ねるまえとねおき

ねるまえみたいにいろいろ考える自分と、ねおきみたいになんもかんがえない自分の思ったことを、思いついたときにかきます。

じっちゃん

2006-02-06 01:56:22 | Weblog
じいちゃんのことね。
昨日てか今日お昼過ぎまで寝たんですけど、その時にじっちゃんの夢を見ました。
しかも、夢といってもめっちゃ正確な過去の記憶やった。お葬式の時の。
じっちゃんのことを、何年ぶりかに思い出した。

じっちゃんが死んで、何年になるやろ?7年ぐらいかな。
ちっちゃいころ、すぐ横にあったじっちゃん家によく遊びに行ってた。
じっちゃんはばぁちゃんといっつもけんかしててん。
原因はいろいろあってんけど、特にじっちゃんのタバコ。
一日に一ケース吸うぐらいの情熱ヘビースモーカーやって、ばぁちゃんがよくタバコの箱を隠してた。
で、じっちゃんはそれ見てたぼくに、ばぁちゃんがおらんとこで、
「どこ隠しとった?教えてんかぁ、おかしまた買うたるさかい」ゆうて。
教えたらばぁちゃんに怒られるし、教えんかったらじっちゃん怒るし。
めっちゃ困ってたんをよう覚えてる。
結局タバコ吸って、ばぁちゃんきれて。
「もうやめときぃゆうてるやろ!」
じっちゃんも負けじと
「やかましぃのぉ。ほっとけやばかもんが!」
っていっつもこんな感じやった。
昔はばぁちゃんは何でもじっちゃんの言うこと聞いてたらしい。
こんな風になったんは、ぼくが生まれたぐらいかららしい。

でも、この風景もずっとあるわけやなかった。
ばぁちゃんが鬱病になって入院した。
その一年後ぐらいにばぁちゃんは病院で亡くなった。なんの病気かは、あんまりよう教えてもらえんかってんけど。

じっちゃんは、他のだれのお葬式でも泣かんかって、
「なんでじっちゃんは泣かへんの?」って聞いたことがあった。
「人はな、みんな死んでまうからや。しゃあないことなんや。」ゆうてた。
でも、ばぁちゃんのお葬式では泣いてた。しょっちゅう喧嘩してたけど、やっぱり好きやってんな。

ばぁちゃんがおらんくなって、ぼくも大きくなって、じっちゃん家に遊びに行く回数も減った。
たまに遊びに行ったら、じっちゃんはタバコ吸うてた。
「ばぁちゃんおらんから、吸いたい放題やなぁ」ゆうたら、
「ほんまやわ。やかましいのおらんようなって、吸いたい放題や」って。
ほんまじっちゃんはしゃあないなぁって思てんけど、その後で、
「でもなぁ、ばぁちゃんまだいるんちゃうかて思うときあんねん。台所の戸開けて、「あんた、またタバコ吸うてからに!止めぇゆうてるやろ!」てひょっこり出てくるんちゃうかて。まぁやかましいのおらんくなって、せいせいしとるけどな。」やって。
強がってたけど寂しかったんやな。今になって思えば。

タバコばっかり吸うて、ちゃんとごはんも食べへんじっちゃんはだんだん元気なくなっていった。
ぜぃぜぃ、ひゅうひゅう言いながら息してて、でもタバコ吸うて…
「もうやめときぃや」ってたまに注意したら。
「やかましいのぉ。お前はばぁちゃんか、ばかもん!」ゆうて怒って咳して。
またぜいぜいひゅうひゅう苦しそうに息しながらタバコ吸った。

面倒くさがりのじっちゃんは、電話鳴っても、ピンポン鳴っても出んかってんけど、そのせいで死んだじっちゃんが見つかったんは死んでから三日後やった。
隣に住んどったのに、じっちゃんは死んでからも三日間一人ぼっちやった。
咳してる時に嘔吐して、それが気管にはいって息できんようになったんが死因やておやじが教えてくれた。

お葬式。最後の別れの時、みんなでじっちゃんの棺おけに花を入れた。
じっちゃん家に遊びに行った時、テレビつけながら寝てるじっちゃんと、目の前にいるじっちゃんは、ほとんど同じ顔してた。
でも、もう苦しそうな息はしてなかった。その分、寝てるときよりちょっと楽そうやった。
そう思うと涙でてきて、初めてお葬式で泣いた。
「じっちゃんはほんまタバコ吸いすぎやったな。天国にタバコ売ってるか知らんけど、ばぁちゃんと喧嘩したらあかんで。」
手合わせながら心の中でじっちゃんにゆった。



あれからだいぶんたって、もう大学生になりました。まぁいろいろ考えながら生きとります。
まだタバコは吸うてないけどな笑
最近気ぃ抜けぎみやったけど、またエンジンかけてがんばるわ。
じっちゃんもばぁちゃんの言うこと聞いて仲ようせなあかんでー。

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