起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

棚卸立会の季節

2006-03-31 05:59:56 | 監査
今日は3月31日。日本の会社の決算日は、今日が一番多いです。

ということで、今日は棚卸の立会に駆りだされる会計士が多数です。
私も夕方から夜中にかけて棚卸です。
ここ数年小売のお店に行くことが多いです。

また、棚卸の立会だけでなく、現金の実査も一緒にやってきます。
大きなお店では、現金を数えるのも一苦労です。
細かいお金で、1,000万円近く数えることもあります。
そうなると、普段は数え慣れていませんので、何時間もかかってしまいます。
会計士って、普段はお金に触れることはないので、銀行員の方のように数えることって普通できません。

今回は、どれぐらい数えることになるんでしょうかね。
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ロングテール

2006-03-27 22:50:37 | 起業家支援
近頃、「ロングテール」という言葉が流行っています。

ロングテールとは、ネット販売における面白い現象です。
つまり、売れ筋商品の販売合計額よりも、あまり売れていない商品の販売合計額の方が大きくなる現象のことを指します。
販売量をランク付けしたグラフがなだらかに右肩下がりとなっていることから、ロングテールと呼ばれているようです。

たとえば、書店の場合、紀伊国屋などの実在する店舗の場合、売れ筋の上位2割の本が、売上の8割を占めているといわれています。(パレートの法則)
逆に、アマゾンの場合には、売れていない本の売上が大きな割合を占めるといわれています。(ロングテール現象)

実際の店舗では、物理的な制約もあるので、たくさんの棚に本を並べておくことは難しいですし、POPで本の紹介をするのも限界があります。
しかし、ネット販売では、アイテム数の限界がほとんど無いことや本の紹介などにも物理的な限界がほとんど無いため、売れない商品も積もり積もって売上の多くを占めることができるのです。

従来は、売れ筋商品をそろえて売上を伸ばそうという考え方がありました。
良い例がコンビニです。
限られたスペースのなかで売上を最大化するために、常に売れ筋を把握して、売れない商品(死に筋)を売れ筋に入れ替えていくことで、コンビニは常に買いたいものでいっぱいにしておく必要がありました。

しかし、ネット販売の場合、ディスプレーするべき店舗は、PCの中にあるわけですから、見せ方を工夫することで(検索、おすすめ、口コミなど)必ずしも売れ筋だけをそろえておく必要はなくなったのです。

良く考えるとこれはすごいことです。
ネットの世界では良いものは売れる可能性があるのです。
良いものは売れて当たり前のように思えますが、現実の世界では良いだけでは売れません。
マスコミを使った宣伝やマーケティング戦略を駆使してヒット商品を育てることも盛んに行われてきました。
良い物を作りながらも販路が無かったため、この世から消えていった商品もそれこそ星の数ほどあったに違いありません。

ネット販売で成功するためには、たとえニッチなものでも、本当に良いものを販売するという戦略がいいのかもしれません。


もう一つ、ロングテール現象を利用しているサービスがあります。
ネット販売とは一味違う応用編です。

それは、ネットを使った広告です。
良くあるのが、アフィリエイトというやつです。
これは、自分が作ったホームページやブログに広告を貼り付けて、1クリック1円などの広告収入を払うというものです。
通常、個人のWebサイトではこれらのアフィリエイトを行ってもそれほどクリック数は伸びません。
これらのアフィリエイトは、下限を設けています。たとえば、1ヶ月千円に満たない広告料は切り捨てられて払いませんなどと。

このことは何を意味しているのでしょうか?
この下限は、もちろん手間を考えてのことでしょうが、それだけではありません。
先ほどのロングテールの話ではありませんが、下限以下の登録者というのは非常にたくさんいます。しかし、この登録者を集めると全体のクリック数の8割を占めるということにもなりかねません。
つまり、合計すればクリック数が多くなる(宣伝をしてくれている)登録者集団に対して、広告料を支払わず済んでいて、スポンサーからはスポンサー料をもらっていることになるのです。

憶測ですが、こうして、Webの広告代理店は非常に大きな収益率を維持することが可能になっているのではないでしょうか?





