三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

レインツリーの国 <有川 浩>

2010-10-05 10:34:00 | 
 これはヤられたー。くぅ
 ベタ甘のただの恋愛モノと思ってたんですが、もっと真摯な物語だったのね。
 くそ、すげーぞ有川浩。
 まぁニヤニヤさせられる感じは相変わらずで、嬉しくて更にニヤニヤしちゃうんですけどね。
 電車の中で読んでたら、もうニヤけるわ泣けるわで、すっかり変人でしたよ。



 以下、ネタバレあり!!










 各章のタイトルを先に読んで、てっきりひとみが伸に会いたくないのは、重量オーバーのせいだと思ってました。
 でもあのタイトルは、そんなに軽くなかった。
 『ごめん、君が泣いてくれて~』も、なんて酷いシチュエーションで使われている事か。
 傷ついて、傷付けあって、それが結構本気で抉るようなコトバの応酬だったりして、読んでても痛かった。
 
 ま、それでもちゃんとハッピーエンドなんですけどね。むふふ

 思えば、耳が聞こえないっていうのは、目が見えない事より想像しづらいかもしれませんな。
 耳が聞こえない人だけじゃなくて、所謂障害者(あんまりイイ言葉じゃないよね)が身近にいたことがないのですが、これってやっぱりそういう人たちは世間一般から隔たったところに立たされるからなのかしら。
 物理的にも、心理的にも。
 まず学校で、そういうコ達はクラスかあるいは学校自体が違うし。
 そういう社会のありようも、どっかオカシイのかもしれないなぁ。
 でも差別ってのは、もともと人間に備わっちゃってる感覚だしなぁ。。。難しい。

 そういう社会で育ったのに、いくら好きな人だからとは言え、あそこまで素のままで接せられる伸て、やっぱデカイと思う。
 そっかこういうのって、そういう人が身近にいたかいないかとか、そういう問題じゃないんだね。
 どんな思いを味わって、どんな苦労をして、それをどう昇華させてきたか、どう生きてきたかって事なのか。

 それにしても、ひとみも伸も、まっすぐで一生懸命だなー。
 こんな好青年、どこかにいないものかちらん。

 




レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)
有川 浩
新潮社

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

コメントを投稿