ人がおらず、商品の選択幅も限られている。物によってはどうせ商品説明がないのならネットで探して買った方が安くていいものもある。消費者が結局は個人商店を見捨ててスーパーに走ったのだが、そこには個性のない商品が並び、価格も決して考えるほど安くはなくなっている。スーパーでは表示だけが頼りなのでそこにつけ込んで不当表示がまかり通る。魚も切り身という便利さで魚のさばき方を犠牲にしてしまう。林檎を剥けない子供が増えるのと同じで魚をさばけない主婦が増える。子供が努力や忍耐を疎んじるようになったのは大人の姿を見ているからだろう。店で個人と個人が対峙する個人商店は消費者も何らかの参加が必要だった。今そうした形態がほんとうは必要なのだと思うが。


ベゴニア・センパフローレンス 職場近辺の家の庭先で

秋をとことん味わう

2008-10-27 07:03:06 | 文化
昨日も一昨日同様味覚フェスタに出かけた。炭火を使って釜石産のホタテとカキを焼いて食べたかったのだ。肉は予約注文だったので残念ながら食べられなかった。遠野産の肉だったのだが。ホタテは1個100円で、カキは120円。それぞれ5個づつ買って殻のついたまま網の上に置きしばらくすると熱で殻が開く。開いたところで持ち上がった殻を取ってやる。醤油をかけて味付けをする。カキが特にうまかった。米沢牛の串焼きと同じく米沢牛とこんにゃくを串に刺して釜石の名酒浜千鳥を使った汁に煮込んだものを買い足す。これがまた非常にうまい。後者は絶品である。冗談に店の人は浜千鳥を使ったので採算が採れないと言っていた。1000円の参加費を払ってアワビを釣る体験というのを見物した。1分間に3匹まで釣ってもいいそうだ。何も釣れなければ1匹はもらえるという。大きな釣り針のような物が付いた竿で針をアワビに引っ掛ける。普通に買うと1匹1500円するそうだ。うまい人はたちまち3匹を釣り上げた。会場周囲の木々も色付き、秋を満喫した後また笛吹峠へ向かう。笛吹峠という名前はいい名前だが遠野の民話では悲しい運命の少年が笛を吹いた場所のようだ。曇天のため紅葉の色が濃く一昨日より色がきれいでこのコースが気に入った。何より川が流れるのが絵になる。


網焼きのホタテとカキ

味覚と紅葉

2008-10-26 11:04:45 | 自然
釜石味覚フェスタは思ったより人が多かった。甲子柿や椎茸、山ぶどう、江刺りんごなどを買い込み、昼食に浜結の宝丼とタラの菊汁を食べ、白金豚の串焼きも味わった。食後のドライブに笛吹峠へ向かう。橋野の産直でいつものように一休み。ここでもむき茸などいくつか買い込む。水車小屋の背景の山が黄色く色付いていたので小屋の後ろに回ると橋野川の岩肌と白い流れが見事で感激する。紅葉がもう少し進むとすばらしいだろう。再び車で出発し、青ノ木川に沿って峠に向かった。途中で対向車線に車が1台止まっていて、見ると紅葉がきれい。通り過ぎたのをバックして車を止め、近づくとこれはまたこの秋最高の眺め。青ノ木川とその背景の紅葉がすばらしい組み合わせだ。川へ降りられないのが残念だ。先に車を止めていた人と話すと昨年はここはほんとうにすばらしい紅葉だったとか。この方も遠野方向から来られたが釜石の方だそうだ。さらに車を進めると車が入る空き地が右手に有り、変電所のような建物が川淵にある。近くの紅葉がきれいなのだが、背景があまり良くない。そこへバスが止まり、20~30人どっとカメラを持って降りて来る。インストラクターと話すとやはり先ほどの場所は名所だったようだ。峠を越え、仙人峠経由で釜石へ戻る。今は笛吹峠の方が紅葉はきれいだった。


青ノ木川の紅葉

秋の味覚大集合

2008-10-25 06:32:24 | 文化
今日と明日は釜石の味覚フェスティバル。海の魚介類と山のキノコや農家の直売品や遠野牛の焼肉などと水産まつり、農業祭、産業まつりがセットになっている。露店も出るようだ。まさに海と山の秋の収穫が出そろうわけだ。三陸沿岸部の各市町村が9月から10月にかけてそれぞれ同じような催しを展開する。ただ同じ三陸でもやはり地域によって獲れるものが少し異なるようだ。産地のものが直に口に入るので見逃す手はない。天気予報は晴れの予報だが明日はまた曇りと雨。遠野の紅葉で見ておきたいところもあるので迷うところだが、先日の紅葉狩りからするともう少し後でも大丈夫そうなので今日のところは味覚フェスティバルに行っておこうと思う。別に食通ではないのだが獲れたてはイカでも味わったが味がまったく違う。地元のスーパーの物ですらもう古く感じることが多い。獲れたてを直接食べるともうそれだけで舌が肥えてしまうようだ。野菜でも目の前で採ってすぐ口に入れると甘さがある。釜石は物価が高いがこの新鮮さは捨てがたい。


