起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

名刺の管理

2005-03-17 00:50:05 | Weblog
先日名刺管理ソフトを使ってみたと書きました。
それで思い出したのですが、こんどの4月からあの法律が施行されます。


個人情報保護法です。


事務所でも研修がありました。
名刺は鍵のかかるロッカーにしまっておけとか、個人情報はなるべくもらうなとか、いろいろ対応が大変なようです。


監査って、給料監査なども行いますので、個人情報に接することもあるわけですが、今までも名前は消してもらったりすることがありましたが、これからはもっと気をつけて対応しないといけないようです。

一番の対策は、個人情報はなるべく入手しないこと・・・・
のようです。

売上の計上基準 2

2005-03-16 00:35:13 | 会計
ITサービス企業の会計監査を厳格にという記事が3月13日の日経新聞に掲載されていました。


ポイントは、売上計上の基準を明確にするということです。
この記事によれば、2005年3月期には基準の設定は間に合わないので、2005年3月期はアメリカの基準を参考に・・・と書かれています。
実際、2005年3月期にアメリカの基準を参考にしてくる会社があるのかどうか不明ですが、今回はアメリカの基準がどうなっているのか、紹介したいと思います。


以前にも「売上の計上基準」で紹介させていただきましたが、今回はアメリカの基準を簡単に書いてみたいと思います。

アメリカで売上に関して公開されている基準には、

SAB第101号 <米国証券取引委員会(SEC)職員会計公報(SAB)第101号「財務諸表における収益認識」>があります。

なお、SAB101は、当初1999年12月に公表され、その後、数回の改定・FAQが公表され、最終的に2003年12月にSAB104として公表されていますが、このSAB104を含め、SAB101と呼んでいるようです。

なお、純額表示の話は、EITF指針99-19「代理人としての純額表示に対する当事者としての純額表示」の公表で、SAB104からは削除されています。


この中で、日本でも影響があると考えられるものは、【収益の認識基準】と【収益を総額で認識するか準額で認識するかの基準】であると考えられます。



【SAB101で示されている実現・稼得の条件】(「週刊経営財務」No.2694 P11より)
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①取り決めが存在しているという説得力のある証拠が存在する。
②製品等が引渡されている、またはサービスが履行されている。
③販売価格が固定または決定可能である。
④回収が合理的に保証されている。
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この要件によれば、売上は出荷基準は認められないことになり、引渡基準を採用しなければならないと考えられています。
特に、売買の基本契約で所有権の移転が相手先の検収時になっている場合には、検収基準を採用しなければならなくなってしまいます。
実務的には、得意先に引渡したか検収したかどうかということを確認することは非常に困難だと思いますので、対応に苦労するのではないでしょうか。
出荷基準なら自社でデータ管理が可能ですので簡単なのですが。。。。


【総額表示・純額表示を判断する際の考慮点(EITF指針99-19)】(「週刊経営財務」No.2694 P16より)
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①取引の当事者であるか否か
②商製品の所有権を有するか否か
③たとえば回収リスク、配送リスク、返品リスクといった所有に伴うリスクと便益を保有しているか否か
④実質的に代理人またはブローカーとしてサービスを提供する場合も含めて、手数料ベースで報酬を受取るような代理人またはブローカーとして活動するか否か
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総額か純額かは上記の事項を考慮して行いますので、いわゆる商社のような取引は、純額で表示しなければならないようです。(大手商社は純額表示に変更しているようです。)
この表示の基準で一番影響を受けるのは、商社だと思います。また、IT関係企業、ゼネコンもそうでしょう。

ゼネコンも、発注先からの工事を下請企業に流している場合が多いので、このような取引は、純額表示(手数料分だけ売上計上する)しなければならなくなると考えられるからです。



特に表示の問題は、場合によっては、売上高が激減(10分の1とかに)する可能性がある話ですから、アメリカの基準を参考にといって、簡単には会計処理を変更できるかどうかは微妙です。

名刺管理ソフト

2005-03-15 00:01:20 | Weblog
ここ最近、仙台TEOの活動なんかもあり、名刺があふれてしまっているので、整理することにしました。
せっかくだから、名刺管理のソフトでも使ってみようと思い、ネットで探してみました。

