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三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

遠まわりする雛  <米澤 穂信>

2011-10-25 09:41:41 | 

 古典部シリーズ第4弾は短編集でした。

 予備知識なしで読みだしたので、最初 「ん?」 ってなりました。

 この短編集は彼らの1年間が、時系列に沿って書かれているので、 『クドリャフカ~』 で文化祭だったのが、入学(入部)当初に戻ってんですねぇ。

 それが1話目。

 えるとホータローの距離感がぎこちなく、それゆえにホータローは 「らしくない」 事をしてしまいます。

 初々しいぜ、ホータローよ。

 省エネ主義を気取っていても、そこはやはり若者。

 青春は避けられないのです。むふふ

 

 入部直後に始まり、夏の合宿やらバレンタインやら、季節感も満載。

 シリーズを愛でている人には、嬉しい作りじゃないですか。

 

 個人的には、えるがカッコ良かった1冊だと思います。

 立場としての役目を勤める時のえるのカッコ良さ、さすが良家の子供。

 更に立場を全うするだけじゃなくて、将来も見据えて、自分に何ができるか考えてて。

 その芯の強さ。

 ステキでございます。

 

 

 以下、ネタバレあり!!

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっとちょっとー、今回えるとホータローの距離がぐぐっっと縮まってませんか?!

 いやまぁ1年かけて、なんでしょうけど、1冊で読む読者としてはぐいぐい縮まってるように見えるわけですよ。

 初詣の時も 「おや?」 と思ったけど、表題作。

 あれってホータロー、えるに惚れたよね?!

 どうなんだい?! このこのぅ

 

 この二人の今後の展開も、気になる古典部でございます。

 

 ところで、長編の間を埋める短編集だったって事は、次は2年生になってるのかな?ウキウキ

 

 

 

 

 

 

 

 

遠まわりする雛 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング)

 


クドリャフカの順番 <米澤 穂信>

2011-10-19 14:51:01 | 

 古典部シリーズ第3弾です。

 

 このシリーズは至って平和なんですが、今回、前2作よりさらに平和だったなー。

 でもこういう話、好き。

 

 舞台は3日間もかけて盛大に行われる文化祭。

 テーマは文化祭で起こる不思議な連続怪盗事件と、発注ミスで200部も印刷されちゃった文集 『氷菓』 をいかにして売るか(売れるか)。

 

 わらしべ長者的物々交換があったり、それがふと役立ったり、なかなか伏線が効いてて楽しい。

 

 怪盗事件の真相は、少し切なく。

 いつも飄々としてるふくちゃんの、ホータローへのちょっと複雑な思いが見えたり。

 まやか(に限らずだけど)の、他者が持っている才能へのあこがれや嫉妬、焦りなんかもよく出てて。

 青春臭の濃い1冊かもしれませんな。

 

 ところで今回、一番のキーパーソンは、ちょっとしか出てこないねーちゃんかもしれんな。

 いや、今回に限らないのか…ブツブツ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クドリャフカの順番 (角川文庫)
米澤 穂信
角川グループパブリッシング

坊っちゃん <夏目 漱石>

2011-10-14 10:40:24 | 

 ちょっと軽い本ばっか続けて読んだので飽きが来て、文学作品を読みたくなりまして。

 夏目漱石でございます。

 ……軽いな。(笑)

 

 思うに、漱石は今でこそ文豪扱いですが、出た当時はその時代のラノベ的存在だったのではないでしょうか。

 だって多分 『吾輩は猫である』 とか、当時としては画期的だったんじゃないの?

 猫が主人公で擬人化でテンポよくて軽快でユーモアもあって、だぜぃ。

 まぁ後にいくほど作品が暗くなって、文学的な感じになっていくけどさぁ。(←偏見)

 なので、『坊っちゃん』 は明るく軽快でテンポよく読める、明治期のラノベ的作品て事で。(酷いな)

 

 以下、ネタバレあり!!

