のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

邂逅展に向けて(宇宙龍2)

2017-11-29 | 展覧会

宇宙龍 未完 (S30号)

 

まだ完成とまで行きませんが、あとは少々の手直しと仕上げを残すのみとなりました。

 

 

前回記事

邂逅展に向けて(宇宙龍)

この試作から全面的に描き直し、

特に目を、この龍にとってどうしても必要な眼差しは何かを意識して描きました。

 

前回、モジリアニの目についてのエピソードを紹介しながら、龍の眼差しについて考えてみました。

私に向けられた眼差しは、目の向こうに他者がいるのですね。

それは、他人にみられている自分の姿を意識させるのです。

完全な個室、

たとえばトイレにいるとき、私たちは他者の目を意識しませんね。すると同時に、私たちは今自分がどんな姿をしているか考えもしません。自分に対して無反省にくつろいでいられます。

しかしその場所が人目につく場所だったら、突然私たちは自分の姿を意識しますね。

自分は今どんな格好をしているのか、どんなふうに見られているのか、笑われるのではないかと、自分を反省しはじめるのです。

眼差しにはそんな大きな意味があるのですね。

 

龍からやってくる眼差しはどうあるべきなのか、作家としてのお前はいったい何をそこに求めているのか。その思いなしに既成の目でごまかしている。

これが私の自問自答でした。

 

のしてんてん絵画は、風景画ではない。

それは私の心の中を描いたものなのです。

けれども、安易な龍の目は、風景画に留まっている。

それがこの絵のちぐはぐ感なんだ。

 モジリアニの目を思い出してから、ようやくそのことに思い至ったのです。

 

じっくりとモジリアニの目を見てください。

この目は、どれだけ眺めていても批判的な眼差しはやってこない内観する目です。

 同時代のキスリングの作品と比較しても

  

 その違いは歴然としていますね。

 

黒いまなこを消しました。

しかしめしいた龍ではない、内観しながら眼差しを向けてくる目。

そんな意識で描いたものです。

 

このブログでは、いろいろ書いてのしてんてん(私の心の世界)を発信していますが、言葉では何とも言える感がいつも付きまとっています。

その意味で、絵はそのまま今の私を表してくれます。

作家として信じる唯一のことですね。

成功も失敗も、謙虚も思い上がりも、すべてこの一枚に現れていて、

それを人前にさらす勇気が作家というものなのでしょう^ね^

感想を頂けたら幸いです。

 ---------------------------------------------------

 

 

 

 

 お正月というとんでもない会期で行う邂逅展ですが、奈良まちにある大きな画廊です。一つの展示室に11人の作家が、思い思いに自分の個展を同時開催する。そんな新しい試みでもあります。

私は龍の成長過程をそのまま展示いたします。

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20 コメント

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雑談に来ました (むっちゃん)
2017-11-29 11:41:15
どーも、マスター。
ミッションへのお返事、遅れてしまいました、失礼しました。
今度の金曜日辺り、時間が取れそうなので図書館へ行ってきます。
いもとようこの絵は知らなくもないです、多分。
子供が赤ちゃんの時にもらった絵本の挿し絵を描いてた方だと思います、うろ覚えですが。
ほのぼのとした可愛らしいタッチの絵で、確かに私の好みのタイプの画風かもしれません。
ちゃんと手にとって確認してきます。

『宇宙龍』の方向性が定まったようで、おめでとうございます。
黒い点のマナコがあるよりない方が、確かに神秘的と言いますか、受け手に自由がある印象を受けました。
ただ、それが内観するまなざしなのかどうかまでは、私にはよくわかりませんでした。
実物を見せていただいたら、また違うのかもしれませんけど。

単に私が未熟だから理解出来ないのかもしれません。

前回の、宝珠をつかもうとしている龍の絵は、光に指向性がある後に描かれた絵の方が断然良い、と、私は1個人として思いました。
でも今回はよくわかりません。
モジリアニの目の深さもピンとこないので、精神的にガキだからわからないのかもしれません。

ただ、マスターにせよモジリアニにせよ、作者がそう描きたかったから描いたのだろう、とは思います。
作者がピンとくるように描く(広い意味で)しかない、それが創作という世界でしょうから。


