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10月16日、関西大学(高槻キャンパス)に大阪在住の日中バイリンガル作家劉燕子女史を訪ねた。翻訳やノンフィクション作品の執筆で大変多忙な劉燕子さんを訪ねるには、非常勤で中国語を教えているキャンパスで、昼時間にお邪魔するのが早道だったのである。

劉燕子さんは北京生まれ、湖南省長沙で育ち、1991年に留学生として来日している。大阪市立大学、関西大学でそれぞれ前期博士課程を修了し(教育学、文学)、バイリンガルで著述活動に励むかたわら、中国の民主化を目指して大阪に拠点を置き旺盛な活動を展開している。

日本ではあまり知られていないが、変動する中国にあって開明的な役人や進歩的思想を持った企業家、良識ある学者、それに人民の指導的立場にある人々が、法治の市民社会の形成と中国社会の改革を目指している。人民の権利擁護のため運動している弁護士やジャーナリストたちがいる。劉燕子さんはそういった中国の活動家と連絡を取り、連携して中国社会の状況改善と日本人の理解・支援を得るために懸命に運動している。いわば、日中民間社会の架け橋(対話、交流、連帯、強調のための場、「プラットホーム」)を構築しようとしている。

劉燕子さんの最近の業績としては、2年前にノーベル平和賞受賞が決まった劉暁波(りゅうぎょうは)氏の著作を日本語訳したり、チベットにおける弾圧の状況を翻訳によって日本に紹介したりして、旺盛な執筆活動を続けている。今夏もアメリカに渡り、人権活動家ハリー・ウーに会うなど、忙しく各地に飛び多くの亡命華人に取材している。テキサスでは中国の家庭教会の牧師であった人物と会っている。

彼女を突き動かすものは、理不尽な仕打ちを受けている人々に光を当てて社会に知らせ、改善の道を探ることであり、自由・民主的な社会を実現しようとすることである。また、抑圧された人々を見て知っている証人として、作家活動(そのためノンフィクションに傾いている)を行なっていると言う。

劉女史は、運動を進める上で考えの違う人であっても、門戸を閉じることなく、尊重し訪ねて行ったり、交流する広さを持ち合わせている。それで狭量な人やグループから批判されたり非難されたりするのが悲しいと語った。日本でも同様であるが、この種の活動はともすると横に連携することが難しい。劉さんはネットワークが広く、賛同し、応援する人が多い方であると見ていたが、壁にぶつかることが多いのか、苦悩している。おそらくそのこともあって、3年前にキリスト教に改宗していた。大阪で中国の民主化を希求し、文筆活動を進める劉燕子女史と知り合いになれたことを光栄に思い、非力ながら支援していきたいと望んでいる。

[付記] 私がモルモン教徒であることを告げると、ニューヨークで「私はモルモン」という看板を見た、lds教会に対して尊敬の気持ちを持っている、と語った。

参考
本ブログ 
2012/05/08 中国でキリスト教会が発展する理由
2012/05/05 中国人権問題と日中友好
小生主宰の別のブログ
2012/10/18 劉燕子女史と面談

中国語サイト 刘燕子简介

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