スキャナは持っていたので、シェアウェアで使えるソフトを探して、使ってみることにしました。
名刺ファイリングOCRというソフトを発見したので、早速使ってみました。

検索では、2,100円とあったので、使ってみましたが、どうもそれはアップグレード版で、新規購入は10,290円みたいです。ちょっとショックです。

使い方はまあ簡単です。
スキャナに名刺を10枚ぐらい並べて、その上に黒い紙を置き、読み取りボタンを押すと、勝手に認識してくれます。
ただ、書体やレイアウトが個性的な名刺は自分で修正する必要があります。
標準の名刺はほぼ正確に読み取ってくれるので、結構使えます。

最近企業家支援の活動をしたり、もともと会計士って名刺交換の多い部類の業種なので結構たまってました。。
ここ一年半ぐらいで400枚ぐらいの名刺がたまっていたので、ちょっと気が遠くなりそうです。

今までは、原始的にA4ファイルサイズのクリアフォルダ名刺入れに入れていたので、ちょっと進歩しました。

東京時代の名刺があと800枚以上あるのですが、これはちょっとあきらめようかと思っています。

松島

2005-03-13 01:22:07 | Weblog
週末はスキーに誘われていたんですが、義父が仙台にくるということなのでお断りしてしまいました。

今日は昼から松島に行ってみました。
車で40分ぐらいです。

松島の大観荘というホテルでコーヒーを飲みながら海をのんびり眺めました。
眺めがとても良く、感じのいいホテルでした。

その後、海に行って暗くなっていく松島の海を堪能しました。
やはり松島はいいところでした。またのんびりしに行こうと思います。


ラッピングカー

2005-03-10 23:17:34 | Weblog
最近、鮮やかな企業広告がバス一面に塗られているラッピングバスを最近よく見かけるようになりました。

ふと、思ったのですが、これって、バスじゃなく、普通の自家用車にやるビジネスってどうなのでしょうか?

ラッピングをする代わりにガソリン代を補助するという条件ではどうでしょう。
人気のある広告なら(人気のアーティストのCDなどの宣伝用とか)、逆にラッピングする際にお金を取ることもできないでしょうか?



このようなビジネスが今までないのが気になりますが。。。

新株予約権は負債か資本か

2005-03-10 00:45:24 | 会計
日本でもストックオプションの会計処理について公開草案が公表され、国際基準と同等の基準が整備されることになりました。


国際会計基準審議会、およびアメリカの財務会計基準審議会は、【ストックオプションに関する会計基準】を以下のように公表しています。

2004年 2月  国際財務報告基準第2号(IFRS 2)「株式報酬」
2004年12月  財務会計基準第123号(FAS 123R)「株式報酬」


日本では、企業会計基準公開草案第3号「ストック・オプション等に関する会計基準(案)」が公表されましたが、新株予約権の貸方項目の取扱は、IFRS 2ともFAS 123Rとも異なっています。

日本の公開草案では、新株予約権の貸方項目は【負債の部と資本の部の中間の独立項目】とするとしています。
一方、IFRS 2もFAS 123Rもともに新株予約権は【資本】(持分)に計上するとするとしています。

それでは、新株予約権は、負債なのでしょうか。資本なのでしょうか。
それとも負債でも資本でもないのでしょうか?


新株予約権を発行すると、その新株予約権は①行使されるか②失効するかのどちらかになります。
①行使されると、資本剰余金が増加します。
②失効すると、現行基準ではP/L(戻入益)を通じて利益剰余金が増加します。
いずれの場合にも純資産の増加につながります。

いずれの場合にも剰余金の増加につながるわけですから、新株予約権を【発行した段階】で純資産が増加しているとは考えられないのでしょうか?


新株予約権を負債または中間項目に計上した場合、いずれの場合も純資産の増加は、新株予約権を【発行した場合】ではなく、【権利行使時】または【権利失効時】になります。
発行時には、資産と負債(または中間項目)が増加し、純資産の増加にならないからです。
法形式的には、【権利行使時】または【権利失効時】に純資産の増加といえるのかもしれませんが、
経済的実態に着目して考えると、新株予約権の発行時に純資産は増加しているのではないでしょうか?