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コンビニの進化

2006-03-26 00:21:57 | Weblog
最近のコンビニの変化は目を見張るものがあります。

先日東京出張していたホテルの近くにあったコンビニでは、コーヒーが店内で飲めました。
まあ、コーヒーが飲めるコンビニはいくつかあると思います。
「しゃべれるたべれる」でおなじみのミニストップやローソンの一部店舗など。
そのコンビニは、ファミリーマートだったんですけど、美味しいコーヒーでした。
美味しそうだったのでちょっと試してみましたが、本当に美味しかったのでびっくりしました。

まあ、コーヒーぐらいでは驚きに値しませんが、そのコンビニには、さらに卓球場がありました。
さすがに卓球場のあるコンビニは全国にも無いかなぁと思います。
全部で6卓(って数えるのでしょうか?)もありました。

朝はさすがに卓球をやっている人はいませんでしたが、夕方は結構にぎわっていました。
コンビニも個性の時代なんでしょうか?




コーヒーはセルフサービスです。


きれいな卓球台でした。

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ウォークスルーとは

2006-03-24 00:39:07 | 監査
ウォークスルーといえば、従来は一つの取引を取引の開始から財務諸表に反映されるまで追いかけて、証憑と記録を照合し、業務フローを把握する手続と言われてきました。(*1)

(ただ、ウォークスルーについてはっきりと書かれている文献をあまり知らないので、単なるローカル・ルールなのかもしれません)

簡単な仕入の例でいえば、次の通りです。
ある一つの商品について、見積依頼→発注→納品→支払 というフローを次のような証憑と記録を追跡します。

見積書、発注書(控)、注文請書、納品書、請求書、仕入伝票、総勘定元帳(仕入・買掛金)、支払依頼書、振込明細、当座勘定照合表、伝票、総勘定元帳(買掛金・現金)



しかし、コントロールテスト(*2)の実務が定着してきて、代表的なフロー(*3)だけでなくもう少し細かなフローも見るようになってきて、一つの取引にこだわる必要がないのではないか?と考えるようになって来ました(実は昔からそうかもしれませんが)。

つまり、ウォークスルーの肝は、デザインされた(*4)業務フローやコントロールが実際にデザインどおりに運用されていること(cf.有効に運用されているかは運用テスト(*5)で評価します)を理解することにありますから、一つの取引にこだわる必要はないわけです。
ウォークスルーの趣旨からすれば、全ての業務フローやコントロールを網羅的に理解すれば、一つの取引ではなくバラバラな取引を検証しても良いことになります。


最近公表されたQ&Aの公開草案でも、このような理解でいいのかなと思っています。
最近は内部統制を重視する監査になってきて、ますますウォークスルーの重要性が高くなってきています。


・・・最近監査の公表資料が多すぎます。ちなみにこの公開草案は57ページあります。




---------------------

(*1)
昔から会計監査を行う際に、ウォークスルーは内部統制の状況を把握するために実施してきましたが、最近は、「内部統制の有効性の評価」に注目が集まるようになったため、ウォークスルーは必須の手続とされ、さらに深く実施するようになって来ました。

(*2)
ここでは、内部統制の有効性を確かめる手続のことを言っています。

(*3)
「業務フロー」という言葉のほか、「業務プロセス」とか「取引サイクル」と言ったりもします。厳密にはこれらの用語は意味が異なるのかも知れませんが、実務上はほとんど同じ意味で使っています。
代表的な業務フローには、「購買プロセス」、「販売プロセス」、「原価計算プロセス」、「人事プロセス」、「財務プロセス」、「財務報告プロセス」などがあります。

