釜石の日々

「何も分かっていないんじゃないか」

昨日も晴れて、最高気温は27度になった。しかし、まだこの時期は風もあり、日陰では涼しい。夕方、日が山陰に入るのを待って、ウォーキングに出かけた。先週の続いた雨で、川の水は普段より少し多くなっている。オオヨシキリの騒がしい声とカジカガエルの涼しい声が共に聞こえて来る。住宅街に入ると鶯の声まで聞こえて来た。今はまだ日中に気温が上がっても、朝晩は気温が下がる。今日は最高気温が23度で、晴れているが昨日よりさらに清々しくなった。 釜石でも着実に新型コロナ感染者は増えて来ている。順天堂大学の研究にあったように、感染者の48%は無症候で、N抗体の検出で初めて感染していたことが判明している。医療機関で陽性となった人の約倍の数の人が感染しているのを自覚しないまま生活していると言うことになる。学術誌Cell Host & Microbe Volume 31, Issue 6に14日掲載の、オランダ、デンマーク、ギリシャ、米国の研究者による論文、「The role of trained immunity in COVID-19: Lessons for the next pandemic(COVID-19における訓練された免疫の役割: 次のパンデミックに向けた教訓)」は、「訓練された免疫とは、特定の感染症やワクチンによって誘導される、自然免疫細胞の反応性の長期的な上昇のことである。COVID-19パンデミックの過去3年間、BCG、MMR、OPVなどの訓練された免疫を誘導するワクチンが、COVID-19を防御する能力について調査されました」とあり、「しかし、興味深いことに、死亡率が記録された4つのBCG-COVID19試験(先に発表されたACTIVATE試験と同様)すべてにおいて、死亡率はプラセボ群と比較してBCGワクチン接種群で少なかった:これらの試験の要約統計では、BCGワクチン接種群の死亡率は39%低かった」ことを明らかにしている。添付の表では、モスクワ株と日本株(の再接種)に効果がるとなっている。2月16日、学術誌The New England Journal of Medicine 2023; 388:662-664に掲載された、米国、イスラエルの研究者による論文、「Substantial Neutralization Escape by SARS-CoV-2 Omicron Variants BQ.1.1 and XBB.1(SARS-CoV-2 オミクロン変異体BQ.1.1およびXBB.1による実質的な中和逃れの可能性)」は、現在感染拡大の主流となっているXBB変異型に対して、オミクロン対応二価ワクチンを接種して誘導された抗体の中和活性レベルがほぼゼロであることを示した。XBBタイプは高い免疫回避能力とACE2受容体に対する強力な結合能力を有する。厚生労働省の分科会は、9月からのワクチン接種はXBB1.5対応型の1価ワクチンを接種することを決定している。しかし、現実には9月にはXBB1.5対応型1価ワクチンは間に合わないため、現在のオミクロン対応ニ価ワクチンの有効期限を延長することで対応する。当初の武漢型対応ワクチンは3回も有効期限が延長された。一体、有効期限とは何なのだろう。日本ではワクチンの有効性が否定される研究が次々に出ても、ひたすらワクチン接種を推進する。ウクライナについても同じだ。17日英国The Telegraphに、退役英国陸軍士官リチャード・ケンプRichard Kempの、「Prepare for Ukraine's counter-offensive to falter(ウクライナの反攻が頓挫することを覚悟せよ) Ukraine is unlikely to achieve rapid and decisive victories. Nato must guard against France and Germany going wobbly(ウクライナが急速かつ決定的な勝利を収めることはまずない。NATOは、フランスとドイツがぐらつくのを警戒しなければならない)」が載った。「NATOは、ウクライナの反攻が大きな成功を収めることが出来ないという見通しに備える必要がある。実際、これまでのところ、キエフは限られた利益しか得ていない。しかし、電光石火の突破口を期待した人たちは、必ず失望することになる。」、「ここで重要なのは欺瞞であり、できるだけ多くのエリアで攻撃し、ロシア軍に主要な突撃がどこに来るかを推測させることである。しかし、戦争では作戦が計画通りに進むことはほとんどなく、キエフには不利な状況が続いている。ロシアのヴァレリー・ゲラシモフ将軍には、複数のラインで効果的な防御を準備するための多くの時間と資源があった。 また、ロシア軍は兵員、戦車、そしておそらく最も重要なことだが砲兵など、ほとんどすべての面で数的優位に立っている。 そして、航空戦力である。第二次世界大戦以降、ほとんどすべての攻撃軍は、航空戦力の優位性または優越性によってのみ成功した。ウクライナ軍にはこれがない。すでにその代償として、米軍のブラッドレー戦闘車とドイツ軍のレオパード2戦車が攻撃ヘリによって撃破された戦場映像が公開されているようである。」、「来月のビリニュス・NATO・サミットで、もしメンバーが反攻の失敗という奈落の底を覗き込んでいるとしたら、確かに多くの不安な声が上がることだろう。すでに兵器の派遣に消極的だった人たちは、「ウクライナには勝利を得るための戦闘力がない」という新たな言い訳をすることになるだろう。」、「リスクは、エマニュエル・マクロンやオラフ・ショルツが、年内にキエフに平和条約締結を迫るようロビー活動を再開することだ。欧州でこのような揺さぶりをかけると、バイデンの議会での立場が弱くなり、下院共和党がウクライナへの追加資金を阻止しようとする可能性がある。」、そして、最後に「大西洋同盟の力を背負ったウクライナがロシアの侵略に勝てないのであれば、NATOの存在意義は何なのか。」と締め括っている。よほど日本の防衛省関係者より的確な分析をし、現実を見ている。東京大学経済学部卒業後、米国コーネル大学で米国政治史・国際関係論を学び、現在、米国で国際政治・米国金融アナリストをしている伊藤貫は、「東大・京大・防衛大・早稲田・慶應の人たちは国際政治が何も分かっていないんじゃないか。保守だろうと左翼だろうと。shallow-minded(浅はかな考え)、浅いんですよ」と語っている。同じことは医学・医療を含めた他の分野でも言えるだろう。安倍晋三が暗殺されると、岸田政権は安倍政権以上に米国に擦り寄った。日本をますます戦争に近付けている。しかし、戦争は持久戦であり、単に軍備を拡張しただけでは意味がない。しかも、54基もの原発が全土に広がり、簡単に標的とされてしまう。食糧の大半は輸入で、海上封鎖されればエネルギーを含めて早々に戦いどころではなくなる。太平洋戦争と同じ誤りを繰り返すだけになる。政治家は戦争を避けるために外交することが使命だ。太平洋戦争は軍人の暴走で引き起こされたが、今は、政治家が軍隊の文民統制の中で戦争に近付こうとしている。伊藤貫ではないが、政治家も政治が何も分かっていないんじゃないか。

紫陽花
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