以下はホント雑談、ただ多少はリンクしているかも?なので書きます。

私は個人的に、ライトノベル中心のとあるWebマガジンを読んでいますが、その中の一人の作家さんの作品に、どうしても違和感と気持ち悪さを感じ、ここのところモヤモヤしています。
何冊も本を出している、幾つかシリーズ物も持っている、中堅からベテランになりつつあるプロの作家さんなのに、Webマガジン上に連載されていた中編小説のまとまりがなんともしっくりこないのです。どうにもシロートくさい。

ぶっ飛んだキャラクターの登場人物が沢山出てきて活躍?するお話なのですが、彼等彼女等が漫然と出て来て漫然と好き勝手に語り、アレアレと思っているうちにどっか行ってしまう、という印象の作品なのです。
少なくとも私はそういう印象を受けました。
ここのサイトが催している公募にもし、この作品が応募されていたとしたら。
最終候補にさえ残らないのでは?とすら、失礼ながら思いました。

まあ、それがあえての作者の狙い、なのかもしれませんけれど。

作品のテーマは『ヒトというのはそもそもわかり合えない。バベルの塔が神の怒りに触れ、互いが同じ言葉を話せなくなる罰を受ける前から、たとえ同じ言葉を話していても、わかり合えないのでは?だからこそ自分で考え、自分で立ち、自分の行動に責任を持って生きろ。相手がわからない、そして相手が自分をわかってくれなかったとしても、自分がしっかり立っていれば相手を尊重して共に生きられる』というところだろうな、と感じました。
そこはわかるのですが……そこへ至るプロセスが。
現実(というには、あまりにもキャラクター達がぶっ飛んでるのですが)を漫然と描写した、という感じで、誰に心を寄せて読んだらいいのか戸惑う、という感じで、読者が置いてきぼりになるのです。
正直、途中から読むのが苦痛になりました。
そこのWebマガジンには新人の作家さんの作品も幾つかありますけど、そんな変な違和感を感じる作品は新人作家さんの作品にもありません。

『読むのが苦痛』になる話ばっかり書いてるお前が、他人の作品とやかく言うな、ですが(苦笑)。

書きたい世界観やテーマは面白いのに、お話としては面白くない。

私自身の袋小路をそこに感じ、モヤモヤしているのかもしれません。
返信する
☆宇宙龍太陽フレアの雄叫び☆ (真鹿子(まかこ))
2017-11-29 15:37:27
のしてんてん様
ありがとうございま^す^
しなやかに躍進なさいましたね☆

のしてんてん画伯限定!
この摩訶不思議奇跡宇宙で
のしてんてんさんしか表現できない
のしてんてん絵画☆
のしてんてん画伯の独自性が
際立ってきたように感じられます♪

のしてんてん宇宙龍の眼球の変化に依って、
宇宙龍のリアル度が強化され
絵画全体がより深遠になりました。

またのしてんてん宇宙龍の眼球宇宙は
宇宙円相ミクロからマクロに至るまで
限りなく視野に入れ、
今まさに宇宙未知領域革新に挑もうとしている
意気込みが感じられます☆♪

まかこ眼球サイボーグレンズを通しての
感想ですけれど (=^ェ^=);;

のしてんてん宇宙龍の息吹音、
龍鱗の擦れる音
重厚なるうねり音渦巻き音
太陽フレアの雄叫びも聴こえます♪
ますますのご活躍お祈りいたしますね☆

今日はこちらは雨模様ですが、雨もまた善し
午後からも素敵な時をお過ごしくださいませ☆

いつものしてんてん熱気!
ありがとうございます。

感謝一念

まかこ 拝
返信する
むっちゃん様 (のしてんてん)
2017-11-30 08:06:17
私の感じたことなのですが、
もし魅かれるものが見つかったら儲けものです^よ^

