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住まいのリフォームと水道工事の大垣設備株式会社社長のブログです。

聖観音菩薩立像・不動明王立像

2020-08-31 08:17:00 | 趣味
昨日の8月度彫刻教室に持参したのは、これまでこのブログで進捗状況を報告してきた2体。
まず、聖観音菩薩立像(しょうかんのんぼさつりゅうぞう)です。
蓮台(れんだい)、反花(かえりばな)、框(かまち)という台座をダボで一体化し、
接着しました。
光背(こうはい)という輪っかと柱も接着しました。
この柱は、幅が広すぎたので、先生の指示通り、細くしました。
本体の足の裏にはホゾを接着しました。




蓮台に穿(うが)ったホゾ穴に本体のホゾと光背の柱を差し込むと、こうなります。

「これで完成としていいでしょう」

と先生。
着手から、ほぼ半年かかりました。




入門2年ほどでここまでできたので、いい気になっていました。
そしたら、後から入室してきた若い上級者が取り出したのが、同じサイズの聖観音菩薩立像!

(全然、違う!)

肌はツルッ、ツル。
衣はフワッと風になびいているようです。
自分の未熟さを思い知らされました。
この青年、皆が一目置く技量の持ち主。
しかし、先生、まったく褒めたりしません。
私たちに対するより幾分ぞんざいな口調で、あちこち修正すべき点をきびしく指摘します。
初心者にも上級者にも、レベルに応じた指導をする先生はスゴイ!


私が持参したもうひとつの作品は、不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう)。
細部の仕上げを進めました。
小さな部品も作りました。




腕を差し込むと、こんな感じ。
先生にお見せすると、首をもっと長くし、胸の出っ張りを強調するよう指示されました。
左腕がまだ太いので、細くするよう指導されました。
握った手が小さすぎるかと思ったら、このくらいでいいそうです。
それより問題は右腕。
上腕部が彫りすぎて細すぎで、一方、宝剣を握ることになる手は大きすぎます。

「攻めすぎましたね」

と先生。

「教科書には、彫りすぎたら作り直せ、と書いてあったのですが・・・」

と尋ねたら、

「そうですね」

と笑いながら言われました。
そこで、ほかの部材で作り直すと約束してしまいました。
なかなか火不動明王名物の炎光背(かえんこうはい)が着手できません。






植物はなぜ毒があるのか

2020-08-29 08:27:00 | 
田中修+丹治邦和著「植物はなぜ毒があるのか 草・木・花のしたたかな生存戦略」(幻冬舎新書)を読みました。
植物の毒というと、トリカブトが代表的です。
その強さはフグの毒に匹敵しますが、しくみは真逆。
一緒に飲むと、しばらくの間は効果を打ち消し合うのだとか。
毒キノコはあまり登場しませんが、ジャガイモ、ヒガンバナ、スイセン、アジサイなど、身近な植物が持つ毒性についてわかりやすく紹介しています。
一方、毒とは逆に薬になる植物についても解説しています。

私は趣味で仏像彫刻をやっていますが、素材は主にヒノキです。
彫るたびにヒノキチオールの香りを嗅ぎます。
強い殺菌や抗菌の作用があり、心を癒やしリフレッシュする効果があるそうです。

グレープフルーツには、心臓を守る効果があります。
脂肪の燃焼が増えます。
しかし、「フラノクマリン」という物質を含んでおり、血圧を下げる降圧剤(カルシウム拮抗薬)が体の中で分解されるのを妨げます。
そうすると、薬が溜まっていき、血圧が下がりすぎて危険です。
実は私も降圧剤を飲んでいますが、注意書きにグレープフルーツジュースを飲まないように書いてあります。
この本には出てきませんが、前立腺肥大の薬にもグレープフルーツジュースを飲むなと書いてあります。

長寿や認知症対策に有効な食材として、ダイズ、ニンニク、オリーブ、ウコンを取り上げています。
ウコンはカレーに含まれています。
では、インド人には認知症が少ないのか?
その通りだそうです!

読みやすい本でした。




FineLife2020秋号発刊

2020-08-28 08:00:00 | PR
大垣設備は、年に4回、無料情報誌「Fine Life」を発行しています。
その2020秋号が完成しました。
創刊から数えて第29号です。

第1特集は、「家庭でできる体力作り」
「アフターコロナ」の生活スタイルとして自宅でできる体力作りを取り上げました。

第2特集は、「睡眠の質にこだわる、くつろぎのベッドルーム」
良い眠りをもたらす寝室作りについて考えてみました。

「リフォームお役立ち情報」は、「室内ドアは引き戸が楽」
とくにアウトセット引き戸というリフォームで比較的簡単に設置できるタイプのものを紹介しました。

「社長の日記より」は、「明知鉄道沿線観光」
恵那市明智町の日本大正村、恵那駅前の中山道広重美術館、「半分、青い」でブレークした岩村をめぐる日帰り旅行記です。
「社長の映画館」は「弱虫ペダル」、「社長の本棚」は「外来種は本当に悪者か?」を紹介しています。
これらは、このブログ記事を再編集したものです。

「大垣設備のリフォーム&増改築 誌上現場見学会」では、垂井町T様邸の増築してLDK・玄関・トイレなどをリフォームした工事例を紹介しています。

「お客様リフォーム喜びの声」では、5名のお客様の工事後アンケートへのご回答を掲載しています。

これまで、「アレ!コレ!セレクション!」というお店紹介の記事が2ページありましたが、今号は1ページで1箇所だけにしました。
その代わり、「衣替えを機に収納を見直しましょう」という記事を載せました。

