釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

沿岸部寺社めぐりで感じたこと

2009-01-28 08:15:39 | 寺社
北は大槌から南は陸前高田まで、内陸は住田、遠野まで釜石を除いて一部の寺社を訪ねたがやはり気仙大工の存在が大きいと感じた。三層の垂木や山門の造りが地方の末寺であっても立派である。各所に施された彫刻も繊細で見事なものが多く、屋根の傾斜も非常に美しく軒の出にも微妙な反りが入れられている。もともと気仙大工の発祥には京都の職人の影響があるようで岩手沿岸部に限らず全国に出稼ぎとして出ていたため尚厳しい修練を積んだ大工が生まれたという。歴史的な背景がある所ほど寺社の構えが立派なのはある意味で当然なのかも知れない。寺院の植木を見るとこれまでにも記したように他所でも見られはするがこの近辺の寺院の百日紅は異常に多い。しかも古木が。1つの寺院に2~3本の古木が見られることもある。同じ中国に産する梅が逆にこの地方には少ない。京都あたりの寺院はむしろ必ずと言っていいほど梅の古木が見られ、周囲の苔の緑によく映えている。そのことが頭にあるせいでやや寂しい気がする。一方で枝垂れ桜を多く見かけるがこれは東北全体の傾向と関係しているように思われる。東北ではソメイヨシノも勿論見られるがどちらかと言うとソメイヨシノのは新しく計画的に植えられた感じが強い。民家でも枝垂れ桜がごく自然に植えられていて、ソメイヨシノがむしろ見られない。少し山間の農家の庭先などを見ると枝垂れ桜の立派な木が植えられていたりするとびっくりすることがある。寺院もどちらかというと枝垂れ桜の比率の方が高いようだ。


陸前高田本稱寺 山門中心に白壁が左右に広がり塀の途中で百日紅が伸びている

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