 

 

 

 

 

 

 改めて読んでみると、特に何があるというわけでもないお話なんですな。

 坊っちゃんが田舎の教職に就いて。

 生徒や先生とぶつかったりからかわれたり、それに怒ったり。

 温泉に入ったり団子を食べたり天ぷらを食べたり。

 ひきょう者をやっつけて、こんなトコには居られないと辞職して東京に戻って。

 

 それだけ、と言えばそれだけの話。

 

 でも坊っちゃんてば、愛嬌があるのです。

 とくに清への愛情なんて、微笑ましくてイイっす。

 そして坊っちゃんてば、単純でとことん真正直。

 そりゃあ赤シャツや野だいこなんかには、煙に巻かれてしょうがないよねぇ。

 

 最後、山嵐と一緒に赤シャツに鉄拳制裁を加えるところ。

 殴る描写が 『ぽかり』 なので、すごく軽く殴ってるように聞こえるけど、ボコボコにしたってことだよね、あれは。

 

 ところでマドンナは、ちょろっとしか出てこないんですな。

 昔松山行った時、マドンナがフューチャーされてるみたいだったんで、もっと出てくるんだと思ってたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坊っちゃん (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社

 

 

 

 


もう誘拐なんてしない <東川 篤哉>

2011-10-11 09:52:19 | 

 『謎解きはディナーのあとで』 が超売れの東川篤哉氏、初読みです。

 

 軽い!軽いのぉ~!!

 ユーモアミステリー、という位置づけになるんでしょうか。

 赤川次郎氏を彷彿とさせる軽さでございました。

 

 キャラは立ってるし、誰もかれも愉快で魅力的なんですが、いかんせん軽い。

 いやまぁそれこそがこの人の、この作品の魅力なんでしょう。

 それは分かっております。

 でもとにかく軽い。(しつこい)

 

 軽い軽いと言っちゃうとけなしてるようですが、決してそうではなく。

 軽快で楽しいエンタメ作品なんですよ。

 

 あとは、読み手の気分の問題ですな。

 こういうお話が読みたい、っていう。

 そこは裏切らない気がする。 

 

 

 

 以下、ネタバレあり!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 個人的には皐月が好きでした。

 しぶいぜ、姐さん。うふふ

 

 ところで結局例の偽札は、印刷屋が個人的な趣味(?)で作ってたって事でイイのかしら?

 そしてすり替えられた本物の行方は?

 そして山部(だっけ?)はどうなったんだろう?

 ヤクザで身内殺しって、ご法度じゃないの?

 妹もどうなった?

 

 とかとか、色々と気になる事はあるんですが。。。。

 ま、楽しく読めば、それでイイんでしょう。

 

 ところで、文庫版のジャケは秀逸だと思うのは私だけでしょうか。

 あんまり人物写真の小説ジャケは好きじゃないんですが、これは後ろ姿だし、スカート丈も完璧。(変態か)

 これで買っちゃった人、結構いるんじゃないかなぁー。ふふふ

 

もう誘拐なんてしない (文春文庫)
東川 篤哉
文藝春秋

押入れのちよ <荻原 浩>

2011-10-03 15:29:13 | 

 表と裏の荻原さんが詰まった一冊です。ふふ

 荻原さんは 『神様からひと言』 みたいなユーモアたっぷりのサラリーマン小説から、 『噂』 みたいなブラックなミステリ小説まで、幅広いのだ。

 その両極が収まってるのが、この本かなぁ、と。

 

 表題のちよは可愛かったっす。

 表紙見るとちょっとゾッとするんですが、お話は怖くないっす。

 幽霊なのに、ビーフジャーキー食べたりカルピス飲んだり(未成年だからお酒は飲まない 笑)するの。

  とても可愛い明治生まれ14歳のちよの活躍を、長編で是非読んでみたいっす。

 

 個人的に好きだったのは、『木下闇』 と 『 しんちゃんの自転車』 でした。

 どちらも田舎の風情たっぷりで、優しくて少し哀しい。

 特に 『しんちゃん~』 の方は、ちょっとクスリとさせられるところもあったり。

 もげそう、とかね。ふふ

 

 ブラックな方のお話も、ちょっと今の私にはハマりませんでしたが、ホントにブラックに軽快ですよ。ふふふ

 

 

 

 

 

 

押入れのちよ (新潮文庫)
荻原 浩
新潮社

ピース <樋口 有介>

2011-09-27 15:27:19 | 

 なんだろ読後感としては、西村京太郎とか内田康夫とかに近いものが…

 いや別に両氏がダメとか、そういう事じゃないんですけどね。

 しかもあんま読んだ事ないんですけどね。

 

 以下、ネタバレありかも!!

