ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「少女は夜明けに夢をみる」

2023-06-28 | 映画のお話
ユニセフのイベントに行くのは久しぶりです。
メディアテークでの映画上映会に出かけました。

2016年のイラン映画、ドキュメンタリー

日本のように複雑ではないのかもしれませんが、
過酷な現実のなかで、
強盗や薬物、殺人、売春などの罪を犯してしまった少女たち
彼女たちの更生施設での暮らしが映し出されます。

どの少女もやはり家庭が原因です。

男性中心のイラン社会、ただでさえ女性には自由も主張もないはずですから

親族からのレイプ、やっとの思いで打ち明けても、信じてくれない母

変わってしまった優しかった父
貧困と虐待の中でじっと耐えていても、もう逃げ場はありません。
とうとう父を殺してしまった
昔の父とは違う父を・・・

おさなくして母になり、夫に強要されて売人に

居場所を失って、放り出された少女たちの現実

死にたいくらいつらいけれど、でも死ねない
そんな彼女たちがやがてぽつぽつと語り出します。

夢は「死ぬこと」という少女の言葉に愕然としつつも
そんなことを言っちゃだめよと思うのです。

出られることになっても、家族が迎えに来なければゆくところもない
でも、家族の元にかえっても本当にそれでいいの?というケースもあって
それでも私は何もできないのです。

ここを出た後にたとえあなたが自殺しても、
この中での出来事ではないから関係ないという職員の厳しい言葉が刺さります。
甘えを断ち切るように言ったのだとしても
沢山の少女たちが、また立ち直れない親たちの犠牲になって
家から逃げ出し、何度も繰り返されていくのでしょう

どこも同じです。

大人がしっかり子供を守ってあげなければならないのに
それができない。
変容する社会の歪みにはまりこんで堕ちてゆく人々
アメリカも日本もイランも変わりはありません。

観終えた後、子供たちのことを思うと
急に大人としての責任が
ひしひしと押し寄せてきて、胸に迫ってきました。

自分が母親として過ごした日々のこと・・・
色々なことがあって、後悔もありますが、
それでも、どんなことがあっても
誰が何と言おうと、
自分の子どもを信じないでどうするのという思いは
ずっとかわりません。

コメント
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