なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

濃い一週間

2006-12-16 21:19:54 | ビジネスシーン
様々な人やモノやコトがなだれ込んできた1週間だった。

「カレッジ・イズ・ビューティフル!」となだれ込んできたアメリカ人の女性は、英語がまったくダメななだれ込み研究所の3人に愛想を尽かすこともなく、辛抱強くコミュニケーションを取ってくれた。インターネットの翻訳ツールを使って意志を伝え合ったりもしたのだが、そのとき彼女は言った。
「コンピューターは便利だけれど、このツールを使っている今よりも、目や、身ぶり手ぶり、片言の英語と日本語でコミュニケーションを取っていたときの方が、よほどあなたたちのことがわかったし、親密だった」と。
図書館に彼女を呼びに行った帰り道、二人で「ホワイトクリスマス」を声を合わせて歌った。そして、声を上げて笑った。歌にも笑いにも心にも、国境はない。

ブティック経営者で漁師のM繁さんは、新しいものを「やれた」感じに手を加える天才だ。見た目もオシャレでカッコよく、なだれ込み研究所を通じてでなかったら、私など絶対に近寄れないタイプの人だ。
「M繁さんって、一体何に興味があるの?」
「面白いもの」
「どんなものが面白いって感じるの?」
「惑わせるもの」
「惑わせるものって?」
「色のあるもの」
「……」
よくわからなかった。

都市再生本部の方からは、2度連絡があった。ファックスした新聞記事に興味を持たれたようで、今度は画像が欲しいと。「あれ出せ、これ出せ」「いやこれじゃない、もっといいのがあるだろう」とS藤さんは相変わらず妥協しない。
それにしても、自分たちが動き回っている全く別のところで何かが動いている(動き出す)ことがあるのだ。今回の電話は、そんなことを意識した。だからいつも全力投球なのだ。

I大の学生さんから電話があった。「スローライフとまちづくり」についての卒論を書きたいので、1泊2日で来掛したいと。昨年あたりから、大学生が卒論を書くために問い合わせしてくるケースが増えている。「スローライフ」といえば「掛川」なのだそうだ。
資料を準備して発送した。事前に読んでおいた方がいい資料として、小松正明著『掛川奮闘記~スローライフと生涯学習の真髄』も入れておく。
取材や視察対応のために資料を準備するたび、活動してきた内容の濃さと、新聞記事のストックの多さ、そして、きちんとまとめ上げたものがあることのありがたさを感じる。

金曜日の午後、S藤さん、K造さん、H野さんという、濃く熱~いメンバーが集まり、掛川の観光振興について議論をした。S木君が横でメモを取っている。私は別件でF田さんご夫妻と奥で打ち合わせをしていたのだが、その熱気が伝わってきた。事務所には合わせて7人。人口密度が高いからか、濃いメンバーだからか、熱い議論だったからか、事務所の中は熱いほどだった。
夕刊を届けにきた新聞配達の男の人が、戸をあけて一瞬ギョッとしたのち、逃げるように出て行った。

病み上がりの身体には、なかなか濃い一週間でした。