北朝鮮、制裁解除で総連再建へ=「万景峰号」で食い違いも
【北京時事】日本人拉致被害者らの調査委員会設置に合わせ、日本政府が科している人的往来の制 限、人道目的の船舶の入港禁止、送金などの規制という三つの制裁が解除される。北朝鮮は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の立て直しを図る考え。ただ、 貨客船「万景峰号」の扱いをめぐり、食い違いが残っている。
人的往来の制裁解除により、朝鮮総連幹部の渡航が可能になる。北朝鮮当局としては、今後の日朝関係進展もにらみ、「現在の許宗萬議長の指導部に対する指導を強化し、バブル崩壊と拉致問題で衰退した総連をてこ入れしたい」(消息筋)ところだ。
送金規制も制裁前の水準に戻れば、届け出なしで送金できる額が現在の10倍に上がる。基本的には在日朝鮮人による祖国の親戚への仕送りが想定されるが、総連を通じた組織的な送金により、外貨獲得を図ることも考えられる。
これに加え、人道目的の船舶の入港禁止解除で、北朝鮮は、万景峰号の運航再開を目指す見通しだ。実現すれば、在日朝鮮人の往来が活発化し、産業や観光の振興にもプラスになる。
宋日昊日朝国交正常化交渉担当大使は、万景峰号は「人道主義のための国際的船舶」と指摘。6月17日には、総連京都府本部が日本赤十字社京都府支部に対し、「人道的見地からの入港禁止措置解除」を要請するなど、運航復活を求める動きが出始めた。
ただ、総連は、万景峰号を通じて北朝鮮指導部に大量の現金や贈り物を「上納」していた前歴がある。日本側は人道物資の輸送に限る考えで、万景峰号の復活に は否定的。協議を中断させるほどの強硬な主張はしないとみられるが、「人道目的」の解釈をめぐり議論が難航する可能性がある。(2014/07 /01-14:54)
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