昔の望遠鏡で見ています

昔の望遠鏡による天体観望と、その鏡景写真についてご紹介します

西村15cm反射 蓋類

2019-03-13 | 天体望遠鏡

  西村15cm反射経緯台の蓋類を,ご紹介します。昔の望遠鏡は、メンテナンスのことを考え、蓋類が充実していました。

  左から、鏡筒蓋、斜鏡蓋、主鏡蓋です。後者の二つは、その後の小型機では見られないものでした。

 

  同じく、内側です。斜鏡蓋は、ぴったりはまって、そう簡単には落ちません。主鏡蓋もぴったりで、被せる際に、すーっと空気が抜ける感覚が判ります。斜鏡蓋と主鏡蓋は、鏡筒を移動する際には、誤って外れ鏡にキズを付けることの無いように、取り外すことが必要です。外す順番は、落としても大丈夫なように、初め斜鏡蓋を外し、最後に主鏡蓋となります。取り付ける際は、その反対です。

 

  斜鏡蓋の内側です。接合は、ろう付けのようです。本体は、塗装がなされているのかどうかも判りませんが、錆ることはないようです。

 

  ファインダーの蓋です。

 

  ファインダー蓋の裏側です。マジックインキで黒く塗られています。これは、オリジナルなのか、前の所有者が行ったのか、不明です。いまいち美しくありませんが、このままとしています。

 

  ファインダーの対物部です。セロハンテープが巻かれ、隙間の調整がされています。これも、いつ巻かれたのか、判りませんが、30年以上前のことです。まだ、機能していますので、セロテープの耐久性は、すごいと言うことが判ります?!

 

  ファインダーの接眼スリーブ部です。らせん状の溝があります。内側の面から、素材は真鍮のようです。昔、旋盤加工を行った際に、真鍮は削りやすくて良いのですが、切り粉が細かな粉状になって、機械の清掃が大変だった記憶があります。

 

  ファインダーのアイピースです。ビス用の穴もありますが、入手時からこのままでした。ファインダーの視野は、現代のものと比較するとあまり広くありませんので、以前は他のものを取り付けていましたが、今は、オリジナルの方が格好良いですので元に戻しています。

  昔は、どちらかというとありふれた機械でしたが、今となっては絶滅危惧種ですので、改造したりファインダーを捨てたりしないで良かったと、本当にしみじみ思っています!?