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エボラ出血熱を巡る動き

2014-11-12 12:11:55 | 医療と介護

エボラ陽性でも指定外機関公表せず


厚労省、疑い例で航空便名など初の公表

m3.com 2014年11月10日(月) 医療維新/池田宏之(m3.com編集部)

 エボラ出血熱の疑いの患者が、11月7日の夜に東京と大阪で2人見つかったが、8日には、ともに国立感染症研究所におけるPCR検査で「陰性」との結果が出た。関西国際空港の検疫で見つかった症例については、厚生労働省と国土交通省の申し合わせにより、航空便名などが公表され、申し合わせによる公表事例の1例目となった(厚生労働省のホームページに掲載)。
 リベリア滞在歴のある男性の事例では、男性が1類感染症の指定医療機関でない東京都町田市の医療機関を受診していたが、医療機関名は公表されなかった。厚労省健康局結核感染症課は、「(無用の混乱を防ぐため、指定医療機関以外の名称公表は、エボラ出血熱が確定した場合でも)必要がなく、今後も公表する予定はない」としている。
 関西国際空港の事例では、20代のギニア国籍の女性で、女性の症状や搭乗便、エボラ患者との接触歴などが7日の夜に公表された。便名の公開に伴い、同乗した乗客からの問い合わせを受け付けた。同省結核感染症課によると、複数件の問い合わせが来たが、感染経路や潜伏期間といった一般的な質問だったといい、8日に「陰性」との結果が出たこともあり、大きな混乱にはならなかった。関西国際空港の事例については、空港の検疫を通じて、厚労省が疑い症例を把握した。
 東京都の男性は10月26日まで、リベリアに滞在し、11月4日に帰国して、11月6日晩に発熱の症状が出た。男性の場合、滞在歴から健康監視の対象となり、毎日2度の検温を実施し、本人から検疫所に連絡していた。ただ、厚労省は、疑い症例が出た場合、医療機関の受診でなく、保健所への連絡を求めていたが、男性は、7日に指定医療機関でない東京都町田市の医療機関を受診。同省結核感染症課は「健康監視対象への適切な指導を強化したい」としている。発熱については、男性から検疫所へ連絡があったという。
 先月末に発覚したエボラ出血熱の疑い事例については、1回目のPCR検査の数日後に、2回目の検査をしたが、今回の2症例については、それぞれ「熱帯性マラリア」と「扁桃腺炎」の診断が出ており、「もともと念のための検査の面が強かった」(同省結核感染症課)ため、2回目の検査は実施しない方針。













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