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昔の望遠鏡で見ています

昔の望遠鏡による天体観望と、その鏡景写真についてご紹介します

古スコには木箱がよく似合う

2020-09-17 | 天体望遠鏡
 古スコの接眼鏡を入れるには、木箱が似合います。思い入れのある接眼鏡が入った小さくて美しい木箱は、まるで玉手箱のようです。



 古い木箱ですが、接眼鏡用を3つ、カメラアダプター用を1つ並べてみました。




 まずこれは、会社で大切な印鑑などを保管する際に使用するような、しっかりした箱です。付属していた望遠鏡のメーカーは不明ですが、昔、西村の20cm反赤を持っていた友人宅で、同じような木箱を見た記憶があります。



 その中の様子です。小さな穴はすべて、ドイツサイズ用です。右側の大きな穴は40mm用でしょうか。次にご紹介する西村の40mmは、ぴったりでした。





 こちらは、西村の接眼鏡が入った美しい木箱です。ドイツサイズが2列入るようになっていますが、左上の表示が無いものは光軸修正用接眼鏡です。一番左側の高さのあるあるペースには、K40mmが入るようになっています。



 接眼鏡を外に出した状態です。右上のフェルトが貼ってあるところは、サングラスをはめられるように凸状になっています。




 旭精光の木箱です。同社の望遠鏡のように、質実剛健な造りです。接眼鏡にはASKOと刻印されています。これらの接眼鏡は、見口のデザインこそ違いますが、胴体は他社のものと形状が同じに見えますので、OEM製品なのだと思います。同社の接眼鏡には、ASAHI SEIKOと刻印された、これらとは形状の異なる接眼鏡もありますが、おそらくもっと古い時代のものだと想像しています。



 五藤のカメラアダプターが入った木箱です。内外面に灰色の化粧紙が貼ってあります。昔のツアイスの精密測定器などは、同色に塗装された木箱に入っていたように記憶していますので、この色が測定器類の箱の色のスタンダードだったのでしょう。



 中仕切りがあり、動かないようになっています。一番右側の狭いスペースには、フィルター(太陽用SG#8、月面及び望遠写真用Y48;Φ34mm枠無)が入るようになっています。カメラアダプターの型式は、B型です。取説には、6.5cm屈折以上、反射は16cm以上に使用できますが、10cm屈折より小口径には、普及型のA型が適していると記載されています。

 昔、川べりの土手を歩いていると、近くの家から望遠鏡を出している人がいました。星好きの人もいるのだなと思いながら、通り過ぎたことがありました。その後、学校に入ると、なんとその人は天文同好会の先輩の中に居るではありませんか。世の中は狭いものだと、驚いたものでした。彗星に詳しいすごい人でしたが、ユニークな面もあり、ある時、部室にある木製のスツール椅子を架台にして、木造フレーム式の反射経緯台を作成していました。木製と木星を掛けて、皆でジュピター号と呼んでいました。” もくせい ” という言葉を聞くと、この望遠鏡と楽しかった天文仲間との語らいを思い出します。