R-61D鏡筒は、Fが20という珍しい長焦点屈折ですが、灰色の赤道儀を支える三脚架台もユニークな構造を持っていますので、ご紹介します。
赤道儀と三脚架台の接合部ですが、現在の一般的なボルト接合ではなく、円盤を利用しています。スムーズな回転を意図したのでしょう。
水平クランプも、回転軸に垂直に当たるのではなく、接線方向に近い角度で接しています。三脚架台の裏側を見ると、クランプが貫通している所を除いて、きちんと肉抜きがなされています。現在では、他社の三脚を利用できるように、様々なアダプターが用意されていますが、この円盤タイプだとなかなか難しいのではないでしょうか。
同じ灰色のエイコー6T300赤道儀は、どうなっているかというと・・・。
こちらは一般的な構造で、現在のものと同じでした。
日本のアマチュア用天体望遠鏡の黎明期に、小島修介という天才的な設計者がいました。これらの望遠鏡もその流れを汲んでいると思われますが、その機構は異なっています。どのように形作られてきたのか、興味深いところだと思います。小島の偉業については、HP”昔欲しかった天体望遠鏡”で、情報交換がなされていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。