ねるまえとねおき

ねるまえみたいにいろいろ考える自分と、ねおきみたいになんもかんがえない自分の思ったことを、思いついたときにかきます。

海と毒薬

2014-07-26 09:02:37 | 読書

たまたま本屋で目に留まり、開いたページが、

「人間の肝臓をこれから食べる軍人たちがいる」

という内容だった。


遠藤周作。


昔、読書好きな友人に勧められて
「沈黙」を読んだ時の衝撃が思い出され、
すぐに買って読み始めた。


沈黙と同様、

「許されない罪」に向かって、
人々の感情がどのように動いていくのか、

が様々な角度から詳細に描かれており、
このテーマに関しての、
遠藤周作の一貫した想いがひしひしと伝わってきた。

そして沈黙ももう一度読んでみたいと思った。


毎日ニュースで流れているような、
悲劇的で猟奇的で理解不能な事件は、
すべて人間性や社会適合性に致命的な問題を持つ人のみ
によって起こされているわけではない。


どこにでも、誰にでもある日常の延長線上に、
そのような「罪」が存在するということを忘れてはならない。


そのような日常の延長線上に自分が足を踏み入るような状況になったとき、
自分を止められる理性と勇気と強さを忘れてはならない。






海と毒薬
海と毒薬 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店



沈黙
沈黙 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

読書の秋

2013-11-11 22:54:01 | 読書
読書の秋。

○○の秋、っていろいろありますが、読書の秋は食欲の秋の次に好きです。



このブログは多分大学生になるかなならないかぐらいからぼちぼち書いているので、

多分、もうかれこれ8年ぐらいになるのかな。

ちなみに、昔は何書いてたかなーと見返したら、ほぼ酒飲んでるだけの大学生でした。。がびーん。

まぁだからこそ今の自分がある!


でね、書き始めた頃は、こんな個人の戯言を公開する意味って自分でもよくわかってなかった。

でも、少ないながらもコメントされたり、見てくれる人がいると、
やっぱりちょっと嬉しくなるんですよね。

まぁ完全に思い上がりかもしませんが、
このブログを読んで少しでも、何かを感じ取ってもらえれば、そしてそれがその人にとって少しでもプラスになれば、
このブログ書いてる意味があるんじゃないかと。

いろいろ都合よく解釈して思い始めたわけです。



なので、改めてではありますが、自分がいろいろ考えていることや、心を動かされた本や、趣味のこと、仕事のことを、
少し目的を持ってまたちゃんと書いていきたいと思います。

イメージはほぼ日刊イトイ新聞ね!
(とはいえ自分の性格上、あんまり更新頻度は変わらないかも。。すみません。)




そう、ひた隠してたけど、実は私、読書が好きなので、
最近読み終わった本や、昔読んだおすすめの本なども紹介していきたいと思います。

あとはサッカー、お酒、写真とかも趣味なので、
またそのあたりのことも徒然と書いていきます。

みなさま、どうかこれからも「ねるまえとねおき」ブログをよろしくおねがいします。




星がひとつほしいとの祈り 原田マハ

2013-11-11 20:57:23 | 読書
評価 ★★★☆☆ 3/5


最近読んだ本の書評です。

綺麗な日本語のタイトルに惹かれ、買った本。


短編集で、さまざまな年代の女性が主人公の物語が7話綴られています。


長年連れ添った旦那さんを亡くしたり、仕事は順調なものの恋愛が全然だったり。

人生の様々なステージで悩む女性が、偶然出会う様々な人との出会いを通じて、
勇気のいる新たな一歩踏み出す。

すこし哀しいけど、読後は自然と(わざとらしくなく)元気に前向きになれる一冊だと思いました。

原田マハさんの作品は初めて読みましたが、そのような場面がとても上手く描かれていて、
また他の作品も読んでみたいと思いました。

多分女性が読むともっといろいろな感想があるんだろうな。



いくつかの短編の中でも、特にタイトルの「星がひとつほしいとの祈り」が一番印象に残りました。

仕事に追われる売れっ子コピーライターの女性が、出張で何気なく泊まった旅館。
マッサージ師で盲目の老女が語る戦争中の不思議な話。

老女の過去の体験を振り返りながら、最後になぜ道後温泉でマッサージ師をしているのかが徐々に明かされていく。

現実と非現実の間の、不思議で心地よいストーリーです。




星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)
クリエーター情報なし
実業之日本社




でも、なんかいつも小説を読んでいて不思議なのですが、
内容の面白さと次々読みたくなる渇望感がうまく合わないことが多いんですよね。

今回のも、読んでいてすごい情景も思い浮かぶし綺麗な文章だし内容も面白いんだけど、
なぜか次読むときに少し「よし、読むぞ!」という気合が必要でした。

きっと相性的なものなんだろうと今は思っていますが、
でも、この相性って書く人にとってはとても大事ですよね。

お金を払って読んでもらうわけなので。

何なんでしょう相性って。