尖閣諸島:石原知事発言…識者「中国を利する発言」
毎日新聞 2012年04月17日 13時18分(最終更新 04月17日 14時14分)
作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんは「今回の発言には二つ要因がある。ひとつは、石原氏が領土問題に敏感で高い国防意識を持っていること。もうひとつは『石原新党』が白紙に戻った中、領土問題で強硬姿勢に訴えれば、お金を使わず国民人気を保ち続けることができること。日本政府はこれまで『尖閣諸島に領土問題は存在しない』と主張してきたが、今回の発言で中国との間に深刻な外交問題が生じれば『領土問題』になり、中国はしめたもの、と思っているだろう」と指摘した。
漫画家のやくみつるさんは「石原氏は今までいろいろ公約を掲げてきたが、何も実現しておらず、最後くらい爪痕を残したいという思いがあるのでは。日本の中国外交が事なかれ的になっていて、国民の不満が高まっているので、石原氏のこうした発言には期待が集まりやすいと思う。ただ、日本国内は震災からの復興など他の懸案を多く抱えており、尖閣諸島漁船衝突事件の時のように世論が沸騰することはないのでは」と話した。【袴田貴行】
毎日新聞 2012年04月17日 13時18分(最終更新 04月17日 14時14分)
作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんは「今回の発言には二つ要因がある。ひとつは、石原氏が領土問題に敏感で高い国防意識を持っていること。もうひとつは『石原新党』が白紙に戻った中、領土問題で強硬姿勢に訴えれば、お金を使わず国民人気を保ち続けることができること。日本政府はこれまで『尖閣諸島に領土問題は存在しない』と主張してきたが、今回の発言で中国との間に深刻な外交問題が生じれば『領土問題』になり、中国はしめたもの、と思っているだろう」と指摘した。
漫画家のやくみつるさんは「石原氏は今までいろいろ公約を掲げてきたが、何も実現しておらず、最後くらい爪痕を残したいという思いがあるのでは。日本の中国外交が事なかれ的になっていて、国民の不満が高まっているので、石原氏のこうした発言には期待が集まりやすいと思う。ただ、日本国内は震災からの復興など他の懸案を多く抱えており、尖閣諸島漁船衝突事件の時のように世論が沸騰することはないのでは」と話した。【袴田貴行】