富士写真光機(現富士フィルム)から発売された普及型一眼レフカメラFUJICA ST605です。フジカは1970年にST701で一眼レフ市場に参入し、開放測光で2000/1秒シャッターを持つST801、絞り優先自動露出のST901と続いたのちに、1976年に普及型としてST605を発売しました。
フォーマット :135判 24×36mm
マウント :M42 (プラクチカスクリューマウント)
シャッター :機械式横走り布幕フォーカルプレーン
シャッタースピード:B, 1/2-1/700秒
ファインダー :ペンタプリズム式(固定)、倍率0.96 視野率92%
フォーカシングスクリーン:スプリットマイクロプリズム
露出計 :TTL中央重点絞り込み測光、指針表示
フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
バッテリー :SR44またはLR44 2個
外形寸法 :133×86×49mm
重量 :565g(ボディ)
発売日 :1976年7月
見た目はかなりコンパクトな金属製の一眼レフです。性能的には、絞り込み測光、そしてシャッター速度が1秒と1/1000秒を省いて、1/2秒から1/700秒になったことです。特に1/700秒ですが、1/500秒との差はわずかですが、1/500秒止まりの機種よりは少しだけ優れているということを強調したかったのでしょうか。
背面のファインダー左横にボタン電池を入れ、露出計を動かします。露出合わせはファインダー内の指針で確認します。
ちょうど同じ年にはキヤノンのベストセラー一眼レフAE-1が発売されています。時代はAE-1に代表されるようにな開放測光AE方式が主流になっていきます。その中で何か時が停まったようなカメラでした。ただし、現代においては、AE方式のカメラは故障しているものも多いようです。このST605のような機械式カメラは、メンテナンスさえしていけば、かなり長生きできるカメラです。私のST605も、発売されてから半世紀近くたっても、露出計もシャッターも動きます。