家電量販大手・コジマ、5億円の申告漏れ (読売新聞) - 6月2日10時42分更新
「関係者によると、同社は、仕入れ先のメーカーから家電を仕入れる際に受け取っていたリベート(販売奨励金)などについて、本来は営業外収益に計上すべきところを、メーカーの値引き分と装って仕入れ額を圧縮し、所得を過少申告していたという。」
ニュースによれば、営業外収益に計上すべきリベートを仕入から控除していたという事らしいです。
一見するとどっちでも同じじゃないの?と思えますが、違うようです。
営業外収益に計上すべきリベートなんて存在するのでしょうか?
リベートではなく仕入割引ならありえますが・・・。
**************
というわけで、リベートと仕入割引の違いをちょっと書いてみたいと思います。
リベートとは、仕入割戻しと言ったりもします。たくさん仕入れた場合にもらえる場合が多いです。
例えば、テレビを100台仕入れたら仕入額の2割を返金しますといった契約です。
一方、仕入割引とは、キャッシュリベートと言ったりもします。決済条件よりも早く入金する場合にもらえるものです。
例えば、月末締めの請求で、翌月10日までに全額振込みをすると、1割返金しますといった契約です。
リベートがたくさん仕入れてくれたことによる報奨という意味合いがあるのに対して、仕入割引は決済を早くしてくれることに対する報奨という財務的な意味合いがある点で異なります。
したがって、リベートは仕入額の調整となるので仕入額から控除する(売れた分だけ売上原価から控除)のに対して、仕入割引は仕入から控除せず仕入割引という営業外の収益(全額収益計上)となります。
つまり、仕入割引なら、支払時点で一括収益計上されますが、リベートなら期末在庫に按分した一部を除き、売上原価の控除項目として計上されることになります。
もっとも、翌期には期末原価から控除されたリベートが実現するので(多分翌期に売れるので)、翌期には収益計上することになります。
最近の税務調査の話を聞いていると、このような翌期に認容されるような取引は、あまり指摘されない傾向にあったようですが、他に指摘するべきことがないと膨大な契約書をガリガリ調査されて指摘されてしまうようです。
まあ、このような指摘事項が見つかると同業種で一斉にやられる傾向にもあるようなので、要注意です。
**************
小売業界はリベートの仕組みが複雑で分かりにくいということが良く指摘されます。
リベートには、先ほど説明したように、仕入の数量に応じたリベートのほか、仕入金額に応じたリベート、販売数量に応じたリベートなども存在するようです。
また、小売価格の下落に応じて在庫に対して支払うリベート(価格補填?)のようなものもあり、さまざまです。
一般的にメーカーは量販店に出荷する際の販売単価(仕切単価)を引き下げたがらない傾向にあるので、販売価格の下落に対してはリベートで調整することが多いようです。
メーカーが仕切単価を変えないこともリベートを複雑にしている一つの要因になっているようです。
「関係者によると、同社は、仕入れ先のメーカーから家電を仕入れる際に受け取っていたリベート(販売奨励金)などについて、本来は営業外収益に計上すべきところを、メーカーの値引き分と装って仕入れ額を圧縮し、所得を過少申告していたという。」
ニュースによれば、営業外収益に計上すべきリベートを仕入から控除していたという事らしいです。
一見するとどっちでも同じじゃないの?と思えますが、違うようです。
営業外収益に計上すべきリベートなんて存在するのでしょうか?
リベートではなく仕入割引ならありえますが・・・。
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というわけで、リベートと仕入割引の違いをちょっと書いてみたいと思います。
リベートとは、仕入割戻しと言ったりもします。たくさん仕入れた場合にもらえる場合が多いです。
例えば、テレビを100台仕入れたら仕入額の2割を返金しますといった契約です。
一方、仕入割引とは、キャッシュリベートと言ったりもします。決済条件よりも早く入金する場合にもらえるものです。
例えば、月末締めの請求で、翌月10日までに全額振込みをすると、1割返金しますといった契約です。
リベートがたくさん仕入れてくれたことによる報奨という意味合いがあるのに対して、仕入割引は決済を早くしてくれることに対する報奨という財務的な意味合いがある点で異なります。
したがって、リベートは仕入額の調整となるので仕入額から控除する(売れた分だけ売上原価から控除)のに対して、仕入割引は仕入から控除せず仕入割引という営業外の収益(全額収益計上)となります。
つまり、仕入割引なら、支払時点で一括収益計上されますが、リベートなら期末在庫に按分した一部を除き、売上原価の控除項目として計上されることになります。
もっとも、翌期には期末原価から控除されたリベートが実現するので(多分翌期に売れるので)、翌期には収益計上することになります。
最近の税務調査の話を聞いていると、このような翌期に認容されるような取引は、あまり指摘されない傾向にあったようですが、他に指摘するべきことがないと膨大な契約書をガリガリ調査されて指摘されてしまうようです。
まあ、このような指摘事項が見つかると同業種で一斉にやられる傾向にもあるようなので、要注意です。
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小売業界はリベートの仕組みが複雑で分かりにくいということが良く指摘されます。
リベートには、先ほど説明したように、仕入の数量に応じたリベートのほか、仕入金額に応じたリベート、販売数量に応じたリベートなども存在するようです。
また、小売価格の下落に応じて在庫に対して支払うリベート(価格補填?)のようなものもあり、さまざまです。
一般的にメーカーは量販店に出荷する際の販売単価(仕切単価)を引き下げたがらない傾向にあるので、販売価格の下落に対してはリベートで調整することが多いようです。
メーカーが仕切単価を変えないこともリベートを複雑にしている一つの要因になっているようです。