ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「かもめ食堂」

2010-11-06 | 映画のお話
最終日に何とか観れると駆けつけた映画館はいつになく混んでいた。
みな、「かもめ食堂」が目当ての女性たち。
50人ほどが期待を込めて画面をみつめていると、
予告で2回ほど、画面のごみが原因で映像が消された。
こんなことも珍しい。

なぜかフィンランドにある日本食の小さな食堂が舞台。
サーモンが好きなフィンランドなら日本人に共通点があるかもしれない。

おいもの煮っ転がしやおにぎり、生姜焼きにとんかつ、
焼いた鮭のランチ。
夏の海とかもめと森のきのこと
のんびりした時の流れ。
ゆっくりとしたセリフ。
 
どうということのない毎日の中で
いろいろな人生を背負った女性たちが
小さな食堂で出会い、過ごす時。

おにぎりもコーヒーも
自分で作るより
人に作ってもらった方がずうっとおいしいんだ。

その人のために入れるコーヒー。
こころをこめて握るおにぎり。
愛情がこもっているもんね。

自分にこころをかけてくれる人がいたことや
いることが何だかなつかしいような
うれしいような・・・

つつつーと左目から涙がつたった。

どうということのない映画だが結構奥が深い。
少しだけのんびりできたような味わいがある。

夏が舞台だったので白夜も明るく、
整然とした風景も清潔感のある食堂も
きのこいっぱいの森も夢のようで現実感がなかった。

フィンランドの冬は厳しい。
この女性たちはこの冬をどう過ごしてゆくのだろう。
ただそんなふうに思った。
わたしの老婆心。

それでも、陽水のさわやかな曲がすがすがしかったエンディングで
そんな思いも少し救われたような気がする。



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エレベーターの中で

2010-11-06 | きょうのできごと
久しぶりにひとり、デパートに出かけた。
地下1階で野菜や揚げ物を買って
地下2階に降りようとエレベーターに乗りこんだ。
すでに乗っていた男性と扉の前でスタンバイしていると
あとから乗ろうとした中年の夫婦が、
「下だぞ!」
「あら、どうせ上がるんだからいいじゃない!」
と言い合っている。
奥さんの方は言うのと同時に乗りこんできたが
夫の方は乗る気配がない。
奥さんがふり返ると静かにドアが閉まって
憮然とした夫の顔がすうっと消えていった。
(あらぁ?まあ!!)というような声と
しぐさで、奥さんがあきれている。
夫婦ってこんなものだ。

わたしはかまわず乗る方か、上に行くのだからと乗りこまない方か、
どちらなのだろう・・・

気分やの夫は「まあいいやん」と乗りこむかもしれないし、
わたしの方は意固地になって、乗らないかもしれない・・・
それとも、「どうせ一緒だからいいじゃん」と乗りこんで
夫が「あほぉ~!」というのだろうか?

考えるとわからなくなってしまった。
女性の方が合理的で男性が融通が利かないのが一般的なのだが
案外、ふたりで「あれ、下だったの?!」と
顔を見合わせるのかも知れない。

わたしが降りた後、
上がっていったエレベーターのドアが開いて
再会した夫婦はどんな顔をしていたのだろうか。



コメント (1)
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