薔薇

岩手の再生

2008-10-24 07:22:45 | 文化
少し晴れ間が続いたと思うと昨夜からまた雨。紅葉に影響しなければいいが。岩手県の最低賃金は628円だ。全国の最低額が627円。沖縄、鹿児島、宮崎だ。北海道は667円。岩手、秋田、青森は1年間の時間外労働が全国平均より100時間長い。年次有給休暇の取得率も最下位に近い。脳心疾患の死亡率は最下位。労働基準監督署には毎日のように家族から長時間労働の訴えが有ると言う。帰宅が午前2時というのが毎日のように続く、夜勤明けに同僚が病気のため続けて職務に就かなければならい等々。自然豊かな岩手を見ていてこんな実態があることに気付かなかった。しかし職場が限られていることを考えればこうした事情も当然あり得ることに思い至る。沖縄や九州南部、東北、北海道あたりはみな同じだと思う。いずれも自然が豊かな地域だ。この自然を生かして、日本の食の自給の基地にできればいいと単純に思う。産業の歴史は一次産業から二次、三次へとシフトして行き、三次産業が謳歌する時代になったが生産を忘れた産業は所詮不安定だ。せめて自然の豊かな地域だけでももう一度一次産業の見直しをしてもいいのではないか。むしろ一次産業こそが国の基盤になるべきだと思う。


愛好家が心を込めて育てた菊

紅葉狩り

2008-10-23 06:52:49 | 自然
仙人峠を越えて遠野へ出かけた。峠への山道はさすがに車が少ない。黄色と赤の目立つ山肌が見えると車を止めて眺める。何度かそれを繰り返して長いトンネルを抜け、峠に着く。遠野に向かう下りも時々車を止める。仙人峠の紅葉が毎年どの程度なのかよく分からないので判断が難しいがなんとなく物足りない。多分紅葉の最盛期ではまだないのだろう。車道沿いではしかし葉がすでに枯れかかったものもある。遠野の福泉寺へ向かい農家の間を進む。遠野はいつ来てもたきびの煙がたなびき、懐かしい長閑さを思い出させる。これが郷愁なのだろうか。福泉寺の紅葉は上はすでに紅葉が終わりかかっており、境内全体は赤い紅葉が目立ち、仙人峠よりも早い。徒歩でゆっくり見て回り、結構距離があった。いい運動になる。次にふるさと村へ行き、ここでものんびりと見て回ったがふるさと村はモミジや楓が少ない。いつも思うがふるさと村は春の枝垂れ桜、秋の紅葉などが足りない。もう少し季節の花に力を入れてほしい。と言っても今頃カキツバタが咲いているのには驚いた。岩手に来て花の季節感がずいぶん違うのに戸惑っている。


仙人峠で拾った秋

釜石の統計情報

2008-10-22 07:44:34 | 文化
ネットに生活ガイド.comというサイトがある。全国の各市ないし各区の統計情報が出ている。概要の項に39項目があり、釜石市はほとんどの項目が全国805市区中400~700位に位置する。つまり順位的には半分以下が多い。その中で目立つ項目は65歳以上高齢人口率と人口千人当たり死亡率だ。前者は31.4%で40位、後者は13.54人で41位である。高齢者が多ければ当然死亡する人も多くなる。一般行政職員平均給料(月額)が32万で46位、市区長給料(月額)が70万7千で51位となっている。ただこれは遠野の数字と比べると順位がおかしい。おそらく200番台が正しいのかもしれない。いずれにしろいわゆる地方公務員の給与だけは全国でも高水準だということだ。一方で1人当たり歳入額が45万5千で208位なのに対し、1人当たり歳出額は44万6千で602位なのだ。税金が高い割にその恩恵が少ないことを表している。以前犯罪は岩手県内で一番少ないと書いたことがあるが同じサイトの住まい・暮らしの項の1000人当たりの刑法犯認知件数を見ると5.61件で30位となっている。なんだ犯罪が多いんだ、ということになる。こそ泥的な犯罪が多いのかもしれない。いろいろ数字を見ていると楽しい。



秋が這っている