シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0150■ネコまたぎ

2006-03-29 | アニキ物語
150号ってのはすごくいっぱいってことらしいな。なっ?四つ足だって続くもんなんだぜ。寝てばっかいても、けっこう話せばいろいろあるよな~。
いつも読んでくれてありがとニャン。
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「ボクはオトコのコだからね、チャッチャの気持ちがよ~くわかるんだ。」
連れ合いはよくこう言ってるけど、わかんないじゃないか。
アニキは逃げちゃたぜ、どーすんだよ。おいらだって腹ペコさ。
早くそのボールを下に置いてくれって。

「チャッチャ、ご飯だよ。早く食べて注射しよ。」
「ネコなで声」を出してんのがバカバカしくなったのか、連れ合いの声は普通の声になった。でも、頭の中はイライラカリカリ。
「早く喰わして、食器洗わなきゃ。」
とかね。

アイツが突然、香港なんかに行っちまったから、大変なんだろう。二本足にしてみりゃそうかもしれない。でも四つ足には関係ない。特に頑固なアニキにはね。
(部屋のすみでイジケ寝→)
アイツがいなくて「お手々まんま」がないなら、
腹がへってても、
ヤなもんはヤなのさ。

ドン。
連れ合いはアニキの前にもう1度ボールを置いた。今度は鼻の真下だ。においを嗅がせて喰わそうってことなんだろう。廊下のすみで、それ以上逃げられなくなったアニキはちょっと身を引くと、パッとボールを飛び越えた。
「ネコまたぎ」
ってやつ。

「チャッチャ~~!!」
今度は普通の声よりもっとコワかった。子どもを怒るときの声だ。アニキはとっくに走っていっちまった。あ~あ。おいらだってわかったぜ、こうなるってさ。

「ピッピ、喰うか?」
置いてかれた連れ合いは、とうとうそばにいたおいらに振ってきた。
もちろん、喰うさ!
(つづく)