15年ほど前から赤外線写真にトライしてきました。これまで無改造のデジタルカメラに、赤外線フィルターとして、Wratten filter No.89Bというゼラチンフィルターを、ホルダーに入れて撮影していました。ホルダーが扱いにくいので、できればレンズの前に直接嵌められる普通の形状の赤外線フィルターを使ってみたいと思っていました。高価なものが多い中、ネットを見ていたら可変式赤外線フィルターが比較的安価で売られているのを見つけました。
説明を見ると、透過光の波長を530nmから750nmまで変化させるフィルターとのこと。以前に枠を回すと徐々に濃度が変わって減光量が調整できる「バリアブルNDフィルター」を使いましたが、これと同じような使い勝手だろうと思い、購入してしまいました。
購入したフィルターは、可変式赤外線フィルター FOTGA FADER IR 530-750nmです。
すでに使っている方のネットでの情報では、通常の赤外線フィルター(IR720)とは同じような効果が得られるとの話が出ていました。枠を回すと、色合いが変化します。短波長側は橙色、波長が長くなるにつれて赤色が濃くなっていきます。
最後には黒がかった濃赤色になります。
さて、デジタルカメラ(無改造)では、どのように写るのでしょうか。720nm付近で撮影してみましょう。得られた画像を見てみますと、光が当たった葉があまり白くなっていません。白黒で確認してみましょう。ちょっと赤外効果が少ないように感じます。また画質も甘くなっています。
Pentax K-30+SIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8II+FOTGA FADER IR(720nm)
ちなみに、いつものWratten filter No.89Bを使った写真と比較してみると、一目瞭然です。
ペンタックスK-30+smc PENTAX-DA 35mm F2.4 AL+Wratten filter No.89B
次に、720nmに設定したFOTGA FADER IRで撮影した写真を、画像処理にてカラースワッピングしてみました。葉が赤くなった独特の絵ができました。いろいろ試してみましたが、葉の色を白っぽくすることは無理でした。
Pentax K-30+SIGMA HIGH-SPEED WIDE 28mm F1.8II+FOTGA FADER IR(720nm)
これはこれで、面白い感じもしますが、思っていた赤外線写真とはちょっと違ってしまいました。
赤外線撮影用改造カメラですと、しっかり赤外効果が出るのかもしれません。私の無改造の機材では、可変IRフィルターFOTGA FADER IRを使って本格的な赤外線カラー写真を撮るのは難しい、ということのようです。