釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

寺院の百日紅(さるすべり)

2009-01-24 08:30:51 | 寺社
以前の寺院めぐりで東北の寺院には百日紅が多いと感じたが勿論他所でも寺院に百日紅が見られるが比率的に東北が多く感じられる。京都でも金閣寺、清水寺、大覚寺、銀閣寺、永観堂、東寺などでも見られる。もともと百日紅は中国南部が原産のようで中国でも韓国でも良く似た伝説があるようで昔ある漁村で毎年首が3つある大蛇が現れ若い娘を捧げていたが、ある年勇者が現れ大蛇の1つの首を切り捨てて一人の娘を助けたが娘に後の2つの首を獲るために100日待っていてくれるように言ったそうだ。帰って来たとき白旗の船であれば勝利を、赤旗の船であれば敗北して死んでいるだろうと言って去って行った。100日目に海上に船が現れたがその船には赤旗が翻っていた。娘は絶望して自害した。しかし船が着くと勇者が乗っており、白旗が大蛇の血で赤く染まっていた。以来娘の墓に100日間赤い花が咲くようになり百日紅(ひゃくじつこう)と呼ばれるようになったと言う。この他中国では紫微(宮廷)によく植えられたことから紫薇と呼ばれたり、日本では幹がつるつるしているので、木登りの上手な猿でさえ登れないというところから猿滑りと呼んでいる。地方によっては百日紅には亡くなった人の魂が宿ると言われているそうだ。これもお寺に百日紅が見られることと関係しているのかも知れないが、陸前高田の普門寺の由緒にあるように仏教を中国で学んだ僧が日本へ持ち帰って寺に植えたことがもっともな由来らしく思われる。当然そうした寺の末寺へも伝わったはずで、この辺が寺院に百日紅が多い理由なのだろう。陸前高田の普門寺の百日紅は樹齢約 300年で岩手県指定の天然記念物だそうだ。


大船渡長安寺山門前の百日紅

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