「なんだか爺さんくさいな~、チャッチャ。シャキっとしないか、シャキっと!」
連れ合いがいとおしそ~にアニキを抱きながら言ってる。
「どうだ?バイアグラでも飲んでみるかニャン?」
とも言ってる?
なにを飲むって?
==============================
「ハハ~。お腹空いてんだろ?」
キッチンでウロウロしてるおいらたちを見下ろしながら、連れ合いが言った。下から見上げるこういう時の連れ合いは、いつもよりずっとデカく見える。上の方に付いてる顔がうれしそうだ。おいらたちが腹ペコなのが、ホントにうれしいんだろう。
「ニャー」
「ニャー」
おいらたちは鳴いた。飼い猫らしく返事をしてるように聞こえるかもしれないけど、そうじゃない。文句を言ってるだけさ。
でも、なんだかわかんない連れ合いはますますうれしそうに、
「そうだろ、そうだろ。自分で食べる気になっただろ?チャッチャ。えぇっ?」
と言いながら、ツナの缶詰をカパッ・・・
いい音だ。
サカサカサカ・・・
スプーンで混ぜてる音がして、
トン
とアニキの目の前にボールが置かれた。
おいらの目の前じゃない。
アニキはツナをジッと見る。
口の周りをペロッと舌なめずり。
「喰わないんだったら、おいらが喰うぜ。今日はいつものたしなみなんかナシだ。」
(←いつもはあるぜ、た・し・な・み)
と交信してみた。返事がないまま、アニキはそろ~りと首を伸ばし、顔をボールに入れた。連れ合いだけじゃなくて、おいらまでジッと見守ってた。それくらい腹ペコなんだ。
はふっ
喰った。アニキが喰った。でも、ここまでは普段もあること。
はふっ
はふっ
はふっ
そこからはいつもと違った。2、3口だけ喰ってプイッと行っちまうんじゃなくて、腰を落として足を踏ん張って、しっかり喰う体勢だ。
「ほらね~。ちゃんとひとりで食べられるじゃないか。エラいぞ、チャッチャ!」
連れ合いは満足そうだ。
「勝った!」
と思ってる。
「ほら見ろ、やっぱりお腹が空けば自分で食べるじゃないか。」
とも思ってる。
「もうお手々まんまなんか、二度とするもんか!」
とも。
おいおい。ということは、これからもずっとひもじい日が続くってことか?
「アイツはいつになったら帰ってくるんだ?」
おいらは連れ合いの足元で、ゆっくりゆっくり喰ってるアニキを見てた。
(つづく)
連れ合いがいとおしそ~にアニキを抱きながら言ってる。
「どうだ?バイアグラでも飲んでみるかニャン?」
とも言ってる?
なにを飲むって?
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「ハハ~。お腹空いてんだろ?」
キッチンでウロウロしてるおいらたちを見下ろしながら、連れ合いが言った。下から見上げるこういう時の連れ合いは、いつもよりずっとデカく見える。上の方に付いてる顔がうれしそうだ。おいらたちが腹ペコなのが、ホントにうれしいんだろう。
「ニャー」
「ニャー」
おいらたちは鳴いた。飼い猫らしく返事をしてるように聞こえるかもしれないけど、そうじゃない。文句を言ってるだけさ。
でも、なんだかわかんない連れ合いはますますうれしそうに、
「そうだろ、そうだろ。自分で食べる気になっただろ?チャッチャ。えぇっ?」
と言いながら、ツナの缶詰をカパッ・・・
いい音だ。
サカサカサカ・・・
スプーンで混ぜてる音がして、
トン
とアニキの目の前にボールが置かれた。
おいらの目の前じゃない。
アニキはツナをジッと見る。
口の周りをペロッと舌なめずり。
「喰わないんだったら、おいらが喰うぜ。今日はいつものたしなみなんかナシだ。」
(←いつもはあるぜ、た・し・な・み)
と交信してみた。返事がないまま、アニキはそろ~りと首を伸ばし、顔をボールに入れた。連れ合いだけじゃなくて、おいらまでジッと見守ってた。それくらい腹ペコなんだ。
はふっ
喰った。アニキが喰った。でも、ここまでは普段もあること。
はふっ
はふっ
はふっ
そこからはいつもと違った。2、3口だけ喰ってプイッと行っちまうんじゃなくて、腰を落として足を踏ん張って、しっかり喰う体勢だ。
「ほらね~。ちゃんとひとりで食べられるじゃないか。エラいぞ、チャッチャ!」
連れ合いは満足そうだ。
「勝った!」
と思ってる。
「ほら見ろ、やっぱりお腹が空けば自分で食べるじゃないか。」
とも思ってる。
「もうお手々まんまなんか、二度とするもんか!」
とも。
おいおい。ということは、これからもずっとひもじい日が続くってことか?
「アイツはいつになったら帰ってくるんだ?」
おいらは連れ合いの足元で、ゆっくりゆっくり喰ってるアニキを見てた。
(つづく)