いき

生き生きて　行き行き息す　粋の意気


と　語呂合わせをしていて　
不意に聴こえてきた
ベンチレーターの音

吸気・呼気　吸気・呼気
数えていていた
こんな小道の先に
人工呼吸器をつけて
この夜を過ごしている人がいる

夜が一気に更け込んだ
ふと我に返って
吸い込んだ空気は
あまりに冷たく
おもわず
襟巻きに顔を埋めた
静寂のリズム

埋もれ日

春の雪に埋もれた
秋の葉の赤い色

焔の赤ではない
埋もれ日の赤

生きてきた
重さと
暖かさ

宿したままの
埋もれ日の
夢
春の夢

いつしか
聴こえる
子守唄

※　松本市浅間温泉