日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎本日の想像話「マイノリティの憂鬱」

2013年11月21日 | ◎これまでの「OM君」
「はいお並びの皆さーん。
本日はご来店ありがとうございます。
では挙手ねがいまーす。
本日はホットコーヒーですか、アイスコーヒーですか、それ以外の場合、手は挙げないでください」
コーヒーショップのレジ周りに並んでいたのは10人。
家族連れその(1)4人。
家族連れその(2)3人。
若者男女グループ3人。
結果は
アイスコーヒー5
ホットコーヒー1
挙手なし4
「はい、わかりましたー。
本日はみなさまアイスコーヒーでお願いします。
オーダー!
レーコー10!」
バックヤードに声をかける
「はい喜んでー!」

「少数派禁止法」
生産物の色、形、種類を減らし、現場の合理化をはかる法律として政府が施行した。
あらゆる買い物に挙手及び事前申し込みが必要となった。
当然、自分の選んだものが少数派に入った場合、多数派の商品に自動で振り分けられる。
結果、町には同じ様な服装、同じような機械、同じ様な世間話があふれた。

ある夜、どうしても同じ物を持ちたくない人々が密かに集まっていた。
「個人輸入しかないな」
リーダー格の青年が言った。
「本国で何か買おうとすると必ず「少数派禁止法」に抵触する。
国外なら大丈夫だろう」
「ああ、それなら大丈夫だろう。安心安心」
「よし、ネットで注文するぞ」
パソコンの画面をみんなでのぞきこんだ。
「赤色のベスト、フード付き10枚
これでいいな」
「おう」
エンターキーを押した
すると・・・
メッセージが表示された。
「sorry you Lose」
多数決に負けていた。
コメント
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