大倉草紙

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【大阪】 世界報道写真展2008 (ハービスHALL)

2008年08月21日 19時34分29秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
   
          

ハービスHALLに、世界報道写真展2008を観に行く。
きょうが最終日。
平日の昼間にもかかわらず、人出は多い。

ポスターやチラシに使われているのは、世界報道写真大賞を獲った「アフガニスタンのコレンガル渓谷の掩蔽壕で休息をとる米軍兵士」(ティム・ヘザリントン氏の撮影による)である。

会場には、審査委員長であるゲーリー・ナイト氏の言葉が掲げられていた。
「各受賞作品については慎重な検討を重ね、テーマそのものではなく、そのテーマを最もよく表現していると思われる作品を選びだしている。私たち審査員は、写真を評価する能力は持っているつもりだが、世界で起こっている出来事に優劣をつけることはできない。病気が、移民や貧困やホームレスの問題よりも重要かどうかを決めるのは、私たちの仕事ではない」という部分が心に残っている。

アフガニスタン、イラク、コンゴ、スーダン、ブット元首相暗殺、クルドの難民、性的虐待を受けた子ども、ケニア大統領選後の混乱、荒れ果てたキーテシの町など、どの写真も衝撃的だ。

昨年、ミャンマーで軍事政権に対する反政府デモを取材中に命を落とした長井健司氏の取材テープも上映されていた。
イラク戦争、タイのエイズ孤児、パレスチナ紛争。
「誰も行かないところに誰かが行かなければ」と語る長井氏が、ビデオカメラを手にナレーションを入れながら撮影した作品だ。

重たい気持ちで会場を去る。

外に出れば、
少しやわらかくなってきた日差しと、
携帯電話でせわしなく話す人と、
駐禁の切符が貼られたバイクと、
交差点でポケットティシュを配る人と、
そして突然の雨。
くわえタバコで歩くスーツ姿の男性は走り、
日傘を差した女性は戸惑う。

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