新たに中古望遠鏡を入手した。この望遠鏡で見る恒星像は、シャープすぎて滲みも極小のためか、今まで見てきたものと比較して、なんとなく物足りなく感じる時がある。星まつりで、メーカーの人にそのことを話すと、少し戸惑ったような表情を見せた後に、そのような事を言う人は初めてだということと、上位機種は更に鋭い像を見せてくれると教えてくれた。
更に鋭い像があるということには、少々驚いたのだが、その望遠鏡を手にしたいという気持ちは起こらなかった。このことは、身の程を知るようになったからか、或は、その鏡筒は非常に重いという印象をかねてから持っていたことが、そうさせたのかは、自分でも定かではない。
入手した望遠鏡は、天文台観察室にあるものと同じ種類の鏡筒である。何度か覗いて、良い望遠鏡だと実感したことが、今回の入手に至る契機となった。
届いた当日はあいにくの天気だったが、翌日は晴れ間が見え出したので、急いで恒星を望むことにした。光軸は合っているようで、美しい星像だと判った。ただ焦点内像は整っているのだが、外像はやや乱れている。このことは、天文台のものも同じ傾向のように記憶している。その程度は、自分の鏡筒の方が少ないように感じたが、温度順応などの条件の違いによるものなのかもしれない。
星像は、視野の端に行くに従って徐々に乱れていくのだが、フラットナーを入れることによって改善されるという。システムチャートを見ると、この部品は後方に充分な光路長を持ち、2インチ天頂ミラーを併用できるようだ。このことにも、望遠鏡の入手に際して、少なからず背中を押されたと思っている。
フラットナーである。MADE IN JAPAN のシールも珍しい。
憧れだった全面ピンポイントの視野が得られるか、空の暗いところで見るのが楽しみである。