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揺れるウクライナ:「右派セクター」急成長 謎の覆面自警団、過激化あおる

2014年02月27日 | 国際 ヨーロッパ

毎日新聞 2014年02月27日 東京朝刊

キエフ中心部をパトロールする覆面集団。「右派セクター」のメンバーとみられる=25日、篠田航一撮影
キエフ中心部をパトロールする覆面集団。「右派セクター」のメンバーとみられる=25日、篠田航一撮影

 【キエフ篠田航一】ヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナの首都キエフは、徐々に治安が回復し落ち着き を取り戻しつつある。だが、デモ隊が占拠する「独立広場」は覆面姿の自警団がたむろし、独特の雰囲気を醸し出している。自警団の中にはデモを過激化させた 極右集団「右派セクター」メンバーも多いとされるが、その実態は謎に包まれている。

 右派セクターの事務所は広場付近のビルにあり、入り口で目出し帽姿の男2人が立っている。話を聞こうとすると「責任者に連絡を」と言われ「たらい回し」にされた。幹部クラスは多忙を理由に会おうとしない。

 ある20代の男性メンバーが打ち明けた。「上から何も話さないよう厳命されているが、実際はそれほど力はない。政変が起き、最近になって『勝ち馬に乗る』ために入ってきた者も多い。顔を隠すのは、安全のためさ」

 メンバーや地元記者の話を総合すると、設立は昨年11月で、他の野党の反政府デモを「手ぬるい」と感じる過激なメンバーが集結。民族主義組織「ウクライナの愛国者」や、若者組織「白いハンマー」など既存の複数集団の連合体だという。

 だが、実態はドイツの極右組織ネオナチに似た過激思想の持ち主、反ユダヤ主義者、暴力的なサッカーファン(フーリガン)まで含む「ならず者の集団」(地元記者)との見方も。取材記者への暴行事件も起きている。メンバーはキエフだけで3000人だという。

 結成わずか3カ月で急速に勢力を伸ばした。「オリガルヒ」と呼ばれる新興資本家が、親密だったヤヌコビッチ政権を見限り、右派セクターに資金援助したとの報道もある。だが、末端の若いメンバーは皆、資金源を「知らない」と話した。

 事務所付近で取材中、素顔の若い女性がやって来た。「記者なら帰って」。命令口調だ。「若い世代に右翼 思想は浸透しているのか」と尋ねると「私は医療スタッフとして協力している。この国のためと思って働く女性も多い」とまくしたて「これ以上は話せない」と 質問をさえぎった。

 右派セクターに対する評判は良くない。広場で1月からデモに参加する建設業の男性(53)は「当初は平 和的デモだったが、右派セクターが石や火炎瓶の使用など過激化をあおった」と声を潜める。自警団には法的な治安権限はないが、「不気味だが、怖いので従う しかない」と不安視する市民も多い。

 ◇クリミア情勢不安定化 自治共和国、ロシア系住民デモ

 【キエフ篠田航一、モスクワ真野森作】ウクライナでは、首都が落ち着きつつあるものの、黒海に突き出た南部クリ ミア半島の情勢が不安定化している。ソ連時代の1954年に当時の政権がロシア共和国領からウクライナ共和国へ帰属を変更した経緯があり、現在も住民の6 割はロシア系だ。そのため、首都キエフで権力を掌握した旧野党勢力に不信感を強めるが、一方で新体制側も「分離主義の動き」と警戒している。

 現地からの報道によると、同半島が属するクリミア自治共和国の首都シンフェロポリでは26日、ロシア系 住民と、人口の約1割を占めるイスラム教徒のクリミア・タタール人がそれぞれデモを行い、両者の間で衝突も起きた。ロシア系住民は今回の政権崩壊に抗議 し、自治政府にキエフの次期政権を承認しないよう要求するが、タタール人は承認を求めている。

 新体制が固まりつつあるキエフでは、トゥルチノフ大統領代行が25日、安全保障会議を開き、クリミア情勢についても議論した。

 ロシア政府も情勢を注視する。半島南部の港湾都市で自治共和国管轄外の特別市セバストポリにはロシア黒 海艦隊の基地があり、ヤヌコビッチ前政権と2042年までの駐留期限で合意していた。プーチン露大統領は26日、ショイグ国防相に対し、ウクライナとの国 境に位置する西部軍管区などでの軍事演習を命じた。

 一方、タス通信などによると、米国のバーンズ国務副長官が25日、トゥルチノフ氏らと面会し、支援を表明。また、旧野党勢力は26日夜、新内閣のメンバーを発表する。

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