(*4)
効率的かつ正確に業務を行うため、業務の流れは「規程」や「マニュアル」、「フローチャート」などに書かれていることが多いです。
このようにあらかじめ業務や統制を文書化しておくことを「デザインする」と言ったりします(簡単にいえば)。

(*5)
運用テストは、コントロールテストと言ったりもします。
たとえば、商品を仕入れる際に担当者は、発注書を作成し、上司の承認を受けるとします。この際、「上司の承認」というのは、コントロール(内部統制)の一つです。この「上司の承認」がなければ、過剰発注を行い売れない商品が倉庫に溢れてしまう可能性があります(あくまで可能性です)。
したがって、このコントロールに重要性があれば、このコントロールの有効性をテストすることになります。
具体的には、発注書を何十枚かサンプルで抜き出し、上司の承認があるかどうか確かめることになります。
証認印があればコントロールは有効、無ければ有効でないことになります。
コントロールが有効でない場合には、売れない商品が倉庫に溢れている可能性があるので、監査上は、滞留在庫があるか(評価は適切に行われているか)念入りにチェックすることになります。


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IT 委員会報告第3号「財務諸表監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」Q&A(公開草案)


ウォークスルーとは、財務報告目的の情報システムにおける取引の開始から財務諸表までを追跡することをいいます(監査基準委員会報告書第29号)。

監査人はウォークスルーを通じて下記の事象を確かめます。
・プロセスと取引及びそれに関連する情報の流れに関する監査人の理解が正しいこと。
 取引の流れには、取引の開始、承認、記録、処理、報告が含まれます。
・不正の防止または発見を含む財務報告にかかる内部統制のすべての構成要素における統制のデザインについての監査人の理解が正しいこと。
・有効にデザインされた統制が、実際に業務に適用されていること。

ウォークスルーを実施するに際しては、例えば、以下の手続を実施します。
・担当者への質問
・内部統制の整備・運用状況の観察
・内部統制のデザイン・運用を行うために作成された書類の閲覧
・証憑書類と会計記録の照合等

ウォークスルーを実施する際に、プロセス自体がIT化されているような場合には、ITの業務処理統制と全般統制もウォークスルーの実施対象になります。
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公認会計士の社会活動

2006-03-14 23:15:27 | Weblog
最近、サービスに興味が沸いてきました。
何でだろうなぁと思っていたのですが、なんとなく分かってきました。



サービスの本質は、誰かのために心を砕き、努力し、喜びを共有することにあります。というかそういうものだと思います。
一方、自分のためにやるサービスは、自分との戦いです。サービスを自分が評価されるための材料のように思えてしまい、どこかでモチベーションが低下してしまいます。

多分サービスに関わっている人は、そのことを頭では分かっていると思います。しかし、なかなか実践できません。
それどころか、お題目だと思っている人も多いことでしょう。
ただ、このお題目を信じて実践すると道は開けてきます(ちょっと宗教ちっくですが)。

これって起業家支援にも言えることです。
起業家支援という活動は、起業家のために心を砕き、努力し、喜びを共有すること。まさにそのために活動しているのです。
私が関わっている起業家支援組織はお金を取っていませんから、サービス業ではありませんが、まさに同じことです。

話は飛びますが、我々公認会計士は、国(社会)から特権を与えられて監査業務を独占しています。
そういった特権を社会から与えられているのに、一方で社会に何か還元しているだろうかと思うときがあります。
残念ながら、社会に還元していることが思い当たりませんが、これは、これでいいのだろうかと思うことがあります。

せっかく専門知識があるのに、それが十分に社会に活かされていないのではないかと時々考えたりします。
もちろん、上場会社の監査を行うことも重要ですが、果たしてそれだけでいいのでしょうか?
与えられた特権の中で生活をするためだけに仕事をしているのは、なんだか資源を有効活用していないような気がしてなりません。
公認会計士はもっと社会のために専門知識を活かしてもよいのではないでしょうか?

