釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

日本の研究でも明らかになったミツバチ大量死の原因

2014-07-22 19:15:22 | 文化
今日も昨日に続いて晴れてくれた。梅雨明けかと思ったが、正式な梅雨明けはまだ報じられていない。気温は29度まで上がったが、職場近辺は海に近いせいか風があり、日陰だとさほど暑さは感じない。職場の裏山では昼過ぎからヒグラシが鳴いた。近くでヒグラシが鳴くのを聞くと、どことなく物悲しさが感じられる。それが涼しさに通じているのだろうか。暑い日射しが射し込む中で、ウグイスも鳴いていた。今週末には梅雨明けになるのだろうか。梅雨が明ければ気温は30度を超えて来るだろう。 我が家の庭はこれまで主に産直やネットで買い求めて来た山野草や花木で埋め尽くされて来た。土壌も豊かなせいか虫も当然多い。飛来する蝶やハチを見ることもある。しかし、よくよく考えると我が家の庭でさえミツバチの飛来はめったに見かけることがない。一番多いのはスズメバチだ。日本のスズメバチはスズメバチ属のものが全6種類とクロスズメバチ属が5種いるそうだが、近くでハチの色彩を見なければ区別はしにくい。藤の花が咲くと丸くふっくらしたクマバチが必ずやって来る。スズメバチはミツバチの天敵であり、ミツバチの巣がスズメバチに攻撃されることもある。スズメバチはミツバチより大きく、全国に分布するオオスズメバチなどは体長が4cmにもなる。しかし、現在のミツバチの問題はスズメバチの存在以上の脅威が存在することだ。2009年の春、日本では花粉交配用ミツバチが極端に不足して注目されるようになった。早くから農薬が疑われたが、農薬会社は農薬の関与を否定し続けて来た。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の畜産草地研究所と農業環境技術研究所は18日、水田周辺に設置した巣箱でミツバチが大量に死ぬ原因は稲に散布する害虫のカメムシ駆除のための農薬の可能性が高いと発表した。夏に北海道や東北の北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチの斃死(へいし)について原因解明のための調査をした。2012年夏に巣箱が設置された北日本の水田周辺8カ所(計415箱)を調査し、巣箱の前で山のように積み重なった死骸が1カ月間に5カ所の巣箱で計24回見つかった。巣の中にいたミツバチも死んでいたことを確認している。水田周辺に巣箱を設置されたミツバチ群では稲花粉を収集しており、巣箱の出入り口前の斃死は稲の開花以降に発生していた。そして、ミツバチの死虫の全てから、同時期に斑点米カメムシ防除に使われたネオニコチノイド系など2種類以上の殺虫剤成分が検出され、ミツバチが収集した花粉団子からも殺虫剤成分が検出された。ミツバチ群には病気も検出されず、スズメバチ被害も認められなかった。このことから、ミツバチは稲花粉の収集のために水田に飛来し、そこで散布された殺虫剤に曝露されたことが斃死の原因となった可能性が高い、と結論付けられた。多くの養蜂家は夏涼しい北日本に移動して、ミツバチに夏越しをさせて来た。その時期がちょうど農薬の散布時期にあたっていたのだ。両研究所は当面の研究課題として、ミツバチを水田周辺に行かせない技術の開発に臨むと言う。カメムシは稲穂を吸汁するため、その痕が茶褐色の斑点となった玄米になる。通称斑点米と呼ばれるが、農家の米の出荷時の検査で、斑点米の混入率が0.1%までなら一等米、0.2%なら二等米などと等級を分けられる。米の質には何ら変わりはなく、ただ見た目の色合いだけのために等級が分けられる。このため農家は必死でカメムシを駆除しようとする。2005年 8月に岩手県ではネオニコチノイド系農薬であるクロチアニジン(商品名 「ダントツ」)散布後にミツバチの大量死が相次ぎ、岩手県養蜂組合は全農岩手本部などに損害賠償を請求し、民事調停の申立も行なわれた。以後、山形県などでも同様のミツバチの大量死が見られるようになり、2009年には全国的な花粉交配用ミツバチ不足に発展して行った。EU(欧州連合)では2年の期間限定であるが、すでにネオニコチノイド系農薬の使用中止に踏み切った。しかし、日本は逆に使用範囲の拡大のための緩和を行なおうとしている。たかだか米の色合いだけのためにミツバチを死なせ、人の健康にも害を与えている。日本でのネオニコチノイド系農薬の使用量は欧米より格段に多く、過去10年間に3倍以上に膨らんでいる。
庭の八重のクチナシの花

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