気負わず絵を楽しんでみてください。
それと、ついでですから、他の絵本も手に取ってみたら、案外心惹かれる絵が見つかるかもしれませんよ。

絵にしろ文学にしろ、音楽もしかりですが、作り手と、受け取る側には橋のない川が流れているのですね。

その川をいかに渡るかなんですけれど、その方法はただ一つ、自分の側に大きな杭を打ち込むことです。

ですから、

単に私が未熟だから理解出来ないのかもしれません。
精神的にガキだからわからないのかもしれません。

は頂けませんね。

むっちゃんにとって、あなたの感性がすべてです。そこに杭を打ってください。

自分の感じるものを信じなければ、橋のない川は渡れません^よ^

他人の作品を読むにしても、同じことですね。

対岸の夢幻に杭を打っても役にたちません。そう感じている己の心に向かって深く深く杭を打ちましょう。
返信する
まかこ様 (のしてんてん)
2017-11-30 08:16:30
おほめ頂きましてありがとうございます。

惰性で描くというこということが作品を小さくさせているということは分かっているのですが、それが自分で気づけないのですね。

時間がかかります。

けれど毎日の今を眺めていれば少しずつでも進んでいける気がしています。

これからもがんばりますね。

いつもありがとうございま^す^

返信する
雑談に来ました 2 (むっちゃん)
2017-11-30 09:17:32
どーも。再びお邪魔します。

今回の絵の感想、小学校低学年レベルの言葉で表現?するなら『キライ』です。
ピンとこない、グッとこない。

描き手さんがそう描きたい、ギリギリの表現として選んだのがそれ、なのだろうとは感じられます。
それ自体を否定する感情はわいてきません。
でも、そこに深い感性を見出だす人もいれば、よーわからん人もいるでしょう。
そして私は『よーわからん』人のようです。成長の過程?であり、十年後にはピンとくるのかもしれませんけど。

でも、わかる(感性を持った)人が見たら、たった今ピンとくるしグッとくるんだろうなと思いました。
ということはモンダイは受け手側かな?と思いましたので、なーんか歯に衣着せたコメントになり、失礼しました。

感想なんだから、最初から単純にそう言えば良かったのでしょうね(笑)。
私は今現在、宝珠をつかもうとしている龍の絵の方が好きです。
グッときます(^o^)。
返信する
むっちゃん様 (のしてんてん)
2017-11-30 17:10:02
正直な感想ありがとうございました。

ピンとこなかったのは残念ですが、考えさせられる点もありますね。

精進いたしますので、次をご期待下さい。

わたし的には、この絵でようやく入り口にたてた感じがしています。

いよいよ龍が、のしてんてん絵画の世界に違和感なく入って来てくれる気がしています。

会期までには、小品を数枚挑戦します。



返信する
オー、楽しみです✨ (むっちゃん)
2017-11-30 22:07:19
ますますの進化、無責任な一観客として楽しみです🎵

『ナウイズムの人』がそうであったように、『宇宙龍』も生で見ないと真価はわからないだろうな、と思いますけど。

小学生低学年むっちゃんとしては、えー、なんかピンとこなーい、キライかも~です。

焦点がぼやけている印象が。
モヤモヤを感じた、とある作家さんの小説にも似て。

悪い、とか、駄目、なのではない。
どこに心を寄せて良いのか戸惑う、そんな感じです。

もちろん、私の個人的感想です。
返信する
了解です (のしてんてん)
2017-11-30 23:09:05
しっかりと心に留めておきます。

ただ真摯にやっていくしかありませんが、
長くやっていれば
むっちゃんの心にピンと来る作品も出来るかもしれません。

頑張りますね。
返信する
宇宙龍2 感想 (Unknown)
2017-12-01 17:43:03
亡くなった祖母の家の二階に同じモディリアー二の絵が飾ってありました。
幼い頃から小学校低学年ぐらいまで、一人で二階に上がることに薄気味悪さを感じていた理由がやっと理解できました。
描かれた婦人の絵が飾ってあったのではなく、絵になった婦人が飾られていたということにようやく気づきました。
返信する
Unknown様 (のしてんてん)
2017-12-01 20:12:50
子供にはあの目は不気味で怖いと思いますね。

私自身、はじめて見たのが高校時代だったのですが、薄気味悪さを感じたのを覚えています。

異質ですよね。

描かれた婦人と
絵になった婦人、

そんなふうに考えたことはありませんでしたが、内観する目には生々しさがあるのですかね。

見たままの絵ではなく、絵を通して心動かされると言いましょうか。

それが様々な妄想を生んで不気味感となる。

なんとなく分かるような気がします。

モジリアニの目ですが
慣れれば、とても優しい目に見えてくるのですけれど^ね^
返信する

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