(猫型宇宙探査船スケール号:目に艦長たちのいる操縦席がある。この連載のトップを飾ります。)
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第四話 スケールの世界探査旅行
一、スケールの世界
スケール号はのしてんてん博士が造った猫型の宇宙 . . . 本文を読む
「神ひと。」博士が得意そうに言った。
「神ひと?」
「神ひとって何ですか、博士。」
「そんなもの、聞いたことないだス。」
「博士、それって、ずるじゃないですか。」艦長も抗議した。
「神ひとなんて、だれも知らないでヤすよ。ほんとうにそんなものあるんでヤすか。」
「知りたいかね。」
「知りたいでヤす。」
「知りたいだス。」
「知りたいです。 . . . 本文を読む
二、大きな世界へレッツゴー!
スケール号はあっと言う間に地球の外に飛び出した。青く輝く地球が今にも壊れそうな程に繊細な大気に包まれて、暗い宇宙空間に浮かんでいる。
「博士、地球から見る空は明るいのに、どうして宇宙に出るとこんなに暗いのだスか。」ぐうすかが不思議そうに聞いた。
「宇宙は真空だからだよ。そこには物が何にもないんだ。だから太陽の光がやって来ても、 . . . 本文を読む
「どうした。理由もなく神ひと様をさぐろうとするのか。我らの伝説を汚す者は許してはおけぬ。」太陽の炎がごうごうと燃え立った。
「待ってくれおひさま。理由はあるのです。」博士が代わりに言った。
「何のために、神ひと様を求めるのだ。」
「私達は地球からやって来ました。」
「なに、地球は大切な我が子だ。そこからやって来たと言うのか。」
「はい、地球にはたくさんの生 . . . 本文を読む
三、長老シリウス
スケール号は、長老シリウスにむかってワープした。
ワープと言うのは宇宙空間を瞬間移動する事なのだが、そのとき、空に浮かんでいる星がいっせいにスケール号の前に集まって来るように見える。星が集まって出来た光の中にスケール号が突っ込んで行く。するとその瞬間に、集まった光が再び空に散らばり、スケール号は目的の星に着いているのだ。
長老シリウ . . . 本文を読む
「これはだめですよ艦長。」ぴょんたが言った。
「どうします博士。」艦長が博士にふった。
「どうしよう。」博士がみなに返した。
みんなの目がぐうすかに集まったときだった。
「ゴロゴロニャーン!」スケール号が大きな声で鳴いた。
スケール号がオレンジ色に輝き始めたのだ。
「どうしたんだ、スケール号。」艦長があわてて聞いた。
「ゴロニャオーン!! . . . 本文を読む
四、命のおわりに
スケール号は暗い宇宙空間を一直線に飛んでいる。それはまるで定規を当てて線を引くような正確さで星と星の間を移動しているのだ。
スケール号は光速で飛んでいた。
横からスケール号を見ているものがあったとしても、光が一瞬前を横切ったと言うぐらいしか分からなかっただろう。と言うのも、光は一秒間に地球を7回り半も走ることが出来るんだ。一緒に走 . . . 本文を読む
「よし、みんな、探査レーザーから目を離すな、何か変わったものがあったらすぐに報告するんだ。」艦長が元気一杯に命令した。
「アイアイサー!」
「アイアイサーでヤす!」
スケール号は順調に飛び続けた。
「艦長!斜め前方に何か巨大なものを発見!」ぴょんたが叫び声で報告した。
「何か分かるか。」
「多分、星だと思いますが、形がおかしいです。」
「よし、スケール . . . 本文を読む
五、チュウスケの復讐
パルサー星の背後に巨大な黒い影があった。注意深く見れば、パルサ星の向こうに広がっている星空が、奇妙な形に切り抜かれたように見えているのに気づいたはずだ。
その影の部分だけ、まさに星空を切り抜いたように真っ黒な形を作り出しているのだ。そしてその形は、巨大なネズミの輪郭を描いていた。その黒い影はチュウスケだった。
「今に見ていろチ . . . 本文を読む
スケール号は上に飛んでそのまま後ろにさがった。パルサーの剣のために、前に飛べないのだ。するとまたしても渦巻攻撃がスケール号を襲って来た。それを避けようとスケール号が後ろに跳んだ時、スケール号の船体がぐらりと傾いた。ついにスケール号はブラックホールの引力に捕まってしまったのだ。
スケール号はまるで洗濯機の中にほうり込まれたように、ぐるぐるとブラックホールの不気味な穴の周りを回り始め . . . 本文を読む