また、新株予約権は株主からの払込ではないので資本・資本剰余金項目とするのは、望ましくないという意見もあります。
しかし、減資差益(引退株主へ出資を返還しなかった部分)・・・資本準備金減少差益は、資本剰余金としているわけですから、現行上も株主からの払込のみが資本剰余金に計上されているわけではありません。
資本剰余金は、株主からの払込金のみとするならば、資本準備金減少差益は利益剰余金に振替えるべきです。


新株式払込金および申込期日後の新株式申込証拠金も株主からの払込ではありませんが(株主予定者からの払込金)、資本・資本剰余金に準じる扱いになっています。

なお、申込期日前の新株式申込証拠金は資本ではなく流動負債に計上されますが、新株式の割当がなかった場合には、申込証拠金を返還しなければなりません。
しかし、新株予約権は払込金を返還する必要がない点で申込証拠金とは異なります。

資本の部について、法形式を重視すると、新株予約権は資本の部に計上できないことになります。
しかし、そもそも会計は、法形式ではなく経済実態を重視することとされているわけですから、新株予約権は資本の部に計上するべきではないでしょうか?

ワインの試飲会

2005-03-09 22:45:27 | Weblog
今回も東京出張の時にワインの無料試飲会をやっていたので行ってきました。
今回は、オーストラリア特集です。

10種類ぐらいワインがあって、一番おいしかったのは、一番初めに試飲した白ワインです(名前忘れました。。思い出したら書いておきます)。
甘すぎず、すっきりしていましたが、味がありました。
ほんのりバナナの香りがしました。

値段はとそんなには高くありませんでした。
全体的においしいワインが多かったです。

雪崩

2005-03-08 08:29:10 | Weblog
今朝、仙台から新幹線に乗ろうとしたら、こまちが来ませんでした。
雪崩だそうです。
はやては来ましたが、満席だったので、やまびこで行くしかありません。

昨日は、秋田からこまちの最終で仙台に帰ったので、それから雪崩だったのでしょう。

昨日帰る前に雪崩だったら仙台に帰れないところでした。

今日こまちに乗る方は、いつまで待ってもきませんから要注意です。

秋田出張

2005-03-07 19:48:02 | Weblog
今日は秋田へ出張でした。
この頃は寒い日が続いていたので、秋田もさぞかし寒くて雪が積もっているかと思ったのですが、意外に暖かく、雪も積もっていませんでした。

新幹線で秋田に行く途中の田沢湖は、ホームの屋根に雪が2メートル近く積もっていたのに、秋田は積もっていなかったので、ちょっとがっかりでした。


結婚式

2005-03-06 17:00:58 | Weblog
入社以来の親友の結婚式に行ってきました。
久々の東京です。
とてもいい雰囲気の結婚式でした。

昨日から赤坂のアバンシェルというホテルに泊りました(式は帝国ホテル)。
かなり広くて(50平米超)きれいな割りにはリーズナブル(ツイン1室22,000円)なところでした。

明日は秋田。火曜日からは東京。また頑張ります。



バーバーバー

2005-03-05 12:59:51 | Weblog
友達の結婚式が明日あるので東京に来ています。
仙台にはエスニックの店が少ないので、ベトナム料理の店に。
意外においしかったので、びっくりしました。





追伸 バーバーバー(333)は、ベトナムのビールです。昼から333飲んでしまいました。。。

フォークでスープを飲む

2005-03-04 21:20:40 | 起業家支援
昨日の仙台TEOのミーティングのあと、みんなで飲みに行ったときの話しです。
スープとフォークのたとえ話が面白かったので、ご紹介します。


ビジネスプラン「リタイヤ世代の元教師を活用した教育ビジネス」の実現可能性を考えていたときのことです。

このビジネスは、リタイヤ世代の人たちを何とかしたいという思いから、まずはリタイヤ世代の元教師を使って体育の家庭教師をしようというものです。

このビジネスの問題点は、顧客となる子供(の親)からすれば、先生はリタイヤ世代というよりも大学生がいいのではないかという点。
また、リタイヤ世代を使うのであれば、体育教師というよりも例えば、しつけや礼儀・伝統文化などを教えたほうがいいのではないかという点。
さらに、調べたところ、元体育教師を見つけることが、非常に困難であるという点にあります。

つまり、このビジネスの問題点は、顧客と先生の二つを同時にフォーカスすることが困難なことにあります。


これは、例えるなら、「フォークでスープ飲むようなもの」といえるのではないでしょうか?