 

 

 

 

 

 結局、ずーっと怪しい人は犯人ではなく。

 かと言って、犯人が分かってもあまりに突然で、あんまりびっくり感はなかったなぁ。

 犯人が分かる下りがああいうテンションの物語運びって事は、やっぱりマスターによるマインドコントロール説が正解って事なのか。。。

 でも結局それもハッキリしないしなぁ。

 

 ショウジとアル中女子大生との関係(偶然なのかどうか)も、結局ハッキリしなかったしぃ。

 色々ハッキリしない事が多かったなぁ、と。

 それがテーマだったりするんだろうか。

 人は、分かるようで分からない、みたいな事ずっと言ってたもんねぇ。

 

 テンポも悪くないし、読みやすいし、登場人物も魅力的だけど、なんだか釈然としないなぁ…という1冊でした。

 まぁ、だからこそもっかい読みたくなったりするんですがね。。。。むふ

 

 いずれにせよ文庫版のあのジャケは、なんとも罪深い絵ですな。。。

 

 

 

 

 

 

ピース (中公文庫)
樋口 有介
中央公論新社

 

 


鉄人探偵団 <山下 貴光>

2011-09-26 08:47:16 | 

 『屋上ミサイル』 がステキだった山下貴光さんの文庫新刊が出てたので、お買い上げ。

 今回は小学生がメインキャラです。

 『屋上~』 より年齢下がってますな。

 

 さてさて、今回もやっぱり良かったよぅ~。

 子供が、若者が、まっすぐに何かを信じて頑張る姿っていうの、やっぱり好き。

 そりゃ都合よく行きすぎの部分もあるだろうけど、お話なんだからイーンダヨー。

 

 『屋上~』 の時に感じた、独特のテンポと読みにくさは、今回全く感じられませんでした。

 直しちゃったのかなぁ。

 あれが味だったような気もするんだけど…まぁでも ”読み辛い” と感じたなら、直った方がエエんかのぅ…でもそれも個人的感覚だし…

 

 キャラは立ってます、相変わらず。

 『世界を変える』 為に 『やれることをやる』 少年鉄人。

 その鉄人が 『仙人』 とあがめる(?)、髭の人(っていうかホームレス)。

 『無理』 といわれるとキレるたこ焼き屋の兄ちゃん。

 一人千円(だっけ?)で喧嘩を引き受ける 『喧嘩屋』 さん。

 

 色んな人と色んな事件と鉄人探偵団の4人が絡み合って、全部がラストに向けて繋がっていく展開は、加速度的で読ませます。

 

 鉄人たちのまっすぐで一生懸命な姿(と書くと陳腐で嘘臭くて、とたんに魅力がなくなるな)が、とても微笑ましいお話でしたよ。

 私的には序盤の和真が鉄人と友達になるくだりが、もう可愛くてほのぼのでした。

 

 ところでこの表紙、なんで3人なんだ?

 そして誰が誰なんだ?

 

 

 

 

 

鉄人探偵団 (宝島社文庫)
山下 貴光
宝島社

別冊図書館戦争II  <有川 浩>

2011-09-21 10:22:40 | 

 とうとうシリーズ最後の1冊でございます。

 心して読め!!

 というのではなく、ただ楽しく読むのです。

 

 以下、ネタバレあり!!

 

 

 

 

 

 いやぁ~、柴崎受難の1冊でしたなぁ。

 すさまじい。

 いくら慣れてても、あそこまでされてトラウマ残らんわけないと思うんですが・・・

 でも 『大事な人』 と巡り合えたから、大丈夫なのかしらん。

 末永く、お幸せに。。。 

 

 にしても、水島気持ち悪かったなー。

 途中からコイツじゃね?と思ってましたが、さもありなん。

 怖いねー怖いねー。

 女子寮ったって、安心できないねー。

 

 男女問わない郁の鉄拳制裁には、スカッとしますな。

 

 おや、ところで柴崎が手塚と結婚したってことは、柴崎も寮出て、結局郁と同じ棟に住むのか?

