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(記者有論)派遣法改正 働く側の権利はいいのか 沢路毅彦

2014年03月28日 | 労働・雇用

(記者有論)派遣法改正 働く側の権利はいいのか 沢路毅彦

2014年3月22日05時00分

 労働者派遣法の改正案が閣議で決まり、国会に提出された。成立すると派遣法の骨格はがらりと変わる。

 改正案の一番の目的は規制をわかりやすくすることだ。

 今のルールでは、派遣受け入れ期間に最大3年の制限がある業務と、制限がない業務がある。改正案では派遣労働者ごとに期間を制限することにして、どんな業務でも一律3年にする。

 ただ、こうなると、人を入れ替えれば、ずっと派遣労働者を受け入れられることになる。だから、労働組合や野党の一部は「“生涯ハケン”を可能にする改悪だ」と批判している。これに対し、「規制強化の面もある。派遣労働者のキャリアアップも義務づける」というのが厚生労働省側の反論だ。

 確かに、改正案ではすべての派遣会社が許可制になる。労働者に必要な教育訓練をすることも派遣会社の義務だ。教育計画を整えることが許可の条件になるので、経営体力が弱い業者は淘汰(とうた)される、というのが厚労省の説明だ。

 しかし、業界の淘汰が進んで一つ一つの派遣会社が大きくなったとしても、派遣労働者の処遇が良くなるとは限らない。教育訓練を受けることが、賃金向上に結びつくという道筋もはっきりしない。

 その理由は結局、改正案に盛り込まれたのが行政の権限ばかりで、派遣労働者自身の権利がほとんど強化されていないからだと思う。正社員との均衡待遇はうたわれてはいるものの、指針どまり。均衡待遇を求める声は事実上、門前払いされた。

 もう一つ、今回見送られた大事な論点がある。派遣労働者団体交渉権だ。

 派遣労働者が派遣先企業と団体交渉する権利は、裁判例労働委員会の命令では、限られた場合にしか認められていない。「派遣先との団体交渉権を認めて欲しい」というのは、処遇改善を求める派遣労働者の一致した意見だ。

 労働者派遣は、労働者を雇う派遣会社と、実際に働く派遣先の企業が違う「間接雇用」であることが最大の特徴だ。派遣会社と派遣先企業の関係は、企業間の商取引だから、派遣労働者は、よほど強い交渉力を持たないと、不安定な立場に置かれ、賃金が買いたたかれやすくなる。

 労働者派遣が解禁されることになって、来年で30年。派遣という働き方が日本社会に定着したというのなら、なおさら、派遣労働者の権利を正面から議論することが筋だ。

 (さわじたけひこ 編集委員)



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