裏表紙の「ミュージアムを訪ねて」では、岐阜市歴史博物館と下呂発温泉博物館を紹介しました。

大垣設備ショールームで差し上げています。
最近のバックナンバーも置いてあります。
どうぞお越しください。






砂と人間

2020-08-26 09:00:00 | 
ヴィンス・バイザー著、藤崎百合訳「砂と人間 いかにして砂が文明を変容させたか」(草思社)を読みました。

南紀白浜にバス旅行で行ったことがあります。
その名のとおり、美しく白い砂浜がありました。
と思ったら、バスガイドいわく、砂がなくなっていくのでオーストラリアから輸入して補充しているんだとか。
たいへん驚きました。
しかし、この本によると、マイアミビーチやパームビーチをはじめ、ビーチに依存しているフロリダ州の多くの町で、深刻な砂の浸食が進んでいるそうです。
そのため、砂浜を継ぎ足す「養浜」は、すでに一大産業になっています。
アメリカでは、全国的に何百キロもの砂浜を人工的に再建しているのです。
フロリダ州にかぎらずアメリカ全土、南アフリカから日本、そして西ヨーロッパと世界中で砂浜はなくなりつつあるのです。
それをもたらしているのは、人間の活動です。
大規模な沿岸の開発、河川に設けたダム、海岸から上流域における砂の採掘や海での浚渫などが原因です。

海岸の景観を維持するような砂ビジネスは、本書で語る砂の実態のほんの一部です。
さまざまな用途で砂は使われています。
現代社会を形作るコンクリートには砂が必須です。
道路のアスファルト舗装にも砂が欠かせません。
ガラスもまた、砂を原料としています。
さらに、純度の高い石英の砂はシリコンチップや光ファイバーケーブル、その他のハイテク素材の原料になります。
また、アメリカで盛んなシェールオイル・シェールガスの採掘には砂を大量に使うフラッキングという技術が使われます。
ドバイのような豊かな国は、砂で海を埋め立ててリゾート地を創りだし、領土を広げています。
そういえば、関西国際空港も、砂で海を埋め立てて作りましたね。

縁の下の力持ちである砂は、一般の人々の注目を浴びることは少ないのでしょう。
しかし、現在、とてつもない量の砂が違法採掘され、砂をめぐって人命が奪われています。
サンゴや魚が死に絶え、海産資源で生計を立ててきた人々が破産しています。
かつては、全人類のうちほんの一握りの人々が豊かな生活を送っていました。
しかし、現代、中国や開発途上国では膨大な数の人々が都市で生活するようになり、豊かな生活を追い求めるようになっています。
それにつれて、砂の消費量は激増しているわけです。
水の問題は注目を集めることがありますが、砂の問題もまた全人類が直面している深刻な課題です。

石川五右衛門は、「浜の真砂(まさご)は尽きるとも世に盗人(ぬすびと)の種は尽きまじ」という辞世の句を残したと言われています。
海辺にある砂を、数がきわめて多いことのたとえに使ったわけですが、それが簡単に尽きてしまう世の中になったわけです。

それにしても、この著者のバイタリティーには驚嘆させられます。
多くの現場に出向き、危険をともないながら、多くの関係者から話を聞き出し、本質を把握します。
博識にもとづいた科学・工学的な記述はわかりやすくて助かります。
素晴らしい本でした。





大橋翠石展

2020-08-24 08:10:00 | 音楽・美術・映画・TV
昨日、岐阜県美術館に行ってきました。
「明治の金メダリスト 大橋翠石 〜虎を極めた孤高の画家〜」という展覧会を鑑賞するためです。




大橋翠石(おおはし すいせき)は大垣市出身の日本画家です。
ポスターに「明治の金メダリスト」とあります。
これは、明治33(1900)年のパリ万国博覧会で、日本人画家として唯一の金メダル(金牌)に輝き、4年後のセントルイス万国博覧会でも連続して金メダルを受賞したことによります。
あまり有名でないのは、後半生を画壇と無縁で過ごしたせいだそうです。
しかし、生前は高い評価を受けていて、明治天皇、東郷平八郎、大隈重信など、そうそうたる人々が翠石の絵を愛し、所蔵していました。
今回、各地から数多くの作品が集められ、5部構成の展覧会となりました。
多くの作品は個人蔵です。
なかには大垣市教育委員会所蔵のものや大垣市立東小学校所蔵のものもありました。

大橋翠石を「虎を極めた孤高の画家」と呼んでいます。
本当にリアルで迫力のある虎の絵がいくつも展示されていました。
しかし、明治時代、どこでトラを見たのでしょうか?
恩賜上野動物園の開園は1882年で、トラを飼い始めたのは1887年だそうです。
だったら、実物を見て、写生できたのでしょうね。




虎以外にも、多くの動物画を残しています。
人物画や風景画は少なかったようです。
見応えのある個展でした。
9月13日まで開催しています。


「ルドンと日本」展が延長して開催され、最終日でした。
オディロン・ルドンは、19世紀後期から20世紀初期にかけて活動したフランス人画家です。
岐阜県美術館は、ルドンの作品の収集に熱心なのだそうです。
幻想の世界を多く描きました。
その影響を受けたであろう同時代の画家の作品を多数展示していました。
ただ、あくまで館の収蔵品ばかり。
私が好きな山本芳翠の「裸婦」や「浦島図」も、常設展同様に展示してありました。
当時の芸術界におけるルドンの位置や彼がほかの芸術家に与えた影響力などについての説明がもっとほしかったと思います。




館の外に天野裕夫「バオバブ・ライオン」という彫刻作品がありました。
たいへん面白い作品です。