前回の続きです。
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売掛金の実在性を検証したい(架空計上されている売掛金がないか検証したい)場合を想定します。
得意先が10,000件、全部で100億円の金額が計上されているとします。
売掛金の実在性を検証するため、サンプルをして確認状を発送することとします。
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今回は、サンプリングによる試査で何を行おうとしているかについて、解説してみようと思います。
前回、これは、売掛金全体に、
①「重要性の基準値を超える間違いがある」
②「思ったとおりの少額の間違いしかない」
のどちらが正しいかを検証することにあると書きました。
このことを理解するためには、統計について若干理解しておく必要があります。
簡単な事例を紹介してみようと思います。
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ネジ工場で、ネジの出荷をしているとします。
1箱に1万個入れてあるとします。
1級品は1万個につき10個、2級品は1万個につき500個傷がついているとします(使用上の問題はないものとします)。
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通常は1級品と2級品を区別するために箱にラベルを貼ってあるのですが、ラベルの貼っていない箱があったとします。
この箱が1級品か2級品か見分けるためにサンプリングで調査をしようと思います。
さて、何個サンプルすればよいでしょうか?
100個サンプルした場合、1級品なら0~1個、2級品なら5個ぐらい傷物があるはずです。
つまり、1級品と2級品はサンプリングで区別することは可能です。
これを監査に当てはめてみると、どうなるでしょうか?
1級品は、②「少額の間違い」
2級品は、①「重要性の基準値を超える間違い」
に例えることができます。
実は統計学的には、「1級品か2級品かを見分ける」よりも、「2級品でない」ことを見分ける方がサンプル数が少なくてすみます。
したがって、2級品でないことを見分けることとします。
監査的には、
①「重要性の基準値を超える間違い」のことを許容誤謬額(率)、
②「思ったとおりの少額の間違い」のことを予想誤謬額(率)といいます。
つまり、サンプリングの目的は、許容誤謬額を超える間違いがあるかどうかを検証することにあります。
その基本となる考え方は、売掛金に発生している間違いは「許容誤謬額」なのか「予想誤謬額」なのかを見分けること、
正確には、「許容誤謬額」であるのかないのかを見分けることにあります。
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売掛金の実在性を検証したい(架空計上されている売掛金がないか検証したい)場合を想定します。
得意先が10,000件、全部で100億円の金額が計上されているとします。
売掛金の実在性を検証するため、サンプルをして確認状を発送することとします。
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今回は、サンプリングによる試査で何を行おうとしているかについて、解説してみようと思います。
前回、これは、売掛金全体に、
①「重要性の基準値を超える間違いがある」
②「思ったとおりの少額の間違いしかない」
のどちらが正しいかを検証することにあると書きました。
このことを理解するためには、統計について若干理解しておく必要があります。
簡単な事例を紹介してみようと思います。
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ネジ工場で、ネジの出荷をしているとします。
1箱に1万個入れてあるとします。
1級品は1万個につき10個、2級品は1万個につき500個傷がついているとします(使用上の問題はないものとします)。
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通常は1級品と2級品を区別するために箱にラベルを貼ってあるのですが、ラベルの貼っていない箱があったとします。
この箱が1級品か2級品か見分けるためにサンプリングで調査をしようと思います。
さて、何個サンプルすればよいでしょうか?
100個サンプルした場合、1級品なら0~1個、2級品なら5個ぐらい傷物があるはずです。
つまり、1級品と2級品はサンプリングで区別することは可能です。
これを監査に当てはめてみると、どうなるでしょうか?
1級品は、②「少額の間違い」
2級品は、①「重要性の基準値を超える間違い」
に例えることができます。
実は統計学的には、「1級品か2級品かを見分ける」よりも、「2級品でない」ことを見分ける方がサンプル数が少なくてすみます。
したがって、2級品でないことを見分けることとします。
監査的には、
①「重要性の基準値を超える間違い」のことを許容誤謬額(率)、
②「思ったとおりの少額の間違い」のことを予想誤謬額(率)といいます。
つまり、サンプリングの目的は、許容誤謬額を超える間違いがあるかどうかを検証することにあります。
その基本となる考え方は、売掛金に発生している間違いは「許容誤謬額」なのか「予想誤謬額」なのかを見分けること、
正確には、「許容誤謬額」であるのかないのかを見分けることにあります。