大倉草紙

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【京都】 京都学 前衛都市・モダニズムの京都展 1895-1930 (京都国立近代美術館)

2009年06月13日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館

「京都学 前衛都市・モダニズムの京都展 1895-1930」を観る。
1895年(明治28)は、第4回内国勧業博覧会が開かれた年。
開催地は、この展覧会が開かれている京都国立近代美術館が建っている岡崎だ。
また、この年は、平安遷都1100年を記念して、平安神宮も建立されている。
展示は、内国勧業博覧会や平安神宮建立に関するものや、内国勧業博覧会に参加した画家たちの作品など。
ほかには、島津製作所社長であった島津源蔵氏の私邸の設計図やマキノ映画の図録などもある。
大正時代の電気自動車デトロイト号は、今月末から展示されるそうだ。

展示されている作品の芸術的価値や好みは別として、明治以降の過度な西欧化を目にすると、私はいつも反発したい気持ちになる。
たとえば、この頃に建てられた洋館を見れば、美しいなと思う。
サンルームが付いていたりしたら、たまらない。
けれど、同時に、悲しくなるのだ。
おそらく、京都は前衛都市なのだろう。この展覧会のタイトル通りに。
前衛都市になるのは、大雑把にいえば、古都でなければならない、と思う。
土台がなければ、前衛なんて生まれてこないのだから。
そして、京都という都市は、常に新しいものを取り込み、都市の自動化を回避する試みを繰り返してきたのではないか。
仏教寺院にしたって、かつては前衛であっただろうし……などとあれこれ考える。