新田次郎原作、橋本忍脚本の映画『八甲田山』
冒頭部で、青森・弘前の連隊に第八師団参謀長(大滝秀治)が提案する。
「・・・・・・・・寒地装備の訓練、同時に万一の場合の交通路確保・・
・・以上の二つを作戦目的とし、中隊もしくは小隊編成で、この八甲田山を踏破し・・・・
寒さとはなにか、雪とは一体なになのか・・・・その真実の姿を提示してほしい」
と
その結果、青森第五連隊は総勢210名中199名が亡くなった。
ところで、
10年間(2000年~2009年)の自然災害による死者・行方不明者
の数は1,174名でその4割の438名が雪害によるものとされる(消防庁)。
雪のこわさは今も変わらない。
重機で八甲田の国道を除雪することとなって久しい。
笠松峠付近。3月末に開通する。
硫黄岳を望む回廊。
八甲田除雪隊の歌
檄 寺阪 勝
「仰ぎ見る八甲田の霊峰。皚々たる白雪!」
「時、将に啓蟄を出んとする日、吾ら集いて今より春雪に挑まんとす。
風吹かば吹け。雪降らば降れ。吾らは栄えある八甲田除雪隊の名の下、
渾身の力を揮いて、十和田湖への道を拓かん。友よ、友よ、胸を張れ。
友よ、友よ、肩を組め。いざ、歌わん哉、吾らが歌を。いざ、讃えん哉。
八甲田除雪隊の歌を!――ソレーッ!」
作詞 竹内 博
作曲 鶴谷 ミツ
1 春の息吹に萌えろよ緑 別れ惜しむな妙見に
横内の里あとにして 今ぞ挑まん八甲田
2 雲谷より眺むる青森湾に 汽笛もかすむ連絡船
岩木に無事を祈りつつ 雪降りやまぬ展望台
3 萱野の空に月影寒く 明日は難所の七曲り
丈余の雪も何のその 今こそ腕の見せどころ
4 春の吹雪に行く手阻まれ 凍てつく機械いたわりつ
寒水沢から城ヶ倉 悪戦苦闘の除雪隊
5 仙人ゆかりの女中坂だよ 友よあれが酸ヶ湯沢
明日への英気を湯煙に 星空高き 地獄沼
6 大岳 石倉朝日に映えて 睡蓮沼のその先は
雪、雪、雪の魔の峠 負けてなるかと雪男
7 南部平野を眼下におろし 猿倉見えれば一息と
油にまみれた顔と顔 雪焼け面の吾が友よ
8 百戦錬磨のつわものどもが 熱と意気と誇り持ち
十和田の春を呼び起こす ああ、八甲田除雪隊
ああ、八甲田除雪隊
東八甲田ルート。谷地付近。南八甲田乗鞍岳を望む。
この田代平を通るルートはいまや周年通行できる。
明治の雪中行軍の企ては、現代、重機の力で実現している・・・・・・・
反面・・・・
雪に対して、重機が挑んでいる。
が・・
エネルギーは泡と化し、時に人力が機械の奴隷となって喘ぐ場面が・・・・・・
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