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短歌味体な Ⅱ 105-107

2015年04月03日 | 文学表現

[短歌味体な Ⅱ] □:入口論、●:宇宙論、▲:世界論(人界論)



105 ▲
お悔やみ欄知ることもなく
若い頃は
微熱の中空さ迷い歩く



106 ▲
年重ねつながりの糸の
絡(から)まれど
自由過ぎも不自由過ぎもなく



107 ▲
結ぼれるこの世の糸が
ぷっつりと
切れ消え行くに線香ひとつ

 註.時折来ていた親類の訃報のみならず、事件などで亡くなった人々をふと思うこともある。直接のつながりはなくても、この世に、共に在ったことからの、お別れのあいさつのような……。