陸奥のパワースポット

みちのく青森の、自然や神様など、こころ洗われ元気がでる場所を巡る。

アオモリトドマツ ( 八甲田山 ) Ⅵ ・・・ しのぎ合う・・・

2015-05-27 16:37:29 | 旅行

 寒かった最終氷期は一万年前に終わり、

温暖期・ヒプシサーマル期 ( 6,000年前がピーク ) ヘ移行し、

気温は今より2~4℃高く、海面も今より数メートル

高く、「縄文海進」となった。また一方暖流に伴う 多雪の時代となった。

この時 、植生の垂直分布は、今より300~400m高い位置にあったと

推定されているという。

とすると、酸ヶ湯の辺りのブナも、400m高い田茂萢岳の頂上に生育

していたのでは・・・・・・・・・・?

 その後、ふたたび寒くなって、現在に至るが、

ブナは寒さに耐えられず山を下りてくる。

そのスペースに、どこかに隠れていた寒さに強いアオモリトドマツ(オオシラビソ)が進出し、

山頂を目指しはじめたのが3,000年前だという。

八甲田山のすがたを、下山する植物、登山する植物たちが、

しのぎ合っている景観だと見れば・・・・・・・・・・

 

 

荒川上流 南八甲田の逆川岳~駒ヶ嶺方面を望む

 

 

東北大植物園

睡蓮沼から南八甲田方面を望む

 

 

睡蓮沼から南八甲田方面を望む

 

笠松峠近辺

 

猿倉から 猿倉岳を望む

 

猿倉付近

 

 

地獄峠から猿倉岳を望む

 

南八甲田地獄峠付近

 

駒ヶ嶺下から乗鞍岳を望む

 

 

睡蓮沼から高田大岳を望む

 

睡蓮沼から高田大岳を望む

 

 

笠松峠付近から石倉岳を望む

 

石倉岳下

 

田茂萢岳から大岳を望む

 

田茂萢岳山頂付近

 

赤倉岳山腹方面から田茂萢岳を望む

 

下毛無岱から上毛無岱への斜面を望む

 

下毛無岱の下から井戸岳を望む

 

田代平側から井戸岳を望む

 

田代平側から大岳を遠望

 

八幡平 源太森~黒谷地

 八幡平 黒谷地付近

 

猿倉~谷地

 

 つがる市出来島海岸の埋没林は、

最終氷期中の28,000年前のもので、

カラマツ属、トウヒ属(エゾマツ、アカエゾマツ、トウヒ)などが主体とされる。

当時は平地も亜寒帯針葉樹林だったようだ。

アオモリトドマツがその中にあったのか・・・・・・?

・・・その後 温暖化し次に寒冷化し今に至る・・・・・・

 

岩木山には亜高山帯針葉樹林は見られない

その他日本海側の多雪山地でもそれが見られず

ブナ林から上が高山の様相となる『偽高山帯』と呼ばれるようだ。

八甲田山や八幡平でアオモリトドマツ(オオシラビソ)が

亜高山帯針葉樹林としておおいに発展しているわけは・・・・・・?

寒さも暑さもしのぐちからを備えているためであろうか・・・・・?

 


アオモリトドマツ ( 八甲田山 ) Ⅴ ・・・ その香り・・・

2015-05-21 06:20:18 | 旅行

トドマツの八月の樹葉に含まれる精油の量は

8ml/100gで針葉樹の中でも抜きんでて多いという。

アオモリトドマツもトドマツ、モミと同じ

モミ属(Abies)なので この含量が多い。

この精油が揮発して

樹林・樹下の香りをもたらしている。

 

八甲田ロープウェーで山頂駅付近を散策すると・・・

 

田茂萢岳の遊歩道

 

 田茂萢岳の遊歩道

 

田茂萢岳の遊歩道

 

田茂萢岳の遊歩道

 

田茂萢岳の遊歩道

 

睡蓮沼の広い木道で・・・・・

睡蓮沼

 

睡蓮沼

 

睡蓮沼

 

睡蓮沼

 

睡蓮沼

 

猿倉から歩いて

 

 

 

 

鮭の回帰は香りによるとされる。

アオモリトドマツの香りは元気への回帰をもたらすのだ。

 


アオモリトドマツ ( 八甲田山 ) Ⅳ  ・・・ 湿原とのかかわり・・・

2015-05-19 15:15:18 | 旅行

 湿原、山容、アオモリトドマツの三者で、

八甲田山の絶景がつくられている。

寒さ・雪とアオモリトドマツの関係は密接だが、

湿原・雪田との関わりはどうだろう?

