数年前の初冬 岩壁のホームグラウンド原別漁港で
イシガレイねらいで釣りをしていたときのこと
カモとは少し違うような水禽がいることに気が付き
カメラにおさめて 調べてみると
コクガンという国の天然記念物で
絶滅危惧種にもなっているようで
その後は 毎年気を付けて観察している
シベリアで繁殖し 冬鳥として陸奥湾にも渡来し越冬する
波けしの内側 小河川が流れ込む浦で餌をあさる
同上
同上
同 グルルルー グルルー と声をかわしつつ食事する
グルルルー グルルーとまるで井戸端会議
同上
同上
同上
頭だけを沈めて 何かをついばんでいる
岸の堤防の後ろから身をかがめて観察する
同上
同上
海草をくわえている
ついばんでいるのはアマモで 葉の切れ端は波打ち際にも寄せられている
毎日のようにアマモの餌場に来るが
夜間はどこにいるのだろう・・・・?
採餌も移動もすべて集団行動
雁の姿をみると
「ニルスの不思議な旅」が想われる
作家の スウェーデンのセルマ・ラーゲルレーブ女史が
ノーベル文学賞を受賞していることを最近知った
【参考①】
コクガンについて(wekipediaより)
コクガン (黒雁、Branta bernicla) カモ目 カモ科 コクガン属
分布
ネズミガン シベリア西部などで繁殖し、ヨーロッパ、イギリスへ渡り越冬
シロハラネズミガン カナダ東部、グリーンランドで繁殖し、冬季北アメリカ大陸東部、イギリスへ南下し越冬
クロネズミガン カナダ西部、シベリア極東部、アラスカ州で繁殖し、冬季北アメリカ大陸西部へ南下し越冬
コクガン シベリア東部で繁殖し、朝鮮半島南部、日本(主に東北地方以北)、渤海沿岸部へ南下し越冬
形態
全長55-66㎝。翼開張115-125㎝。尾羽はやや短い。頭部から頸部、胸部の羽衣は黒い。頸部に白い首輪状の斑紋が入り、斑紋内に黒い斑紋がある。体上面の羽衣は羽毛の外縁(羽縁)が淡色の黒褐色。全体的に羽衣が黒いことが和名の由来になっている。体側面には白と淡黒褐色の縞模様が入る。下腹部や尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)は白い。
嘴や後肢は黒い。
幼鳥は頸部の白色斑がないか不明瞭で、雨覆の羽縁が白い。
- B. b. bernicla ネズミガン 腹部が暗色。
- B. b. hrota シロハラネズミガン 腹部が白い。
- B. b. nigricans クロネズミガン 体側面の淡色部が不明瞭。
- B. b. orientalis コクガン 色味が濃く、体側面の淡色部が明瞭。
生態
繁殖地ではツンドラ、越冬地では内湾や海岸、河口、干潟、沿岸部の湖沼などに生息する。非繁殖期は群れで生活する。
食性は植物食傾向の強い雑食で、海草(アマモなど)や海藻を食べる。海底の海草や海藻は逆立ちして頭だけ潜水しながら食べる。
繁殖形態は卵生。6月に1-7個(平均4個)の卵を産む。抱卵期間は22-25日。雛は孵化してから40-50日で飛翔できるようになる。
人間との関係
生息地の軍事利用、乱獲などにより生息数が減少している。日本では1971年に国の天然記念物に指定されている。
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
【参考②】
アマモについて(wekipediaより)
アマモは、北半球の温帯から亜寒帯にかけての水深1-数mの沿岸砂泥地に自生する海草の一種。日本でも各地に分布する。雌雄同株で多年生の顕花植物であり海中に生える種子植物である。
名の由来
和名は、地下茎を噛むとほのかに甘いことに由来するが、「海藻(あまも)」に通じるとの説もある。
岸辺に打ち上げられた葉の様子から、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)という別名をもつが、これは最も長い植物名として知られる。ただし実際に使用されることはほとんどない。
特徴
イネ科と同じ単子葉類の草本であり、節のある長い地下茎とヒゲ状の根、イネに似た細長い葉をもつ。葉は緑色で、先端はわずかに尖り、5-7本の葉脈が先端から根元まで平行に走る。葉は長さ20-100cm、幅3-5mm。
多くの器官が退化して雌しべ・雄しべのみとなった小さな白い花を咲かせ、結実して米粒大の黒い種子を作る。種子は発芽に際して一定時間淡水にさらされる必要があることが知られており、自然条件では河口から流れ込む淡水などがアマモ種子の発芽に必要な淡水を供給している可能性があるとされる。また、種子以外に地下茎の分枝・伸長によっても増える。
アマモの生育には水質や砂泥質の底質が清浄であること、人工構造物によって海岸線や浅海域がかく乱されていないことなどが必要なため、海岸の指標生物ともされる。
アマモ場
アマモは沿岸砂泥域における主要な一次生産者である。遠浅の砂泥海底に「アマモ場(ば)」あるいは「藻場(もば)」と呼ばれる大群落を作る。アマモ場は潮流を和らげ、外敵からの隠れ場ともなるため、魚類や頭足類の産卵場所、または幼稚魚や小型動物の生息場所となる。また、富栄養化のもととなる窒素やリンを吸収し、水質浄化の面でも重要な役割を果たしている可能性がある。
アマモのバイオマスを直接消費する動物はジュゴンやハクチョウなど限られているが、アマモの葉はその生育期間に次々に更新し、大量の枯死した葉が生じる。この枯死したアマモの葉は、微生物によって分解し、デトリタスと呼ばれる様々な微生物が繁殖した有機物片となる。このデトリタスが貝類や甲殻類のような様々な底生動物の餌となり、これらの底生動物は魚類などの餌となる。
人とのかかわり
先述のようにアマモ場は海岸の多くの生物にとって重要な生活環境だが、人間の経済活動による沿岸域の埋め立て、護岸工事、水質汚濁等で減少している地域が少なくない。アマモ場の減少は、海洋環境の悪化の結果であるとともに、その減少がさらなる環境悪化の大きな一因ともなり、漁業資源の減少にもつながる可能性が指摘される。
そのため、アマモ場の復元を目指す試験や運動が全国的に行われつつある。ただし、本来アマモの個体群は海域ごとにその場の環境に適応して独自に進化した系統に分かれており、またその系統の遺伝的特性に合わせて進化した個体群からなる地域生物群集が形成されていると考えられる。このため、安易に他海域の系統を移植することでアマモ場の復元を行った場合、どのような影響をその海域の生態系にもたらすかは未知数である。このことから、復元を目指す海域以外からもたらされた株によるアマモ場復元に対する警鐘が研究者から出されている。
また、復元事業が盛んになる一方で、アマモ場自体、あるいは周辺の環境も含めたそれの生態系における機能についての基礎研究は十分とは言えない[2]。
藻塩草
アマモは古くからもしおぐさ(藻塩草)とも呼ばれたが、この語は海藻・海草類を焼いて塩をつくるために使われる海藻・海草一般を指したもので、アマモのほか、ホンダワラなどを含む。
万葉集以来、和歌には藻塩焼きのうらさびしい情景がしばしば詠まれる。藻塩草は単に「藻(も)」として詠まれることもある。
来ぬ人を まつ帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ 藤原定家