 ずーーーっと、仲良しだねぇ。うしし

 

 

 こんなにハマったシリーズが終わっちゃって寂しいですが、あとはアニメ見てぇ、漫画はちょっと違うから読まないけどぉ、なんか映画化もするみたいだしぃ。

 まだまだ続くよ、図書館祭り!(←もはや別物)

 

 

 

 

 

 

別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)

 

 


別冊図書館戦争 1 <有川 浩>

2011-09-13 10:22:30 | 

 ぐはー、甘い甘い甘い甘い甘い!

 歯が浮くぅ~、砂吐くぅ~、このこのこのこのぅ!!!ニヤニヤ

 

 という感じでございます。

 あとがきでも作者さんが散々注意しれおられましたが、甘々ベタラブコメ一直線です。

 こりゃあ苦手な人は無理だろ。

 でも近年恋愛ものから遠ざかっていた私ですが、楽しく読めちゃいましたよ。

 4巻の本編読んだ後だからかな。

 もう、郁やら堂上やらを好きになっちゃってますからね。

 彼らのその後(というか、結婚までの経緯とか)も気になるし。

 

 そっか、これはまさに別冊なのですな。

 図書隊が好きで、彼らの日々やその後をもう少し知りたい、彼らの世界をもう少し楽しみたい、そういう人向けなんだ。

 だからレビューでこれを批判するのは、もう見当違いなんじゃないのかなー。

 って、野暮な事は言いっこなしですな。

 ただただ、楽しめばヨイのだと思います。

 

 そしてただただ楽しみたい人には、本当に楽しい別冊だなぁ、と。

 ベタ甘すぎるんですが、ね。

 それもまぁいっか、みたいなね。

 

 もう、書く事何もないっすよ、奴ら幸せすぎて。(笑)

 そうだなぁ、初Hでの「ナンデスカコレハ」 には笑った。

 「肉食獣か」 にも笑った。

 

 しかし堂上クンてばいつも仏頂面のくせに、言う事はものすごくキザなんでないかい?

 このこのこのぅ~~~!

 

 堂上と郁の恋愛をずっと追ってた別冊1でしたが、2はまた別のメンバーの話みたいだし。

 こっちも楽しみでございますよ。

 

 

 

 

 

 

 

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)
有川 浩
角川書店

 


図書館革命 <有川 浩>

2011-09-12 09:48:50 | 

 あのぉー、あのネタバレ全開の扉絵は、アレはいいんでしょうか。。。

 そりゃまぁ、そうなると思ってたけどさ。

 

 さてさて、いよいよ最終巻。

 

 相変わらずラブラブしてますが、アクション度高めです。

 怒涛の逃走劇です。

 

 堂上は途中退場、郁大活躍です。

 ホント、よく頑張ったね。

 慣れない運転、慣れない頭脳プレー(笑)

 あれは郁の頭脳プレーというより、堂上班&柴崎がよくやったってとこでしょうな。

 そしてあんだけの情報で、あんなに上手くいくっていうのは、まさにご都合主義!

 万歳ご都合主義!

 正義が勝って、悪い奴はちゃんと報われなくて、正しいものが守られて、それのどこが悪い!!

 

 それにしても大使館に駆け込むだけなのに、こんなにも大変だなんて・・・

 そっか、あいつのリークがあったから。

 どんなに高尚な理想や信念があったとしても、誰かの自由や命と引き換える時点で、それはもう間違いだよねぇ。

 というのはキレイ事?

 でもやっぱり、正しい事は正しい方法で実行されないといけないと思う。

 甘いのか?

 

 

 テンポも良かったし、緊張感もあったし、逃走劇良かったけど。

 1個だけ。

 これだけはちょっと。。。。。

 『本町』 は 『ほんまち』 ですよ。

 ルビが 『ほんちょう』 になってたヨー!

 イケナイよぉ。

 あそこまでリアルに現実の場所を使うなら、ほんまちは間違えちゃダメだよー。

 

 ま、それをしてもなお、グイグイ読めましたけどな。

 

 

 あぁ、それにしても終わってしまったのねぇー。

 久々にハマりにハマったからなぁ。

 どっぷりすぎて、ヤバいくらい。

 寂しいですが、外伝があと2冊ありますので。

 こっちはラブ度がさらに高そうですが、もう少し図書隊の世界を楽しみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)