アオモリトドマツの発展がここ三千年と

言われるなかで、湿原の年齢は八千年と

はるかに古いようだ。

いま湿原をながめると、その周囲に接し、あるいは

飛び地状にアオモリトドマツが生育しており、

この樹が湿潤を好み、またよく耐えて、

仲良く暮らしているかに見えてくる。

 

睡蓮沼湿原

 

 

睡蓮沼湿原

 

睡蓮沼湿原

 

高田谷地

 

赤倉岳から田茂萢湿原を望む

 

田茂萢湿原

 

赤倉岳から上・下両毛無岱湿原を望む

 

 

田茂萢岳から上毛無岱を望む

 

 

上毛無岱

 

上毛無岱

 

 

下毛無岱を望む

 

 

下毛無岱を望む

 

下毛無岱

 

田茂萢岳から中腹の湿原らしきものを遠望

 

 

 これは 八幡平の湿原

 

最終氷期にアオモリトドマツがどこに隠れていたのかは

よく判っていないという。

湿原は隠れ家にならないか?

 

湿原中の飛び地樹林は、湿原の乾燥化によるとする説もある。

各々の湿原やアオモリトドマツ林は、

発展途上なのか?衰退途上なのか?

 

 


アオモリトドマツ ( 八甲田山 ) Ⅲ  ・・・ 氷雪をまとう・・・

2015-05-18 08:40:56 | 旅行

 亜高山帯に分布の中心をもつシラビソ、オオシラビソ、コメツガ、トウヒ

等の針葉樹のなかで、オオシラビソは比較的耐凍度の低い樹種とされている。

それでも、積雪による保温効果、特に樹氷の形成によって冬季の低温と乾燥から

保護され、また開芽時期を遅らせることによって晩霜害を避け、これらによって

耐寒性のあまり高くないことをカバーしていると考えられているようだ。

 

 

 

田茂萢岳のロープウェーから見られる

アオモリトドマツ(オオシラビソ)の冬のすがたは・・・・・

 

田茂萢岳中腹と前岳

 

 

田茂萢岳中腹

 

 

田茂萢岳山頂付近   奥の山は南八甲田横岳

 

 

田茂萢岳山頂付近   奥の山(左)は南八甲田櫛ヶ峰

 

 

田茂萢岳山頂付近

 

氷雪をまとったアオモリトドマツ

 

 

 

 

田茂萢岳から大岳、井戸岳、赤倉岳を望む

 

 

笠松峠付近から南八甲田を望む

 

東北大学植物園正門前のアオモリトドマツ

下部の枝は雪圧でへし曲げられている

 

 

Sakai(1983)によると、南北両半球の針葉樹300種について

冬芽の耐凍性を調べた結果、芽がマイナス50℃以下の凍結に

耐えることができる種は、マツ科のマツ属(Pinus)、トウヒ属(Picea)、

カラマツ属(Larix)、モミ属(Abies)の4属19種だったとしている。

 

日本に生育しているこれらマツ科針葉樹は

(Pinus)ーハイマツ、チョウセンマツ、ゴヨウマツ

(Picea)ーアカエゾマツ、エゾマツ、トウヒ

(Larix)ーカラマツ

(Abies)ーシラビソ、オオシラビソ(アオモリトドマツ)、トドマツ

 

等で、これに(Tsuga)ーコメツガ  も加わる

 

 

 

 

 

 

 


アオモリトドマツ ( 八甲田山 ) Ⅱ  ・・・ 吹雪の吹きだまり ・・・

2015-05-17 12:07:55 | 旅行

アオモリトドマツ (オオシラビソ)は

寒さや雪に耐え 亜高山帯針葉樹林をつくるが

吹き溜まりなどの深すぎる雪には耐えられない

樹氷をまとって立っているが

雪の圧力の下で這いつくばり匍匐するというしなやかさは持っていない

そこに耐えているのはチシマザサ、ミヤマナラ、ミネカエデ等であり

雪田の群落だ

アオモリトドマツは南東斜面の吹き溜まりを敬遠しているようだ

 

 

 

小岳(右)、大岳(左)の南東斜面の雪  睡蓮沼より

 

小岳  睡蓮沼より

石倉岳(左)、硫黄岳(右)の南東斜面の雪   睡蓮沼付近より

 

石倉岳   笠松峠付近より

 

 

大岳の南東斜面    猿倉ー谷地間より

 

大岳の南東斜面   田代平より

 

大岳の南東斜面   田代平より

 

 

高田大岳の東斜面   田代平より

 

高田大岳の南斜面   谷地より

 

南八甲田乗鞍岳の南東斜面   谷地付近より

 

南八甲田 吹き溜まり    睡蓮沼付近より

 

前岳(右)の東斜面   馬立場(後藤伍長)から見る 雪形“タネマキオッゴ”

 

赤倉岳(左)、前岳(中)、田茂萢岳(右)の東斜面の雪   やませ時

 

 

深すぎる積雪は アオモリトドマツの生育にとって

阻害要因とはなるが、また反面、低温や乾燥からの保護作用にも

注意を払うべきだと言われる。