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NYで歯科衛生士になるには

2024-06-04 | NYの育児・教育事情

幾度かご質問をいただいております、
「アメリカで歯科衛生士になるには?」
1人1人にお返事することができないので、
今までご質問いただいたものいつくかに、この場を借りてお返事させていただきます。

ただし、アメリカではなくて、NYでの話です。
アメリカは各州によって資格内容が変わります。

①日本の歯科衛生士の資格でアメリカでも働けますか? 
日本の歯科衛生士国家資格は、アメリカ全州において通用しません。
アメリカで大学に行き、試験を受け、ライセンスを取得する必要があります。

②日本の歯科衛生士資格取得後に留学したほうが有利ですか?
将来日本に戻り、日本で歯科関連の仕事がしたいのであれば、
日本の歯科衛生士資格は取るべきですが、
一生アメリカで歯科衛生士として働きたいのであれば(ご両親も承諾済み)、
日本の歯科衛生士学校で学ぶ3~4年間とその学費は無駄になります。
結局一から全てをアメリカで学ぶので、
アメリカを拠点に考えているのであれば、
さっさと留学されたほうが賢明だと思います。

③アメリカで歯科衛生士になるには何年かかりますか?
NYの場合をお話します。大学によって多少違いがありますが、
基本的に1年間、基礎学科を学びます(解剖学、微生物学、化学など)。
基礎学科の成績が一定以上の生徒のみ、
歯科衛生士科に進むことが許され、
歯科衛生士科は2年制と4年制があります。
ですので、基礎学科の1年間を含め、
2年制は3年間、4年制は4~5年間です。

留学生の場合、基礎学科を受講する前に英語の学力試験があり、
それが一定のレベルに達していない場合、
レベルに達するまで只管英語のクラスを受講することになります。
ここで1~2年無駄足を踏む場合も十分あります。

④アメリカの歯科衛生士のお給料はいくらくらいですか?
各州によって年収に多少のバラつきがみられます。
NYの場合、
求人情報などで公表されているフルタイム初任給で年収$76,000~120,000。
特殊な経験やノルマ達成度、医院の売り上げ向上度、
自費診療歯科院勤務、VIP患者御用達歯科医院勤務などで、
年収$150,000~180,000です。

歯科衛生士の派遣エイジェンシーに登録し、
派遣歯科衛生士として仕事をする人も多いです。
与えられた任務をこなせばよいだけで、
職場の人間関係や、
患者さんと信頼関係を築く必要もなく、人気です。
給与もエイジェンシーが提示したものを雇う歯科医院は支払わなくてはいけないので、
給与交渉も一切ありません。
今現在、派遣歯科衛生士の時給が$65~70です。

⑤2年制卒か4年制卒で働けるところが違いますか?
2年制:一般開業歯科医院、総合病院歯科、診療所歯科
4年制:一般開業歯科医院、総合病院歯科、大学病院歯科、診療所歯科、歯科関連企業、歯科保険会社、研究職、歯科衛生士科実習インストラクターなど
大学院:4年制の働ける場所の他、大学講師、大学教授、行政機関、行政コミュニティー、老健施設歯科管理職など

⑥アメリカの大学の歯科衛生士科の授業料は高いですか?
NYの場合、歯科衛生士科は市立短大(コミカレ)、市立大学(CUNY)、
州立大学(SUNY)、私立大学の順に
学費が高くなっていきます。
実際の学費に関しては、各大学のホームページに記載されています。

⑦アメリカの大学で歯科衛生士の勉強をしながら、歯科助手としてアルバイトができますか?
そもそも留学生は勉強をするために渡米を許されているので、アルバイトは許されていません。
よほどな経済的理由でアルバイトが必要な場合は、大学から許可が出、
大学指定の場所でのアルバイトは可能と聞いています。
また違法を承知で、就労ビザのない日本人歯科助手を雇ってくれる歯科医院があるかどうかは、
分かりかねます。
歯科衛生士科の場合、実習のある2年間は朝8:00から患者さんの予約が入るので、
朝7:45には大学入り、
実習後は授業、
その後、自分で予習や復習、国家試験の勉強などで、
授業が終わるのが夜の9:00だったりするので、
アルバイトなどしている余裕はないと思います。

⑧アメリカの大学の歯科衛生士科の勉強は大変ですか?
勉強内容は、英語の得意不得意で大きく左右されますが、
それほど大変ではなく(英語は不得意なほうでしたが)、
基本的に「暗記系」が8割なので、とにかく暗記をすればよいだけです。
「いかに短時間で確実に暗記できるか」がポイントだと思います。
なので、ゲーム感覚で暗記していたので、
それほど大変ではないと思っていました。
勉強内容よりも時間の拘束が一番しんどいかなと思います。
実習のある2年間は朝から晩までみっちりな上に、
中間試験、期末試験、課外活動、プロジェクトなどなどあり
且つ国家試験の勉強もあるので、
日々、追われるように過ごしていたのを覚えています。
氷点下の冬のNYで、毎朝早く起きて、通学するのが鬱になりそうでした。
(大学まで徒歩圏内でしたけど)

⑨奨学金は留学生でも貰えますか?
各大学、学部に、独自の奨学金制度があり(特に私立)、
留学生でも成績がある一定以上の生徒に限り受け取ることが可能です。
返済不要です。
1つの奨学金が一学期$1,000~3,000程度なので、
それらをいくつか貰えるよう組み合わせたりします。

⑩アメリカで歯科衛生士になって良かったと思いますか?
私の人生の中で、「してよかった」と思う決断のうちの1つが、
「アメリカで生きていく」と決めたこと(日本を出ることを決めたのは14歳のとき)
もう1つが、「アメリカで歯科衛生士になる」と決めたこと(18歳のとき)
もう1つは、「ニューヨーク大学歯学部歯科衛生士科に進む」と決めたこと(21歳のとき)です。
この3点において、我が人生に悔いなしです。


この辺にしておきます。
ご参考になれば幸いです。

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