ヒヨちゃんが行く!

松本市在住「大平滋子」の写真と詩のブログ

12月の空

2012-12-04 | ネイチャー 



陰っていくひかりが底を打つのは
この頃だ
夕方が少しだけ
長くなり

昇っていくひかりは
目覚めが遅くなる

夜の間に
流れていくものを凍りつかせ
朝が清浄に明けるように
闇は悲しみを拭っていく

12月の空
なにもない

それでいい
それがいい

なにもないところから
始めていいと
空が言うのだから
朝が来たら
背を伸ばして叫んでみよう

おはよう
わたしはここにいる

12月の海

2012-12-04 | ネイチャー 


12月の海

灰色の海

季節風が
波打ち際の砂塵を運び
目を開けていられない
鼻から息を吸うのだって
難しかった

口を小さく開けて
汁を吸うように
呼吸した

ざらざらと しょっぱくて
甘くなっていく
砂塵が口を襲う

なにもあきらめない
あの日
私は海で誓った
あきらめない
諦めるもんか

12月の海

灰色の海
カモメが折れるように
飛んでいた