フォーク(リタイヤ世代の元教師)でスープ(子供の親)を飲むことはできるけれども、スープを飲むなら、スプーン(大学生)を使ったほうがよいでしょう。
スプーンはたくさんあるのに、フォークもなかなか見つからないようです。
また、どうしてもフォークを使いたいのなら、スープを飲むのではなくてイチゴを食べればよいでしょう。

なかなか難しいビジネスをやろうとしているようです。どうせならスープかフォークを変えてしまえば、楽になるのではないでしょうか?



それでは、フォークでスープを飲むことは不可能なのでしょうか?






必ずしも不可能ではないと思います。
フォークでスープを飲みたければ、パンを用意すればよいのです。
フォークでパンを刺してスープに浸せばよいのです。

何か良いパンが見つかればいいのですが、どうでしょうか?

資産負債アプローチ

2005-03-02 00:03:34 | 会計
利益の認識をいつ行うかというのは、会社にとって非常に重要なことです。
通常、売上は実現主義で認識するとされていますが、この実現概念による収益の認識が変わろうとしています。


収益の認識をいつ行うかについては、資産負債アプローチによる考え方と収益費用アプローチによる考え方があります。
「資産負債アプローチ」では、資産・負債の変動によって収益が定義されます。
一方、「収益費用アプローチ」では、実現と稼得過程の終了によって収益が定義されます。

収益費用アプローチでは、財貨・役務の提供と現金等価物獲得によって収益を認識します。つまり、商品の販売時(製品の出荷時)に売上を認識します。
これに対して、資産負債アプローチでは、契約時点(出荷前でも)でも純資産が増加していれば収益を認識することになります。


資産負債アプローチでは、予約販売は次のように考えます。
たとえば、100で商品販売契約を締結し、前受金を受取った場合(仕入値は60)を考えてみます。

この取引で負っている義務には、2つの考え方があります。
①商品が仕入れられなかった場合、前受金100を返還する義務を負う。
②60の商品を仕入れる義務を負う。

この取引で負っている義務を①とみる考え方を「顧客対価額」、②とみる考え方を「法的解放金額」といいます。

②の考え方を採る場合、現金を100受取ったのに対して、義務が60ですから、純資産が40増加します。
資産負債アプローチでは、この純資産40の増加を収益として認識します。


それでは、資産負債アプローチが採用される理由は何でしょうか?その理由には以下のものがあると言われています。
①契約内容が複雑で、契約内容が、製品の引渡し・製品の据付作業・製品の保証等のいくつかの段階で成り立っている場合に、実現・稼得過程の終了がいつ生じたのかを判断することが困難である。
②すべての業種で画一的に実現・稼得過程の終了を定義することは困難である。



もう一つ、資産負債アプローチで、履行義務を「顧客対価額」とみるか「法的解放金額」とみるかについて考えてみたいと思います。

といっても、現在のところ、IASB・FASBでは「法的解放金額」で測定することが暫定的に合意されているという段階ですので、明確にどちらを採用するという明示はありません。
ここまで理解できていれば、一応最新の知識は得られるというところで、ご容赦いただきたいと思います。


PS 最近監査を行う際に、監査要点(アサーション)として「権利・義務」が重視されてきているのを感じるのは、収益の認識で「権利・義務」が重要になってきているからですね。
今までは、収益は、モノを出荷しているかどうかが重要で、権利・義務は重視されていなかったのですが、これからは重要になってきそうです。


*この記事は分かりやすく書くことを目的にしていますので、用語を正確には使っていないことをご了承ください。
**参考 経営財務No.2705 IASBの活動の成果と2005年の展望について