起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

与信管理

2005-11-30 00:28:16 | 監査
会社にとって売上はとっても必要なものです。
しかし、本当に必要なものは、売上という数字ではなく、入ってくる現金です。
・・・同じことじゃないか?
と言われそうですが、ちょっと違います。

普通、会社は現金取引をしないで、掛取引(かけとりひき)を行います。
つまり、締日(売上・請求の集計基準日)と支払日を決めてまとめて決裁を行います。
たとえば、「末締翌末払」という具合です。
この場合、たとえば、1/1~1/31までの納品の集計額を請求し、2/28に振込んでもらいます。
したがって、1/1に売った製品の債権(売掛金)は2/28にならないと現金化されないわけです。

この2ヶ月の間に得意先が倒産してしまうと、当然ながら「大損」です。1円も入ってきません。

そこで必要なのが「与信管理」です。
ちなみに、信用を供与している掛の状態のことを「与信」といいます。

与信管理の第一歩は、与信管理の重要性を認識することです。
いくら売上が欲しくてもお金が回収できなければ意味がありません。
得意先の危険性(債権の回収可能性)をよく考える必要があります。

具体的な与信管理の方法は、本屋に行くと色んな本が出ていますのでいくつか手にとってみると良いでしょう。


監査で与信管理の内部統制を検討する際には、次のような点を主にチェックします。
・与信限度を設定しているか
・与信期限を設定しているか
・与信限度の設定方法は適切か
・与信限度を超過して販売することが出来ない仕組みになっているか
・与信限度を超過する場合の手続は適切か
・与信限度を超過していないか定期的に調査しているか
などです。


今まで大手企業としか取引したことがない会社が、大手企業以外と取引をするようになったら要注意です。
与信管理の仕組みをしっかり作っておかないと、手痛い思いをすることになってしまいます。
勉強だと笑えるぐらいだったらいいのですが、場合によっては会社が消滅してしまうことになるので要注意です。



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コンフォートレター

2005-11-25 09:10:07 | 監査
休み前に東京日帰り、福岡1泊と出張後、現在東京出張中です。

今回の出張は、コンフォートレターの作成です。
あるソフト会社(仮:ホントは違います)がヨーロッパ(これも仮)で普通社債(仮)を急遽発行することになったのです。
仙台からも東京のクライアントには何社か行ってますが、コンフォートレターは初めてです。

社債を発行する際には、「目論見書」というものを会社が作成しますが、これには監査報告書は添付されません。
そこで、主幹事の証券会社から監査人に内容の一部の確かめてくれという依頼が来ます。
その報告書のことを「コンフォートレター」(監査人から事務幹事証券会社への書簡)といいます。

インチャージからメールで来ていた作業内容を確認しつつ作業を進めていくことにしました。
残念ながら、作業内容は全て英文だったので、悪戦苦闘しつつ解読していたところ、パートナーが登場。

会社の方と日程を確認していたところ、時間がないことにあせっていたようです。
「これは土曜日も出るしかないな・・・」とのお言葉。

・・・まずい。
金曜日は友人がうちに泊まりに来ることになっていた・・・。
このままでは、妻の知らない友人二人が家に泊まりに来てしまう・・・。
・・・一晩中UNOをやっててもらうのもいいかも、ひょっとしたら私の悪口大会になってしまうか・・・
などと、訳の分からないことを考えつつ、作業を進めることにしました。

作業を進めていると、たいした作業量ではないことに気づいたので何とか金曜日にはめどがつきそうでほっとしました。

今日は時間通りに仙台に戻る予定です(多分)。


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福岡TEOに参加してきました。

2005-11-23 14:37:05 | 起業家支援
仙台TEOに引き続き、福岡TEOが立ち上がるということで、仙台の状況の状況を報告しに福岡に行ってきました。
40人近くの起業家、その他支援者が集まり、有意義な意見交換をさせていただきました。
名古屋TEOの状況、東京のTEOの状況を聞き、参考にするべきことがたくさんありました。

名古屋ではGREEmixiを有効に活用しているようです。
福岡は若い起業家をたくさん集めていました。


夜、若い起業家の方々と色々な話をさせてもらい、とても楽しかったです。
仙台でも若い起業家の交流を活発化できるようがんばろうと、改めて思いました。

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営業関係の監査2

2005-11-22 04:26:28 | 監査
今回は、残高確認の差異調整です。

営業関係でいうと、「売掛金」の残高確認を行います。
残高確認とは、得意先に売掛金の金額を書面で問合せをして、間違っていないかどうかの回答をしてもらうことです。
この書面のことを「残高確認状」といいます。

なお、金額に差異があるからといって、「売掛金」の金額が間違っているとは限りません。
通常、売上は出荷日、仕入は入荷日に計上されるのでズレが発生することがあるからです。
たとえば、100万円の製品を3/31に宅急便で送り、相手先に4/1に届いたとします。
そうすると、3/31に売上を計上しますが、相手先は4/1に仕入計上しているはずです。
この場合、100万円の残高確認をすると、回答は0円です。