社会への還元の仕方は色々あると思います。
起業家支援というのも一つの方法だと思い、仙台TEOで活動をはじめました。
このブログもそうです。起業・会計をキーワードに有益だと思ったことをエントリーしています(まあ、役に立たないこともたくさんエントリーしてますが)。


「誰かのために活動し、喜びを共有する」ことが好きなんですね。



本屋でパラパラめくっていて良いなと思い買った本です。
全てのサービス業に通じます。一度読んで損はありません。
いいことが書いてあります。

見返りを求めない母の愛のような母性がサービスには必要
金額の高いもの=夢ではない。やさしい時間・ステキな体験・・・
サービスとは、なんにでも手を添えること
サービスはバトンリレー バトンを落とさずゴールまで運ぼう
場合によっては企業もスタッフの公私混同を認めなければいけない。
CS=ES
メモリアリデーを制定する
続きは原書をあたってください・・・。

図解 クボヤマ流あなたのファンをつくる サービスの教科書

インデックスコミュニケーションズ

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格差とお金

2006-03-13 08:45:58 | Weblog
格差が広がっていることについて、最近よくテレビで特集をしています。政治の世界でも盛んに議論しているようです。
ここでいう格差は所得の格差を指す事が多いようです。

ここでちょっと考えてみたいのが、所得の格差って本当に問題なのかって事です。
「所得の格差が問題だ」という一方で、「世の中お金じゃない」ともよく言われます。
これって矛盾してませんか?
私は世の中お金じゃないと思ってる方の人間ですから、所得格差はあっても良いんじゃないかと思っています。
ただ、所得の格差は構いませんが、幸せの格差はあってはいけないと思います。

更に言えば、東京と地方の所得格差の問題は早期に解決する必要があるなどといっている政治家がいましたが、多分地方は地方で豊かに(幸せに)暮らしている人が多いと思います。むしろ、東京に住んでいる人の不満を早く解決した方が良いと思います。
地方に住んでいて思ったのですが、将来に対する不安って、地方より東京の方が大きいんじゃないかと思うんです。ただ、それってエキサイティングな東京の裏返しなのかもしれませんね。

日本って何でもお金の話にすり替えてしまう傾向がありますが、危険な傾向だなと思います。



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監査小六法

2006-03-04 00:23:29 | 監査
監査に必須の「監査小六法(平成18年版)」が発刊されました。監査の現場には必須の資料です。

毎度のことですが、今年も分厚くなっています。
今年の小六法は2472ページになっていました。去年は2057ページだったので、400ページ以上(20%以上)増えています。
商法は会社法に変わっていました。会社法関係の条文も頑張って取り込んだようです。

これからもどんどん増え続けるんでしょうか?そろそろ持ち歩きも限界に近くなってきました。
私が公認会計士の3次試験を受けた頃(2,3年前)は、小六法を一通り読んだり説例を解いたりしたものですが、今の小六法を一通り読むと考えると気が遠くなってきそうです。早く受かってよかったです。

<追記>
仕事でちょっと読んでいたのですが、何か違和感が・・・。
監査基準委員会報告書(*)が無いような気が・・・。
何気なく前書きを見ると、大幅ページ増なので「監査実務指針ハンドブック」に記載のある監査委員会報告書は省略、商法も新会社法が施行されるので省略しているそうです(平成17年版を参照しろとの記載があります)。
「監査実務指針ハンドブック」は約700ページあります。この分厚い2冊はもはや持ち歩き不可能です。商法の記載のある17年版も持ち歩くと・・・絶対肩が抜けます。



(*)監査基準委員会報告書・・・現在31号「監査証拠」まで公表されている。監査の実務上の指針を記載したものである。改訂も頻繁に行われている。会計士試験では必ず出題されるため、受験生はかなり読み込んでいるはず!?


監査小六法 (平成18年版)

中央経済社

詳細


監査実務指針ハンドブック

中央経済社

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