7/18 郷土館の自然観察会に参加した。
場所は、小渡平公園。
熱中症警戒アラートの出ている中、
木陰の道を歩き、
虫や植物や地質について学んだ。
天然芝は きっと 古の“南部九牧”の一つ「又重の牧」のなごりか
倉石村は、2004年に五戸町に編入
この種の指定は、県内ではほかに、夜越山、大高山、玉松台、愛宕山(むつ)、
僧ヶ森(七戸)など10地域ある
台地部の芝地はグランドゴルフ場
台地部から谷へ階段状の道を降りる
谷へ降りると、かつての水田が、遊水エリアとなっている
両側は崖で、その下は水路となっている
遊水エリアは湿地も含めてビオトープとなっている
シオカラトンボが行き来する カワセミもいると・・・
観察会の資料より
高木 サワグルミか
その樹を仰ぐ
クマヤナギ
クマヤナギ 二年がかりの実
マタタビ 葉が白くなる
クズ
ミズキ 大きい
コウライテンナンショウ
地質の部門では・・・・・・
水路に接しているのが「斗川層」 その上方に十和田カルデラの火砕流堆積物
斗川層
【解説】
● 硬く 粘土と砂の間のクレンザー様シルト
● 三戸地域に広く分布する
● 浅い海の底に堆積したシルトで、貝化石やクジラの化石が見つかる
● 火山灰をはさむ
● ホタテ貝の化石で、「ケンヨシホタテ」が出る
このホタテ貝は大形で重厚なものだが、殻を重厚にし過ぎて絶滅したと・・・・
● 海底が隆起してきたために化石となった
● 層が挟んでいる火山灰の分析から、500~200万年前にできたとされる
● 上部にある火砕流等の基盤となっている
● 東から西へ傾斜している
十和田八戸火砕流堆積物
【解説】
● ガサガサの層 白っぽいポツポツは軽石
● 黒っぽいのは、横倒しされた樹木が火砕流の熱で、蒸し焼きにされたもの
● 堆積の厚さは5~6m
● 給源は十和田カルデラの大噴火
● この下に斗川層がある
● 火砕流によって、台地状になり、それが川に削られ、谷ができ、両側は崖となった
● 炭化木は針葉樹
● それを調べると15,500年前のもの
● 十和田カルデラは3回の大きな火砕流により外側の地形ができたが、その3回目の火砕流がここのもの
● 炭化木は、カラマツ、トウヒ、モミの仲間で亜寒帯気候の樹木であり、15,500年前というのは氷河時代が暖かくなりかけた頃に当たる
● 縄文時代の大平山元遺跡の頃のことであり、人が住んでいたかもしれない
● この火砕流は熱を持ちながら一気に太平洋まで及んだので、その地の旧石器人は被災したと考えられる
● 火砕流の上は黒土となっているが、そこは縄文時代に当たる
● ここに、十和田火山の「中ノ湖噴火」による軽石を挟んでいる
● それは、9,200年前の「南部軽石」、6,100年前の「中掫ちゅうせり火山灰」であり、縄文遺跡の時代判定用の目安となっている
同上 黒は炭化木
● 縦のスジは、火砕流のガス抜きパイプだったと・・・・
● そこにラハール(火山泥流)が入り込んでいる
十和田八戸火砕流堆積物の中の炭化木
十和田八戸火砕流堆積物
● この下に「十和田大不動火砕流堆積物」があるとみられる
● 青森市野沢に類似の堆積物(大不動火砕流堆積物)がある・・・・
【参考資料】
現在の地質総括表
十和田地域の地質 工藤 崇 平成17年 産業技術総合研究所 より
青森県立郷土館資料
産業技術総合研究所シームレス地質図 五戸町付近
゜平野堆積物 みずいろ
゜段丘堆積物 うすみどり
゜新第三紀鮮新世海成砂岩 おうどいろ
゜第四紀完新世風成火山灰 うすむらさき
゜第四紀デイサイト流紋岩大規模火砕流 あか
実物の地層に出会うと、そこが ウインドウ“小窓”となって興味深々となるのだ・・・・・