このような差異の内容を会社の担当者に調査してもらって内容の合理性を確かめる手続が、「残高確認の差異調整」です。

上記のような差異の場合、問題はありませんが、時々問題となる事例が出てきます。


たとえば、次のようなものがあります。

製品が一部壊れていて値引をすることになっている場合
→ 値引分を相手先は差し引いて回答してくるはずです。
  期末に値引処理をしておくべきですから、修正(売上の減額)が必要です。

回答額が多い場合
→ 売上計上漏れの可能性があります。
  受注・出荷指示・出荷などの内部統制上の欠陥がある可能性があります。
  これらのどこかの段階で牽制機能が働いていない可能性があるからです。
  修正(売上の増額)も必要ですが、内部統制上の問題点を指摘する必要もあります。

その他、差異の内容をヒアリングしていると色々問題点が出てくる可能性があります。
このようにして、売掛金の実在性を確かめるのです。


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営業関係の監査

2005-11-22 00:42:45 | 監査
今日は、日帰りで東京出張でした。
仙台では車で移動することが多かったのであまり気づいていませんでしたが、もう冬ですね。東京では電車の移動だったので寒さがひとしおでした。

今回は、営業関係の監査です。
具体的には、

・滞留債権の調査
・決算日後の売上修正の調査
・残高確認の差異調整

などです。

具体的にどんなことをやっているのか書いてみたいと思います。
監査にご興味ある方は、読んでみてください。


・滞留債権の調査
滞留債権とは、一般的には回収予定日を過ぎても入金のない債権のことをいいます。
たとえば、通常の決済基準が「末締め翌末払」の場合
1月10日に出荷した製品は、1月31日に請求書を作成し、2月28日に払ってもらいます。
したがって、1月末の残高は2月末にはゼロになっているわけです。
ただし、1,2日遅れることはよくある話です(たとえば末日が休日の場合や、金融機関の営業時間後に入金した場合など)。しかし、どんなに遅くとも3月末にはゼロになっているはずです。

取引先が何百件とある場合、いちいちすべての得意先の回収状況を見ていては日が暮れてしまうので、
会社から「月別」「得意先別」の期首残高、回収金額、売上金額、期末残高のデータをもらって、アクセスでデータを加工し、3ヶ月間動きのない得意先がないかをチェックします。

エクセルではなくアクセスを使うのは、得意先が期中に増減するからです。
アクセスなら、得意先コードに関連付けを行って各月を並べることが簡単にできます。

このようにしてピックアップした得意先の状況について、会社の担当者になぜ滞留しているのか、いつ回収できるのかをヒアリングし、回収可能性を検討するのです。


・決算日後の売上修正の調査
会社は予定していた売上が達成できない場合に、いわゆる「押込み販売」をすることがあります。
「押込み販売」とは、得意先に無理やり製品を引き取らせることですが、後に返品されることも少なくありません。また、無理して作った製品は不良品が多くなり、返品されるといったこともないわけではありません。
このような、決算日後に生じる返品や値引は、本来売上として計上できないものも含まれますから、そのようなものは売上の修正をしてもらう必要があります。

具体的には、期末日後生じた返品や値引の内容をヒアリングします。
通常内部統制が有効に機能している会社は、返品や値引を行う際には担当者の判断だけではなく何らかの申請書を提出し、しかるべき人が決裁を行っています。
そこで、決算日後に作成した申請書を閲覧して怪しいものがないかをチェックするのです。


・残高確認の差異調整
長くなってきましたので、残高確認の差異調整についてはまたの機会に書いてみたいと思います。

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ビジネスプランの話をする

2005-11-16 00:16:06 | 起業家支援
東北大の石井さんとお会いしました。

ビジネスプランの相談という事でしたが、音声コンテンツビジネスの将来を3人でずっと話していたという感じでした。
肝心の財務の話はあんまりできなかった気がしましたが、あっという間に時間が過ぎ去っていきました。
話をしていると、色々なアイデアが出てくるのがとても面白かったです。

最近のIT系のビジネスは無料サービスが多いのですが、お金の「入り」をひねることで面白いビジネスができる例が可能性が高いのかなと思っています。

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CIFTで講師をする

2005-11-04 23:36:48 | 起業家支援
中間監査の真っ最中ですが、東北大学のCIFTという団体のビジネスプランコンテストの講師をやってきました。
縁あって、仙台TEOの活動を通じて知り合ったCIFTの方からお話があったのです。

はじめはどのような講義をしようか悩みましたが、スタッフの方がレジュメを作ってくれたので、それにしたがって講義をやることにしました。
また、大雑把に(わざと矛盾を含んだ)ビジネスプランの(予想)財務諸表を作ってもらい、これを講義中に修正していくという形で講義もしました。

なかなか面白い体験でした。
学生の皆さんにもよく理解してもらったかどうか分かりませんが、これからビッグになる起業家が現れるといいなと思います。


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