イスラエル軍、ガザ本格攻撃=地上戦も視野-予備役最大4万人招集
【エルサレム時事】イスラエル軍は8日、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザからのロケット弾攻撃などを阻止するため、本格的攻撃を開始した。和平交渉が停滞したパレスチナ情勢は、再び重大局面を迎えた。
イスラエル軍は今回の軍事行動を「境界防衛作戦」とし、8日未明以降、ガザにあるハマス戦闘員の自宅のほか、ロケット弾発射拠点や訓練基地など約150カ 所に対し空爆などを実施。ガザの医療当局者によると、ハマス戦闘員ら少なくとも13人が死亡、90人が負傷したもよう。犠牲者には少年2人も含まれている という。
一方、軍によると、この日ガザから130発以上のロケット弾がイスラエルに向けて発射された。
イスラエルのネタニヤフ首相は、軍トップらとの会議で「ハマスが(事態の)深刻化を選んだ」と述べ、本格的な戦闘態勢に入るよう指示していた。AFP通信によると、軍当局者は、地上軍による侵攻も含め、あらゆる選択肢を検討していると明らかにした。
イスラエルのメディアによると、政府は8日、地上戦に備え、最大約4万人の予備役を招集することを決定。既に約1500人が招集されている。
ハマス側は「すべてのイスラエル人が標的になる」と警告。パレスチナ自治政府のアッバス議長も8日、作戦を即座に中止するよう要請するとともに、国際社会に対してイスラエル政府に圧力をかけるよう訴えた。(2014/07/09-01:24)