起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

売上の計上基準

2005-01-07 00:11:29 | 会計
 今回は、売上の計上基準について書いてみたいと思います。

 会社によって何を商売としているかは様々なので、売上を一括りに説明するのは非常に大変です。普通は会社といえば、小売業や飲食店、メーカーなどを思い浮かべるわけですが、中には「モノ」を売る商売だけではなく、「サービス」を提供する会社や何を売っているのかよくわからない会社もあります。

 それでは、売上とは一体なんでしょうか? 簡単に言えば、「モノ」や「サービス」を提供して、お金を受取る(ことのできる状態にする)ということです。

 たとえば、飲食店は簡単です。料理を提供してレジでお金を受取れば売上です。中には、クレジットカードで支払いをするお客さんもいますが、クレジットカードで決済した時点で、お金を受取れる状態になったわけですから(通常クレジットカードの場合は、15日ごとに振込みがあります)、クレジットカードで決済した時点で売上を計上することができます。

 それでは、メーカーの場合はどうでしょうか? 受注生産型のメーカーの場合は、業務の流れは一般的に次のとおりです。
 受注 → 生産 → 出荷 → 運送 → 納品 → 検品 → 検査 → 検収 → 請求 → 支払
 *検品…数量をチェックすること、 検収…性能等の検査を行い不良がないかチェックすること

 日本では、一般的には出荷の時点で売上を計上する場合(出荷基準)が多いようです。
 これは、継続的に経営活動を営んでいる場合、出荷が行われると通常は納品・検収・支払まで滞りなく行われるからです。別の見方をすれば、出荷基準で売上を計上するのは日本の慣行になっているともいえます。
 ただし、精密機械のメーカーのように出荷=検収と簡単には結びつかないモノを売っている会社の場合には、検収が行われた時点で売上を計上する方が望ましい(その方が会社の実態を反映しているため)といえるでしょう。

 この点で、日本ではあまり細かいルールは決まっていないのですが、アメリカでは、SAB第101号(2003年12月にSAB第104号として公表)として細かいルールが公表されています。それによれば、アメリカでは基本的には、出荷の段階ではなく、納品の段階で売上計上することになっているようです。

 それでは、アメリカではなぜ細かいルールを決めているのでしょうか? この話は、また明日することにします。


ヒント 次の本が参考になるでしょう(アンダーセンの消滅とは関係ありません)。

名門アーサーアンダーセン消滅の軌跡

シュプリンガーフェアラーク東京

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