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ナニワ・モンスター

2020-09-05 08:00:00 | 
新聞の書評欄で見つけた海堂尊「ナニワ・モンスター」(新潮社)の電子書籍版を読みました。
平成26年4月に新潮文庫で刊行されたものに編集が加えられました。
新型コロナウイルスが問題になる以前の作品ですが、今だからこそ面白いと新聞では勧められていたと思います。

この小説では、アフリカ大陸南部で、新型インフルエンザ・キャメルが発生します。
ラクダがウイルスの宿主ということなので、中東呼吸器症候群MERS(マーズ)に似ています。
政府は、まず水際で防ぎ、わが国への侵入を防ごうとします。
今回の新型コロナウイルスと同様です。
しかし、浪速市の診療所で、簡易キットで陽性患者が見つかってしまいます。
患者は海外渡航歴がないので、PCR検査は受けさせてもらえません。
PCR検査がなかなか受けさせてもらえないのも、今回同様ですね。
医師は、正規ではないルートでPCR検査に検体を回して、わが国第1号の患者であることを明らかにしてしまいます。
キャメルによる症状は、「数日の潜伏期の後、38度以上の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、咳など」と、まるで今回の新型コロナウイルスみたいです。
「PCR」のほかにも「パンデミック」、「超過死亡」などといった、新型コロナウイルスのニュースで知った用語が出てきます。
関西圏は経済封鎖されようとします。
しかし、キャメルは弱毒性であり、そんな必要はないと、人気がある浪速府知事や良心的な検疫官らが主張します。
ここから先、興味のある方は本書をお読みください。
大きな陰謀が渦巻くストーリーが展開します。

今回の新型コロナウイルスの背景に、そんな陰謀はないと思います。
実際、志村けんさんはじめ、お亡くなりになっているかたが出ていますから、弱毒性とは言い切れません。
ただ、今年は季節性インフルエンザでの死者数が少なかったとよく聞きます。
実際に、コロナウイルスのせいでどれだけ超過死亡が出ているのでしょう?
もし、超過死亡が出ていないとすると、気が緩むので政府は発表しないのかなと憶測していました。
と思ったら、マスコミが大きく取り上げないだけで、ちゃんとネットで検索できました。
日本では、1~4月の死亡者数は平年並みでした
増えた可能性がある(超過死亡が発生した)都県がありますが、統計の誤差の範囲のようです。

台風や首相退陣・自民党総裁選挙の話題などで、ようやくコロナ一色の報道ではなくなったようです。
これまで、あまりにも「コロナはこわい」とマスコミが騒ぎすぎたような気もします。

海堂尊の小説は、はじめて読みました。
もし、海堂ファンだったら、電子書籍版限定の「あとがき」がたまらないでしょう。
彼の作品の多くは相互に関係づけられ、同一地名や同一人物などが頻繁に出てくるそうです。
その関係性や年表などが示されています。
これで、海堂ワールドの全体像が把握できるようです。